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淡「ハッピーバレンタイン」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:28:29.93 ID:vNwZTOZx0


淡(今日は街中が騒がしい)

淡(いや、街中だけじゃなくて学校もかな)

モブA「おっはよー、皆チョコ持ってきたよー!」

モブB「あ、じゃあ私からもあげるよー」

淡(何故なら今日はバレンタイン、女子高生が一番忙しくなるであろう日)

淡(ん?そんな日に私が何をやってるかって?)

淡(あー、それは昨日までさかのぼらないと分からないかも)

淡(丁度チョコを作ろうとしていた頃までね)





7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:29:39.94 ID:vNwZTOZx0


―――バレンタイン前日・淡の家

淡「チョコレート、良し!牛乳、良し!あとは適当に、良し!」

淡「いやー、今までチョコなんて作ったこと無かったからねー」

淡「ちゃんとできればいいんだけどなぁ……」

淡「……っと、こんな弱気じゃダメダメ!テルーのために作るんだもの」

淡「ちゃんと美味しいチョコを作ってやるんだからね!」

ピンポーン ピンポーン

淡「っと、せっかく張り切ってたのに気が抜けるなあ」

淡「それにしても、こんな時にお客さん?」パタパタ



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:30:39.61 ID:vNwZTOZx0


淡「はーい」ガチャ

淡「……ってあれ?菫先輩に尭深先輩、亦野先輩も」

淡「どうしました?先輩方が揃って私の家に来るなんて」

菫「……いや、お前のことが心配で来てみたんだが」

淡「心配?」

菫「お前ならチョコ作りと称してとんでもないものを作りかねない」

淡「ひっどーい!菫先輩、私が料理出来ないって思ってたの?」

菫「いや、普段の生活から考えると当然だろう」

菫「むしろ料理が出来るというのが本当だったら逆に驚くぞ」

淡「高校100年生に出来ないことなんて無いんだよ!」ババーン

淡「チョコ作りだって心配ご無用!」

菫(不安しか感じないのは何故だろうな)



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:33:00.76 ID:vNwZTOZx0


尭深「……ねえ、淡ちゃん」

淡「?」

尭深「自作のチョコの作り方って説明できる?」

淡「えー、ひょっとして尭深先輩も私のこと疑ってる?」ジト-

尭深「ち、違うよ」アセアセ

尭深「ただどんな感じで作るのか気になって、ね?」

淡「それだったらいいけど……で、チョコの作り方だっけ」

淡「えっと、確かまずは市販のチョコを買ってきて、そのチョコを砕いて……」

菫(おや、淡にしてはまともな答えが……)

淡「その後洗牌?して聴牌すれば良いんだよね?」

菫「」

尭深「」



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:36:08.63 ID:vNwZTOZx0


誠子「あー……それは『湯煎してテンパリング』するって事?」

淡「あ、それそれ!そんな感じのことをするって聞いた!」

菫「よし尭深、とりあえずチョコ作りの準備を始めるとしよう」

尭深「分かりました」イソイソ

淡「ええっ!?菫先輩、何で!?」

菫「はぁ……一瞬でもこいつに麻雀以外のことを期待した私が馬鹿だった」

誠子「ま、まあ今回は未遂で終わりましたからいいじゃないですか」

尭深「淡ちゃん、先にキッチン借りるね?」

淡「あ、うん……って違ーう!そうじゃなーい!」

淡「チョコ作りは私一人で出来るから大丈夫だって!」

菫「いや、チョコ作りと麻雀が混ざってる時点で大丈夫じゃないだろう……」



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:39:16.82 ID:vNwZTOZx0


菫「でもな、淡」

淡「?」

菫「もし照にあげるんだったら美味しいほうが喜ぶぞ?たぶん」

淡「!?な、ななな……」アワアワ

淡「何で私がテルーにあげるってバレてるのっ!?」

菫「普段からあんなに懐いてるのを見れば大体分かるだろ……」

菫「それに照にあげるんだったらせめて『お菓子』と分かる物をあげないと」

菫「あいつに食べられないものを渡されると後々面倒なことになるし」

淡「うぐぐ……」

菫「互いに協力関係にあるんだから、ここは素直に従ったほうが良いと思うけどな?」

淡「……分かった、じゃあしっかりレクチャーしてくれるんなら」

菫「交渉成立、だな」

……



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:42:26.68 ID:vNwZTOZx0


 
 
