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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 00:26:21.10
ID:ctSpWt0Y0 「ん……」
貴音の匂いがする。
柔らかで、花のような、甘い香り。
「ふふっ、どうしたのです。いきなり抱きついたりなどして」
「……別に、何でもないわよ」
「そうですか」
「でも、特別にもう少しこのままでいてもいいわよ」
くすくすと鈴の音のような笑い声がする。
おデコをかきあげるように、驚くほど冷たい貴音の手の平が這う。
見上げると、貴音は寂しそうに満月を眺めていた。月明かりが横顔を照らしてる。
「……一度しか言わないから、よく聞きなさい」
私の欲しいものは手に入った。
「貴音、ずっと私の、その、傍にいなさい……よね」
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