1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/04(水) 22:59:30.98
ID:+RQ7RXZ/0 照「・・・」ガチャ
菫「ん、照か、御疲れ」
照「御疲れ、今日も早いね」
菫「普通だろう?お前未だにここでさえ迷子になるとかないよな?」
照「・・・」
菫「お前それは・・・」
照「そんな事はどうでもいい、他の三人は?」
菫「二年二人はまだだな、淡は・・・」チラッ
照「?」
淡「・・・」スピー
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/04(水) 23:04:51.15
ID:+RQ7RXZ/0 卓に備え付けられた椅子に腰掛ける菫の指差す先に
一年にしてこの部屋に入る事を許された少女がいた
いたにはいたんだが、寝てしまっているようだ、可愛い
照「なんだ、寝ているのか?」
菫「私が来るより前からだな、確か一年は今日進路希望調査で早かった筈だ」
照「なるほどね」ピラッ
照「今日は空色か」クンクン
菫「お前、それ淡が起きてる時にしたら大変な事になるからな?」
照「夢の中だから問題ない」
淡「・・・ん・・あれ、私・・・」ポー
照「起きたか」サッ
淡「あ、おはようございます先輩方」ペコ
照「おはよう」
菫「おはよう、淡、だがここは部室だぞ?寝るなら仮眠室を使え」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/04(水) 23:10:27.81
ID:+RQ7RXZ/0 さすが菫厳しい。けど言っている事は間違ってない
昨日はピンク、今日は空色。眠り姫は明るい色が好きなのかな
意外なところで咲との共通点を見つけた
淡「あ、それはその、すみませんでした」ペコ
照「そこまで口を辛くして言う事でもないだろう」
菫「ふむ・・まあ照がそう言うのなら構わんが」
照「菫は少し厳しすぎるよ」クス
菫「誰の所為でこうまで厳しくなったと思っているんだ?」ニコニコ
照「~~~♪」ヒューフー
菫「できないならやるなまったく・・」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/04(水) 23:17:06.27
ID:+RQ7RXZ/0 菫も苦労人だよね、誰の所為だかわからないしわかりたくもないけど
そういえば二年の二人が遅いな、このままでは練習が出来ない
照「二年の二人が遅いな」
淡「あ、そういえば」
淡「亦野先輩は旅に出るって言ってました、不人気がどうとか・・なんでしょうか?」
淡「渋谷先輩は茶葉が切れたと言って京都に行くと仰っていました」
照「・・・」フルフル
菫「・・やれやれ、今日は練習が出来そうにないな」ギシ
淡「それと」
照「なんだ?」
淡「お茶ばかりだと飽きるので、家から紅茶を持ってきたんです」スッ
淡「紅茶と言っても簡易なパック物ですけどね」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/04(水) 23:22:53.02
ID:+RQ7RXZ/0 最初の方は彼女の事をなれなれしくて、そして自信過剰なだけの子
そうとだけ思っていたけれど、最近はこうして気の利いた行動も取ってくれる様になった
照「ありがとう、それは素直に礼を言いたいかな」
菫「そうだな。お茶ばかりだと流石に飽きる」
淡「それじゃ、淹れてきますね。少し待っていて下さい」スタスタ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「ふむ・・・」
照「何?」
菫「いや、最近淡も部に馴染んできたと思ってな」
照「私も淡の下着の趣味はわかってきた」
菫「お前という奴は・・・」 11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/04(水) 23:27:35.75
ID:+RQ7RXZ/0 菫と他愛のない話をしているとしばらくして淡が戻ってきた
砂糖と、ミルク、各々がお茶用に愛用している湯のみを持って
淡「お待たせしました、それじゃ、お砂糖とミルクはどうしますか?」
照「私はそのままでいい」
菫「私は・・そうだな、砂糖を一つだけ入れてくれないか」
淡「わかりました」 13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/04(水) 23:31:17.99
ID:+RQ7RXZ/0 私と菫に行き渡った後、淡は自分用の紅茶にミルクと
砂糖を五個入れた。甘すぎじゃないの・・という冷める言葉は控えておこう。
準備を終えて口元に紅茶を運ぶ彼女がとても幸せそうな顔をしているのだから
照「淡は紅茶が好きなの?」
淡「えっと、そうですね。珈琲、お茶よりは好き、という程度ですが」
菫「淡にはお茶も珈琲も似合わなそうだな」
淡「遠まわしに子供っぽいって言ってます?」プクー
菫「さて、どうだろうな」クス
照「菫はおばさんっぽいよ」
菫「ほう、パステルピンク、そしてブルースカイ」
照「菫ってとってもイケイケお姉さんだよね」
菫「・・・」
淡「??」 14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/04(水) 23:37:03.90
ID:+RQ7RXZ/0 危うくばらされる所だった。危ない危ない
しかし紅茶も長い間飲んだ事がなかったな。久しぶりの味だ
あまり飲み慣れない物だけど、後輩が気を利かせて持ってきてくれた物だ
暖かい内に飲んでしまおう
淡「どうですか?・・といってもインスタント物ですから味は普通ですか」テヘヘ
照「そう?可愛い後輩が淹れてくれた物は何にしても先輩は美味しいものだよ」
菫「お前がそんな気の利いた事を言えるとはな、ふふ」
照「菫はどうなの?」
菫「いや、私も同感だよ」
淡「・・・//」
照「淡、ちょっと」チョイチョイ
淡「?なんですか?」トコトコ
ナデナデ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/04(水) 23:42:37.70
ID:+RQ7RXZ/0 誰かを撫でる感じも久しぶりな気がする。今日は久しぶりな事が多い日
撫でられた彼女は頬を染めて恥ずかしそうにしている
けれど嫌がる素振りは見せない
照「美味しかったよ、ありがとう」ニコ
淡「あ、は、はい//」
菫「・・・」クス
菫「さて、今日は練習も出来ないし早めに切り上げるか」スッ
淡「あ、私は片付けてから帰りますので」カチャカチャ
照「そう、それじゃ・・・っ!」グイッ
菫「・・・(待ってやったらどうだ?)」ヒソヒソ
照「・・・(待つ?淡を?)」ヒソヒソ
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/04(水) 23:49:16.14
ID:+RQ7RXZ/0 菫は可笑しなことを言う。私が淡を待つ?どうして?
