1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/09(木) 23:54:53.41
ID:RzAMOWuG0 菫「おきて、お姉ちゃん」
菫「おきてってば!!」
紬「ふにゅ」
菫「もう…お昼になっちゃうよ、お姉ちゃん!」
紬「……あと10分だけお願い」
菫「本当に後10分だからね!」
紬「菫、大好き愛してるわ……ぐーーぐーー」
菫「もう……」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/09(木) 23:58:55.18
ID:RzAMOWuG0 △じゅっぷんご
菫「お姉ちゃん、10分経ったよー」
紬「もう?」
菫「うん」
紬「あと20分だけ。お願いっ」
菫「だーめっ! 起きて朝ごはん食べよ」
紬「菫、愛してるわ」
菫「うん。私も」
紬「だからあと5分だけ」
菫「そんなこと言っても駄目なんだから!」
紬「いけず~」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:02:26.76
ID:/6SuqSHb0
菫「ほら、はやくご飯食べにいこうよ」
紬「部屋に持ってきて欲しいの!」
菫「最近お姉ちゃん引きこもり気味だよ。ほら、行こうよ」
紬「持ってきてくれないなら三度寝しちゃいます!」
菫「……」
紬「……」
菫「もう……わかったよ。朝ごはん持ってきてあげるから起きてね」
紬「やったっ!」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:09:52.66
ID:/6SuqSHb0
紬「うんうん。朝ごはんといえば焼き鮭ね」
菫「屋敷で和食にしてるのお姉ちゃんだけだよ」
紬「いけない?」
菫「いけなくはないけど…」
紬「菫も和食にすればいいのに」
菫「……それは置いといて、そろそろ食べないと冷めちゃうよ」
紬「じゃあ食べさせてくれる?」
菫「えっ」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:16:53.98
ID:/6SuqSHb0 紬「あ~ん」
菫「口をあけても駄目だよ」
紬「あ~ん」
菫「もっと口を大きく空けても駄目なものは駄目」
紬「あ~ん」
菫「駄目だったら駄目!」
菫「最近お姉ちゃんおかしいよ」
菫「昔はもっとしっかりしてたのに……」
紬「……」
菫「もう……知らない!」
紬「……行っちゃった」 11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:28:04.22
ID:/6SuqSHb0
紬(私に弟ができて半年が経った)
紬(そのこと自体はとても嬉しい)
紬(おかげで私が家を継ぐ必要はなくなってしまった)
紬(だけど、そのせいで今の私は宙ぶらりん)
紬(まさにニート状態)
紬(こんなことなら就職活動しておけばよかったかな…)
紬(はぁ…)
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:36:57.44
ID:/6SuqSHb0
紬(最近は毎日ぐーたら状態)
紬(夏季休暇中の菫に甘えすぎて、呆れられるなんて……)
紬(はぁ……)
紬(……)
紬(……)
紬(泣いちゃいそう……)
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:46:09.71
ID:/6SuqSHb0 菫「……お姉ちゃん」
紬「戻ってきてくれたの?」
菫「うん」
紬「ごめんね、菫。甘えすぎて」
菫「ううん。私も言い過ぎたよ。お姉ちゃん色々あったもんね……」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:59:11.72
ID:/6SuqSHb0
紬「私…どうしたらいいのかしら」
菫「そんなの私にはわからないよ」
紬「……そうね」
菫「……」
紬「……」
菫「……」
紬「朝ごはん食べちゃいましょうか」
菫「…うん」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:09:22.32
ID:/6SuqSHb0 紬「……」ムシャムシャ
菫「……」ムシャムシャ
紬「……」ムシャムシャ
菫「……」ムシャムシャ
紬「……」
紬「菫のスクランブルエッグちょっと分けてくれる?」
菫「はい」
紬「……」ムシャムシャ
菫「じゃあお姉ちゃんの焼き鮭ちょっと貰うね」サッ
紬「あっ」
紬(一番脂ののった部分をとられちゃった)
菫「どうかした…?」
紬「なんでもないわ」シュン
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:21:25.67
ID:/6SuqSHb0 菫(……むぅ。お姉ちゃん落ち込んでるようです)
菫(鮭を勝手にとったのが悪かったかな)
菫「……」シュ
紬「あっ、私の鮭」
菫「あ~ん」
紬「食べさせてくれるの?」
菫「うん」
紬「あ~ん」パクッ 17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:32:26.66
