2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/18(金) 19:23:56.03
ID:16wrmhbw0
「どうしてこうなった……」
身動きを取れなくなった私は溜息混じりに呟く。
折角の春休み、実家でのんびり出来ると思ったらこの状態だ。
まったく……、勘弁してくれよな……。
このままじゃ絶対に明日筋肉痛になっちゃうだろうしさー……。
三回、大きな溜息。
それから、私は自分の膝の上に視線を下ろしてみる。
私の溜息の原因にして、膝の重みの根源が三十分前から変わらずそこに居た。
たまに聞き取れないくらい小さな声を上げながら、胸の辺りを静かに上下させて。
三十分――、そう、三十分だ。
三十分間、こいつは私の膝の上で両手を広げて寝転がっている。
私の膝の上から離れたくないっていう理由なら、
まだ可愛げがあるんだけど、残念ながらこいつは単に眠り惚けてるだけだった。
それも、熟睡ってレベルじゃなくて、完全な爆睡ってレベルだ。
いくら頭を揺り動かしても起きる様子は一切無かったし、涎まで垂らしてやがるんだから。
百年の恋も冷めるな、こりゃ。
いや、別に私がこいつに恋してるって意味じゃないけどさ。
「ほれ、ぐにぐにー」
小さく呟きながら、私はこいつの頬を軽く抓ってみる。
上下左右に動かしたり、目蓋を無理矢理開いてみたり、
前にこいつとやったにらめっこで見せられた表情にしてみたり――、
こいつが眠りこけた時からたまにやってみてる事を諦め半分で繰り返す。
だけど、やっぱりこいつは起きない。
それどころか、爆睡してるはずなのに、
私の腕を反射的に振り払って、また寝息を立て始めたりもしてやがる。
どれだけ爆睡しているんだ、こいつは。
「ったく、こいつはよー……」
私は重心を後ろに掛けて、思わず呆れ顔で呟いてしまう。
視線を天井の方に向けて、遠い目になってみせる。
それから私はまた今日の事を思い出してしまっていた。
こいつが爆睡してから何度目になるか分からない、今日の回想シーンだ。
大学一年の講義がやっと全部終わった春休み。
バイトもある程度の長期休みが取れた私は、単身実家に帰っていた。
別に寮に居てもよかったんだけど、たまには家族に顔も見せたいじゃん?
まあ、結構身長が伸びたらしい聡をからかってやりたかったし、実家で少し楽をしたかったってのもあるけどさ。
そうして実家でのんびりしてる私に、こいつから連絡があったのは昨日の事だった。
私の家で話したい事がある――ってのが、こいつの言い分だった。
実家に帰省している大学生に特別な用事が入ってるわけも無い。
私は深く考えずに二つ返事でこいつの誘いを了承した。
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3 :
◆v0iHGVb.gE 2012/10/21(日) 19:04:50.39
ID:jFNwqvTt0 律「あーずさっ」
梓「何ですか、律先輩?」
律「ちょっとこっち来てくれないか?」
梓「え? でも、私、今夕飯の後片付けを……」
律「そんなの後でもいいからさ、ほら、早く早く!」
梓「うわっ、いきなり手を引っ張らないで下さいってば! 私、まだ手に洗剤が……」
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1 :
◆dWVtcnK36s 2012/05/14(月) 18:51:24.11
ID:6/bFsVHno「梓、好きだ」
先輩は、振り返りざまにそう言った。
「私、梓のことが……好きなんだ」
私にちゃんと、伝わるように。
それとも、勇気を振り絞っての言葉だったから?
何であれ。
先輩は、ゆっくりと、繰り返して言った。
私の事が、好きだと。
それが、律先輩が私にくれた、告白の言葉だった。
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1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/05(水) 17:13:11.77
ID:RAz41zwG0 ことんと電車の窓に額をくっつけた。
はあと息を吐くと、息のかかった部分だけ白くなって、もうすぐ冬なのだと
ぼんやり思う。
後ろに過ぎ去っていく夜の街を横目に、私は携帯を開けた。
時刻は午後十一時をまわっている。メールも、着信も、一度も来ていない。
待っているわけじゃないと自分に言い訳するものの、やっぱり私は、
結局来るはずもない連絡を待っているのかもしれない。
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http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324493628/
1 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/22(木) 03:53:48.90
ID:oMtOwFcUo
律「ひぃー、今日は一段と寒かったなぁ」ブルブル
律「ただいまー」ガチャッ
がらーん
律「あれ、梓?」
律「旦那様のお帰りだぞー」キョロキョロ
律「あずさー」
律「どこ行ったんだあの猫娘」
律「……ん?」
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