帰り道は真逆だし、わざわざ待つ必要なんて・・・
菫「・・・(たまにはいいじゃないか、校門まででもいいから)」ヒソヒソ
照「・・・(まあ校門までならいいけど)」ヒソヒソ
菫「・・それじゃ、私は後輩達の練習を見てから帰るよ」
淡「はい、お疲れ様です」ペコ
照「じゃあ、また明日」
菫「ああ」ガチャ
バタン
淡「先輩はどうします?」
照「私は帰るよ。待ってる・・いや、手伝うから一緒に帰ろうか」
照「といっても、校門までだけど」
淡「!!」 21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/04(水) 23:54:30.70
ID:+RQ7RXZ/0 彼女はとても面白い。一緒に帰る意思を告げただけなのに
口をパクパクさせたり、顔を赤くしたり、妙に急ぎ始めたり
照「ゆっくり片付けよう、割っても面倒だしね」カチャカチャ
淡「そ、そうですね」カチャカチャ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
淡「終わりましたね」
照「それじゃ、そろそろ帰ろうか」
淡「はい!」ニコニコ
照「??」ガチャ
バタン
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 00:11:42.54
ID:FLEZmwP50 待ち合わせの時間は既に過ぎている。待つのは苦手だ
何もこんな人の多い場所で待ち合わせをしなくてもいいと思うんだが
やれやれ、備品の買出しというだけなのに・・・
照「・・・」フゥ
淡「す、すみません!遅れてしまって!!」パタパタ
照「・・いいけど、携帯で連絡くらいはしてほしいな」
淡「は、はい・・すみません・・・」ショボン
淡「あの・・」チラ
照「ん?」
淡「いえ、な、なんでもないです、行きましょうか!」
照「??わかった」
照「はい」スッ
淡「えっ?」
照「手、繋ぎたいんでしょう?そんな風に見えた」フリフリ
淡「~~~////」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 00:18:32.06
ID:FLEZmwP50 手を繋ぐというだけでそこまで嬉しいのだろうか?
私としてはそれ以上の事がしたくて堪らないんだけど
照「さて、じゃあまずどこから行こうか」
淡「えっと・・とりあえずはドラッグストア的な場所に行ければ大丈夫です」
照「そう、じゃあ」スタスタ
淡「先輩、お店こっちです・・・」
照「・・・」
淡「あ、何か見たいものでもありましたか?」
照「う、うん、そう。だけど後でいい」
淡「そう・・ですか?」
照「うん」
淡「??」
淡「・・・(先輩の手、暖かい)」
照「・・・(だから都会は嫌なんだ!!)」 42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 00:25:13.12
ID:FLEZmwP50 とりあえずはお店に着いた。彼女はメモ用紙を片手に必要とされる備品をかごに入れていく
なんだろう、この姿。買い物慣れしているというか、なんというか
照「淡は買い物とか結構するの?」
淡「そうですね、といっても大体はお家のおつかいという感じですけど」タハハ
照「そう」
淡「先輩はあまりなさらないんですか?」
照「家で使う物は大体親が揃えてるし、まあ・・さすがに衣類関係は自分で買うけどね」
淡「お一人でですか?」
照「・・・」
照「菫と・・」
淡「なんとなくそんな気がしました」クス
淡「もし時間が出来たら」
淡「今日は私と一緒に行ってみませんか?」
照「」 46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 00:31:06.73
ID:FLEZmwP50 何これ何これ、まさかまさかの淡と内緒のお買い物デートフラグ?