淡「わわわっ!生クリームが焦げそう!?」

菫「馬鹿、火を強くしすぎだ。もう少し弱めろ」


……


尭深「抹茶パウダーあるけど……使う?」

淡「うーん、どうしようかな……」


……


誠子「チョコの扱いはスピードが大事だからな」

淡「あれ?亦野先輩って料理できたの?」

誠子「ごめん、その発言はちょっと傷つく」


……



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:45:07.86 ID:vNwZTOZx0


―――翌日・白糸台麻雀部部室

淡(そしてあの後、先輩たちのおかげで何とかチョコはできた)

尭深「菫先輩、今年も凄いですね……」

誠子「チョコの受け渡しに列が出来るのは圧巻ですね」

菫「……どうすればいいんだ、このチョコの山」

誠子「宮永先輩にあげるのはどうですか?全部食べてくれると思いますけど」

菫「いや、でも私が貰ったチョコを他人にあげるのは失礼だろう」

菫「だが一人でこの量を全部食べるのは流石に……はぁ」

淡(菫先輩は一人でチョコの山を前に自問自答してる)

淡(尭深先輩も亦野先輩も、そして私もチョコを貰ったり貰われたり)

淡(ただ……肝心のテルーにはまだ渡せずじまいで今に至る)



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:48:23.12 ID:vNwZTOZx0


菫「どうした、淡?緊張してるみたいに見えるぞ」

淡「菫先輩、何か私が緊張しないみたいに聞こえるんだけど」

菫「インターハイの大舞台ですら緊張してるようには見えなかったからな」

菫「お前はてっきり緊張しない性質だと思ってたんだが」

淡「だってテルーに渡すとなると心の準備がどうも……」

菫「お前にとってはインターハイよりもあいつの方が強敵なのか」

淡「それに菫先輩がそれだけ貰ってるってことは、テルーはもっと貰ってるんでしょ?」

菫「いや、私を比較対象にされても……まあ間違ってはいないな」

誠子(去年はどれくらいだったっけ?)ヒソヒソ

尭深(確か教室の後ろ側がチョコで埋め尽くされてたとか……)ヒソヒソ

誠子(じゃあ今年はどれだけ貰ったんだろ)ヒソヒソ

淡「だから私のチョコで喜んでくれるのかな、って……」

菫「はぁ……全くそんなことで心配してるのか」ハァ

淡「そんなことって何さ!私にとっては大事なの!」



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:50:22.87 ID:vNwZTOZx0


菫「お前は普段通りでいいんだよ、普段通りで」

菫「あいつは別に誰からチョコを貰おうと拒まないさ」

菫「淡からのだったら尚更断らないだろ、大事な後輩だし」

淡「菫先輩……」

尭深「いつもみたいに、笑顔で渡せばいいんじゃないかな」

尭深「そっちの方が、淡ちゃんらしい」

淡「尭深先輩も……」

誠子「全くそれくらいのことで緊張してるなって」

誠子「ほれほれ、肩の力抜いて、リラックスリラックス」ホッペモニモニ

淡「ふぁふぁふぉふぇんふぁい……」ムニュー

誠子「緊張はほぐれた?淡」モニモニ

淡「ふぁい……ふぉ、ふぉろふぉろふぁめふぇ!」



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:53:50.17 ID:vNwZTOZx0


ガチャ

照「ふぅ……やっと着いた」ドシャ

誠子「あ、宮永先輩お疲れ様サマです!」

尭深「今年もたくさん貰いましたね……」

照「お菓子を貰えるのはありがたいけど色々と重い」

照「少しずつ食べながら来たけど、まだこんなに余ってる」

菫「どれだけの量を食べてきたんだお前は……」

照「甘いものは別腹だから大丈夫」フンス

菫「いや、そういう問題じゃなくてな」



29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:56:22.70 ID:vNwZTOZx0


淡「テルー!」

照「ん、どうしたの淡?」

淡「えっとねー……はい、コレ!」ニコッ

照「……チョコレート?」

淡「うん!でも、ちょっと見た目は悪いかもしれないけど……」

照「ううん、別に大丈夫。貰えただけでも十分嬉しい」

照「それに淡、一生懸命作ったんでしょ?だったら美味しくないはずがない」パカッ

淡「テルー……」



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:57:58.77 ID:vNwZTOZx0


照「へえ、トリュフチョコか……ん」ヒョイパク

淡「……」ドキドキ

照「……うん、凄く甘くて美味しい」

淡「本当!?」

照「少なくともこれまで貰った中では一番美味しかった」

照「ありがとうね、淡」ニコッ

淡「……えへへ、何だか喜ばれるとこっちまで照れてきちゃうね///」