ID:/6SuqSHb0
紬「うん。美味しい」
菫「自分で食べても一緒でしょ」
紬「そんなことないわ!」
菫「……もうこまった二十三歳なんだから」
紬「……」シュン
菫(あっ、地雷ふんじゃった?) 18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:37:39.10
ID:/6SuqSHb0 菫「あの…お姉ちゃん?」
紬「菫、食べ終わったら膝枕」
菫「えっ」
紬「膝枕」
菫「……うん」
紬「……」ムシャムシャ
菫「……」ムシャムシャ
紬「……」ムシャムシャ
菫「……」ムシャムシャ
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:47:30.81
ID:/6SuqSHb0 △食後
菫「……これでいいかな」
紬「うん」
菫「……」
紬「……」
菫「……」
紬「……」
菫「……」
紬「……」
菫「……」
紬「……ちょっとお茶いれてくるね」
菫「それなら私が」
紬「ううん。私がやるから」 21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:57:47.16
ID:/6SuqSHb0 △数分後
菫「……」ゴクッ
紬「…どうかな」
菫「正直に言っていい?」
紬「うん」
菫「腕落ちたね」
紬「……」シュン
菫「でも美味しいよ」
紬「ほんと?」
菫「うん。本当」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:13:17.61
ID:/6SuqSHb0 紬「膝、いいかな」
菫「うん」
紬「ねぇ、菫」
菫「…なに? お姉ちゃん」
紬「私、お店を始めようかなって思うの」
菫「なんのお店?」
紬「紅茶を出すお店」
菫「紅茶!? うん。とってもいいと思うよー」
紬「そう?」
菫「うん。とっても素敵だよ」 23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:28:40.94
ID:/6SuqSHb0 菫「いつからお店開くの?」
紬「そんなにすぐには無理よ」
菫「なんで?」
紬「色々準備が必要でしょ」
菫「でもお姉ちゃん蓄えは十分あるんでしょ?」
紬「……オープンできても赤字垂れ流しじゃ意味無いでしょ」
菫「そっか」 24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:41:22.23
ID:/6SuqSHb0
紬「だからね、あの店でバイトさせてもらおうと思うの」
菫「あの店って……お姉ちゃんがいつも紅茶を仕入れてた店?」
紬「うん。そしてお店をやるためのノウハウを掴もうと思うの」
紬「お客さんがどういうところに惹かれてお店にくるのか」
紬「バイトの子をどうやって管理しているのか」
紬「どこから仕入れているのか。どういう茶葉を扱っているのか」
紬「接客に必要なノウハウは何なのか」
紬「その他にも色々!」
菫「……お姉ちゃん」
紬「何?」
菫「お姉ちゃん!」ガバッ 25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:03:05.56
ID:/6SuqSHb0 紬「ぐへっ」
菫「…お姉ちゃん?」
紬「……」
菫「……死んでる」
紬「……勝手に殺さないで」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:20:49.17
ID:/6SuqSHb0
菫「……あれ、何言おうと思ってたんだっけ」
紬「忘れたなら大したことじゃないと思うわ」
菫「そう……んなわけないじゃん!!!」
紬「わっわっ、そんなに激しく動かないで///」
菫「お姉ちゃん! 私感動しちゃった!!」
紬「えっ」
菫「お姉ちゃんがそんなにまじめに将来のこと考えてただなんて」
紬「これくらい当然よ」
菫「ふふ。いつから働くの?」
紬「実はもう話は通してあるの。明日からバイトをはじめるわ」
菫「すぐなんだ」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:23:12.14
ID:/6SuqSHb0 菫「……」
紬「菫?」
菫「……」
紬「…菫?」
菫「あっ、何?」
紬「どうしたのぼーっとしちゃって」
菫「ねぇ、お姉ちゃん」
紬「なぁに?」
菫「……やっぱりなんでもない」
紬「…変な菫」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:26:22.73
ID:/6SuqSHb0
菫(お姉ちゃんがもし無事にお店をオープンさせられたら)
菫(私も雇って欲しいって)
菫(言おうかなーって思ったけどやめとこう)
菫(その時になったら言えばいいよね)
紬「菫?」
菫「ねぇ、お姉ちゃん。今日は一緒にお菓子でも作らない?」
紬「一緒にお菓子づくり? やるやる」
菫「じゃあさっそく何を作るか決めよ」
紬「うん!」
菫「ねぇ、お姉ちゃん」
紬「どうかした?」
菫「ううん。なんでもない」
おしまいっ!
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