梓「おとまり!」

1 :けいおんSS 2016/11/10(木) 22:22:23.89 ID:E325IWUR0


ピンポーン、とチャイムの音が響き、指が離れるよりも早くに扉が開いた。
うわっはやっ!
えへ、待ちきれなくてさぁ。
扉の隙間から顔を出した唯先輩は、眉尻を下げながらそう言った。

梓「おおげさですね。別の人だったらどうするつもりだったんです?」

唯「わかるよぉ、あずにゃんのことなら」

梓「はいはい」




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梓「嵐の夜に」

1 :けいおんSS 2016/08/20(土) 22:51:22.08 ID:Ljuzcmhc0


こんなときに、こんなところで、こんなひとに会うなんて、思ってもみなかった。

ずいぶん、重そうだな。

バス停のベンチに腰掛けたわたしの、手前に抱えられた黒いリュックを見て律先輩は言った。
厚い雲に覆われてほの暗い真昼の空とは無関係な、いつもと変わりない気の抜けた調子だった。
わたしは黙ったまま、リュックをぎゅっと抱きしめていた。





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菫「ろりたん!」

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 21:30:27.10 ID:PK2Z4rMF0


・プロローグ



2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 21:32:19.56 ID:PK2Z4rMF0


 私の生き甲斐はここにある。私の大切な人たちとの繋がりがここにある。

 どちらかといえば消極的な性格だ、て言われる私だけど。一緒に過ごしていれば胸のうちが自然とぽかぽかと温まる、そんな人たちがいる。

 さっきまで繋いでいた手に残る人肌の感触はとても心地良い。そっと手を握り締めたり緩めたりしていると、今でも繋がっているような錯覚を感じる。

 「…………」

 風が清々しく吹き通って、地面に散り敷かれた桜色をふわりと巻き上げて行方をくらます。その中の一枚が緩めていた手の平にちょこんと収まる。その色のかわいらしさに、無意識に笑みがこぼれた。少し眺めてから花びらを包み込むように手を握る。

 『バイバイ、お嬢様ー!』
 
 『また明日ねー!』





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紬「りっちゃんりっちゃんりっちゃん!」律「こらこらムギ、引っ張るなって」

1 :けいおんSS 2015/06/07(日) 01:37:29.57 ID:DNffAL210


紬「ねぇねぇりっちゃん!わたし行ってみたいところがあるの!」フンス!

律「おっ、どこに行きたいんだ?ゲーセン?カラオケ?ボーリングもいいなーみんなも誘う?」

紬「ううん、わたしね…りっちゃんとふたりで行ってみたいの」

律「そっか。いいぜー。お金がそんなにかかんないとこなら」

紬「お金なら大丈夫!わたしが出すから!」

律「いいっていいって。半分づつにしようぜ。それでどこに行きたいんだ?」

紬「どんなところでも付き合ってくれる?」

律「ああ、もちろんだ」

紬「えっとね………引かない?」

律「う、うん………引かない(たぶん)」

紬「その……りっちゃんわたしね…………」







紬「ラブホテルに行ってみたいの!」

律「却下」

紬「えぇ~……」





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梓「憂、もう帰ろ?」憂「…………」

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 00:01:31.35 ID:A/teO6r30


-winter side-

ひらひらと花びらみたいに落ちてくる雪が頬に触れた。

止めていた息を一挙に吐き出し、瞼を開く。
しばらく瞳を閉じていたせいか、一瞬光に眩みそうになる。
けれど、だんだんと姿を現すにつれて、空は水糊みたいに濁っていった。

雪はさっきまでと変わらずに降り止む様子はなくて、どんどんと世界を一色に塗りつぶしていく。
ここも、あそこも、そっちも、むこうも、何もかも。あれやこれやの違いは限りなく薄くなっていく。
いまさっき吐き出したわたしの息までも溶けていっちゃう。
この雪が全て溶けてしまったら、この街は海になってしまうのかもしれない。そんなことを思った。





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紬「としのせ!」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/01/01(水) 02:06:26.00 ID:Ca6APJ7r0


