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あかり「薄紅色の」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 16:35:42.36 ID:LtvqgH1h0


5月のよく晴れた日のこと。


あかり「ちなつちゃん」

ちなつ「うぅ~ん…」


近所にある川の土手に、
ちなつちゃんと一緒にやってきた。





5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 16:38:54.67 ID:LtvqgH1h0


ちなつ「なに?あかりちゃん」

草原に横たわり、澄み渡る青空に思いっきり手を伸ばして
欠伸をしながらあかりに呼びかける。


あかり「こっちにきて」

水際で見つけた、一本の木。
たくさんの花をつけている、一本の木。



8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 16:42:09.44 ID:LtvqgH1h0


ちなつ「ん?…わぁ、綺麗な花だね」

そのうちの、まだ花を咲かせていない
小さなつぼみを手に取る。


あかり「これあげる」

ちなつちゃんは、あかりと京子ちゃんの幼馴染である
結衣ちゃんに恋をしている。

これまで、結衣ちゃんに関する相談や
告白の練習にも誘われ、あかりは付き合った。



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 16:44:52.05 ID:LtvqgH1h0


ちなつ「あかりちゃん?」

あかり「ちなつちゃんに、似合うと思って」

その小さなつぼみは、
あかりの中のちなつちゃんのイメージにピッタリだったから。

あかり「大切に育ててあげてね」

ちなつ「…ありがとう」



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 16:47:50.12 ID:LtvqgH1h0


あかりから見ても、ちなつちゃんは可愛いと思う。
これまで一緒に過ごしてきて、そう感じた。

ちなつちゃんは、恋する乙女という言葉どおりの女の子。
あかりはまだ恋とか、よくわからないけど…。

もし恋が『ずっと一緒に居たい』気持ちのことを言うなら、
きっとあかりも恋してるんだ。



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 16:53:18.32 ID:LtvqgH1h0


それから数ヶ月経ち、夏のある日。


ちなつ「結衣先輩に、告白しようと思うの」

ちなつちゃんが、そう切り出した。
その言葉を聞いた途端、あかりの胸が痛むのを感じた。


ちなつ「あかりちゃん?」

あかり「あ、なんでもないよぉ…。それより、ついに告白するんだね」

ちなつ「やっぱり、想ってるだけじゃ駄目。気持ちは言葉で伝えなきゃ」


胸の中で叫んだって、相手には伝わらないもんね。
そう、ちなつちゃんは続ける。



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 16:59:10.17 ID:LtvqgH1h0


あかり「そっか…」

ちなつ「だからこの後、結衣先輩に気持ちを伝えようと思って」

あかり「きっと結衣ちゃんなら、オーケーしてくれるよ」

ちなつ「そうかな? …ありがとうね。あかりちゃん」

あかり「なにが?」

ちなつ「だって、これまでたくさん相談にも乗ってもらったし。それに練習だって付き合ってくれて」

あかり「あぁ、うん…」



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 17:05:12.87 ID:LtvqgH1h0


ちなつ「あかりちゃんには凄く助けてもらったの。私からはなにも出来なかったけど…」

あかり「そんなことないよ!あかりもちなつちゃんとお話する時間が楽しかったもん!」

ちなつ「ありがとう。やっぱあかりちゃんは優しいよね。…これは、わがままかも知れないけど」

あかり「……」


ちなつ「あかりちゃんにはこれからも、ずっと、私にとって、大切な友達でいて欲しいな」


何故だろう…、目頭が、身体が、あつくなってきた。
夏だからだろうか。

だとしたら、きっと今年はこれまでで一番あつい、あつすぎる夏だと思う。



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 17:10:42.81 ID:LtvqgH1h0


ちなつ「あかりちゃん、大丈夫…?」

あかり「あかりは、大丈夫だから!」

ちなつ「あ、そろそろ約束の時間だから。家を出なきゃ…」


気持ちは言葉にしなければ伝わらない、とちなつちゃんは言った。
もし、今、あかりの気持ちを伝えたらどうなるんだろう。

引き止めることが出来るのだろうか。
あかり気持ちを、受け取ってもらえるのだろうか。

でもきっと、凄く困らせちゃう。
泣かせてしまうかもしれない。

どうしてって、聞かれるかもしれない。
だから…



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 17:16:29.74 ID:LtvqgH1h0


あかり「いっておいで。頑張ってね」


ちなつちゃん、お先にどうぞ。

あかりは、ちなつちゃんの恋を応援することにしたんだから。
我慢をしなきゃいけないの。

これは、あかりのわがままなんだから。

いつか、あかりの我慢が実を結んで
この気持ちが、この激しい心の波が落ち着きますように…


ちなつ「じゃあ… いってきます」

しあわせの蝶々を追いかけるように、
白いワンピースをひるがえしながら部屋を出て行ったちなつちゃん。

あかりの気持ちは、あかりだけのものにする。
だから、ちなつちゃんは知らなくていいよ。



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 17:24:04.81 ID:LtvqgH1h0


しばらくしてから、ふと、部屋のすみに目をやると
一輪の小さな花が活けられているのを見つけた。

あかり「これは…」

5月のあの日、ちなつちゃんにあげた
あのつぼみだった。

遅咲きどころじゃ無いほどの遅咲きだけど。

でもそのつぼみは元気に、そして立派に、
薄紅色をした可愛い花を咲かせていた。



- 完 -



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 17:25:27.24 ID:VtWMA/eo0





27 : 忍法帖【Lv=9,xxxP】(1+0:15) 2012/12/12(水) 17:26:50.48 ID:y7HZrh2m0


乙です


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 17:31:26.34 ID:b3gc8Xu30


乙!(`・ω・´)b


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 17:47:46.14 ID:GEtaMppI0


おつ


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