やっぱり神様っているんだな、せっかくの休日を菫に無理矢理買出しに来させられたけど
今日はいい日になりそう、彼女にとっても忘れられない日に・・・
照「ふむ・・構わないが」
淡「?どうしました?」キョト
照「備品はどうする?少し嵩張らないか?」
淡「コインロッカーがありますから、それを利用します」
照「なるほどな、良く機転が利く」スッ
淡「?」
ナデナデ
淡「・・・・・・////」
淡「あ、あの・・・人目に・・つきますから・・・//」
照「ん?」ナデナデ 49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 00:37:48.90
ID:FLEZmwP50 人目につく、ということは恥ずかしいんだろうな
だが嫌がらないし、振り払おうともしない。可愛い
とりあえずは備品をロッカーとやらに預けてみたが、中々便利だな
照「中々便利だな、これで硬貨も返ってくるのならば、だが」
淡「ここはショッピングセンターの中にあるロッカーですから大丈夫ですよ」
淡「駅とかに設置してあるのだと、返って来ない場合が多いですが・・」
照「やはりJ○は嫌いだ」
淡「??」
照「まあ、いい。さて、まずはどこにいこうか」
淡「先輩が行きたい所に、着いていきますから」ニコニコ
照「そうか」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 00:43:57.22
ID:FLEZmwP50 服、いや衣類関係の店というのはどうにも苦手なんだがな
店員は何故か積極的に話しかけてくるし、勝手にお勧めと称して買わせようとしてくる
いつもは菫がカバーしてくれていたんだが・・
淡「先輩、先輩、ど、どうですかこれ」ヒラヒラ
照「そうだな、淡が着たら似合うんじゃないか?」
淡「どうしよ・・試着してみようかな・・」チラッ
照「待っているから行ってこい、ちゃんといるから」クス
淡「は、はい!」パタパタ
照「・・・(あぁ・・私服スカートの淡も可愛いな・・)」
照「・・(さて・・奇しくもぼっちになってしまったわけだが・・)」
照「・・(一人というのはつまらないな・・大人しく淡を待つか)」スタスタ 55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 00:50:12.14
ID:FLEZmwP50 遠目からだが、試着室に入る前も彼女は笑顔だったな
そんなに嬉しいのだろうか?表向き無愛想に接してる私といて楽しいのだろうか?
だからといって本心で接するのも・・・
照「・・・」
照「・・・」
シャー
淡「あ、あれ、先輩?」
照「ん、どう・・・・」
照「うん、似合ってるよ」ニコ
淡「!!」パァ
淡「か、買っちゃおう・・かな・・・//」
照「いいんじゃないかな、今の淡、とても可愛いと思うよ」ナデナデ
淡「あ・・ぅぅ・・・・///」
淡「か、買います・・・//」
照「店員さん、呼んでくるよ」クスクス 57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 00:58:09.99
ID:FLEZmwP50 最近知ったんだが、試着した状態でもタグだけ取ればそのまま着て帰れるらしい
菫はそう言っていたがまさか実践するとは、しかも彼女を相手に
照「淡?準備できた?」
淡「え?先輩?」
シャー
照「・・・」
淡「・・・・・・・・・////」
照「・・・」ジー
淡「・・・・あの・・閉めて・・下さい・・」
照「・・・あ、ああ、ごめん」
シャー
淡「・・・・あわわわわわ/////」
照(・・・今日は黄色、と) 62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 01:05:06.47
ID:FLEZmwP50 店を出てからというもの、彼女は手こそ握ってくるもののずっと俯いている
やはり先ほどのことが原因だろうか?いや、疑問ではなくそうなのだろう
ここは正直に謝っておこう
照「淡」
淡「は・・はい//」
照「下着も可愛いの着けてるんだね」
淡「~~~~////」
照(・・・あれ?)
照「黄色と青と桃色と、どれも可愛いよ、似合ってる」ニコ
淡「な、なななんで知って・・・!」
照(・・・あれれ?)
照「ん、学校で寝てる時に見せてもらった」
淡「え、ええ・・・」
照「匂いも良かったよ」ニコニコ
淡「・・・・・・・・・・」
照(・・・あれ、私謝った?) 65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 01:10:37.59
ID:FLEZmwP50 あれ?私謝るつもりだったんだけど・・・これは一体・・・
まあいいよね、女の子同士だもんね、うん安牌安牌
淡「む・・むー!!むー!!」プクー
照「え、あれ、怒ってる?」
淡「お、怒ります・・よそりゃ・・・」
照「でも可愛かったよ?」
淡「そうじゃなくて!!」
照「うー・・・んー?」キョトン
淡「ね、寝てる間に勝手に見るなんて・・・!!」
淡「(み、見たいなら・・言ってくれれば・・・//)」ボソボソ
照「ん、何?」ナデナデ
淡「な、なんでもないです!もう!!」スタスタ
照「え、ま、待って淡」パタパタ
淡「まーちーまーせーん!!」パタパタ
おわり 68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 01:18:31.72 ID:+GDOSoyPO
乙でした
淡ちゃんも仕返しにてるてるの下着をチェックすればいいんや 69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 01:19:36.44 ID:aKODS56p0
おつおつ 70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 01:19:36.34
ID:FLEZmwP50 >>68
それはいい、明日はそれでいこう 73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/05(木) 01:34:40.96 ID:Iv9BOJ6K0
期待して待ってる
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