紬「あったかくて美味しいわ~」

梓「違います、ムギ先輩」

紬「え」

梓「お蕎麦は啜るんです」

紬「啜る?」

梓「ほら、こうやって」ズズズ

紬「こう?」ズズズ

梓「そうそう。なかなか上手です」

紬「♪」ズズズ

△▽△

梓「ごちそうさまでした」

紬「ごちそうさまでした♪」

梓「じゃあ、そろそろ市場に行きましょうか」

紬「ええ、唯ちゃん達が首を長くして帰りを待っているものね」





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憂「暑中お見舞い申し上げます」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/11(日) 22:50:49.79 ID:rEWmtwix0


憂「おはよう、純ちゃん」

純「憂……おはよ」

憂「疲れてる?」

純「……夏休みなのに夏期講習なんて嫌になっちゃうよ」

憂「あはは……。受験生なんだから仕方ないって」

純「まぁ、そうなんだけどね。……あれ、梓」

梓「……」カキカキ

純「なにやってるの?」

梓「あ、純。いたんだ」

純「うん。梓は気づかなかったみたいだけど」

梓「暑中見舞いを書いてるんだ」

純「暑中見舞い?」





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唯「もう紬ちゃんでいいや~」紬「え?」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/29(水) 13:51:44.38 ID:hrPa7ykZ0


唯「あずにゃん、そんなんじゃないみたいだし」

紬「?」



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/29(水) 14:42:40.20 ID:6Slg1k6r0


紬「えーっと、なんのことかしら」

唯「こういうこと」ギュ

紬「唯ちゃん、いきなりそんなことされたら困るよ」

唯「え、ムギちゃんこういうことされたいんじゃなかったの」

紬「好きな人にはしてもらいたいけど」

唯「…私のこと好きじゃないってこと?」

紬「勘違いしないで、唯ちゃんのこと嫌いなわけじゃないのよ」

唯「…」





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梓「ムギ先輩NTR事件」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/06(月) 22:02:35.00 ID:rCtwSQDG0


正直なところ、誰でも良かったんです。
女の子なら誰でも。

いつからかわかりませんが、女の子が好きでした。
まわりの友達が彼氏を作りたいと常日頃から口にするように、私は彼女を作りたかった。
中学生の頃、そんな思いを必死に抑えていました。
クラスの女の子はみんな男の子に夢中でしたし、女の子が好きだなんて口が裂けても言えなかったんです。

高校は女子校を選ぶことにしました。
女子校なら女の子同士も珍しくないと聞いていましたから。

文化祭で見た、あの部活。
黒髪のボーカルのひとがとってもきれいで、他の3人もとってもチャーミングだった軽音部。

私は女の子と付き合うために桜ヶ丘高校を、軽音部を選んだんです。





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紬「最上解で」

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/23(火) 08:29:46.58 ID:KvXHbuyeo




「一番いい景色が見えるところでお話がしたいです」というメールに、考え抜いて返信したのが昨日の夜だった。







2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/23(火) 08:30:16.87 ID:KvXHbuyeo



待ち合わせの場所までは別々に行くことにした。今日話す相手があの子なら、私はそうしなければならない。
ここに来るまでの妨げとなるであろうものは全て排した。相手があの子なら、私はそうしなければならない。

どうしても先に着きたかった。
私はそうするべきだと思った。


紬「………」


思いが届いたのか、ビルの屋上の扉を開いて周囲を見渡しても人影は無かった。


紬「……ほっ」


父の会社が保有する、何の変哲も無い6階建てのビル。そこの屋上を私は待ち合わせ場所に指定した。
エントランスの警備員と受付の女性には待ち合わせの相手の写真を見せてある。顔パスでここまで辿り着けるだろう。
昨夜考えに考え抜いて、相手があの子ならこの方法がいいと思った。
間違っていない、とは言い切れないけど、私に出せる最上の答えだった。

……これでダメならどうしようもないくらいに。


――それからほんの少し待って、待ち合わせの30分前。私の背後の扉がゆっくりと開く音がした。





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