淡「あーもー嬉しくて今だったらなんだってできちゃいそう!」





菫「じゃあしてくれないか、勉強を」

淡「」

照「菫、流石にこのタイミングで言うのはやめてあげて」



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:00:28.64 ID:vNwZTOZx0


淡「」

照「淡、大丈夫?」ノゾキコミ

淡「……はっ、今何か夢を見てたような」

照「良かった、何とか大丈夫みたい」ホッ

照「それじゃ頑張った淡にちょっとご褒美」

淡「ご褒美?」

照「はい淡、あーん」ヒョイッ

淡「!?ちょ、ちょっと待ってテルー、心の準備が」アワアワ

照「ほら、あーん」

淡「……あ、あーん」パクッ



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:02:18.66 ID:vNwZTOZx0


照「……どう?美味しい?」

淡「……うん、美味しい。自分で作った奴にしては」

淡「でも、それ以上にテルーにあーんして貰ったおかげで、もっと美味しい!」

照「ふふ、それは良かった」

淡「……!」ピコーン

淡「じゃあテルーにも私が食べさせてあげるね!」

淡「はい、あーん」

照「ん」パクッ モニュモニュ

照「やっぱり淡のチョコは美味しい」

淡「でしょー?だって私、高校100年生だもんね!」


ワイワイ キャッキャッ


尭深「二人とも、良い雰囲気ですね……」

誠子「青春してますねぇー」



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:06:05.05 ID:vNwZTOZx0


菫「全く最後まで苦労させてくれるな」

尭深「でも淡ちゃんの所に行こうって言い出したのは菫先輩でしたよね」

誠子「あはは、先輩はこういう時は淡に甘いですもんね」

菫「亦野、お前にチョコは無いと思え」

誠子「ひどいっ!?先輩のチョコ楽しみにしてたのに理不尽ですよ!」

菫「自業自得だ」

尭深(でも何だかんだ言っても後であげるんですよね……菫先輩)クスッ

菫「……まぁ、だが」



照「ほら、あーん」ヒョイ

淡「あーん」パクッ モグモグ



菫「たまにはこんな日があっても、良いかもな」

カン!



39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:07:42.37 ID:QPeGfExJ0


すばらでしたよ
乙乙



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:07:43.07 ID:5AjMZsWq0



白糸台可愛すぎんよ~



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:08:17.47 ID:vNwZTOZx0


おまけ 東東京編

ダヴァン「ヘーイ、ハッピーバレンタイン!」

ダヴァン「皆もチョコを作ってきましタカ?」

ネリー「?」

明華「あ……」

ハオ「……あの、失礼ですが先輩」

ダヴァン「どうしましたハオ?勿論お返しは三倍返しでスヨ?」

ハオ「いえ、そうではなくて」

ハオ「バレンタインってチョコを交換したりする日なんですか?」

ダヴァン「」



43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:10:10.91 ID:vNwZTOZx0


ハオ「バレンタインなんて言うものは、恋人だけがやるものかと」

明華「フランスでは親しい人に贈り物をしますけど……チョコはあまり」

ネリー「バレンタインなんて初めて聞いたよ?」

ダヴァン「オゥ……私はあまりにも日本に馴染みすぎてしまったようデス」

ダヴァン「チョコを楽しみにこの一週間、心待ちにしてきたノニ……」ガクリ

ハオ「どれだけ待ってたんですか先輩」

ネリー「期待すぎるのも困りものだよ?」

明華「すいません、もっと日本のバレンタインについて知っていれば」

ダヴァン「いエ、今回は私の教育不足デス」

ハオ(教育する必要はないと思うんですけど)

ダヴァン「しょうがないでスネ、本当はお返し用だったんでスガ……」

ダヴァン「このチョコを皆さんにあげまショウ」バッ



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:13:00.17 ID:vNwZTOZx0


ハオ「え、貰って良いんですか先輩?」

ダヴァン「えエ。どうせ私は今年で卒業でスシ、こういうのも思い出になりマス」

ネリー「ダヴァン、ありがとー!」

ダヴァン「この先、私が卒業してから臨海に来る留学生もいるでショウ」

ダヴァン「その時にはしっかりジャパニーズの流儀を叩き込んでおくんでスヨ?」

ハオ「先輩……」

ネリー(これは突っ込み所なのかな?)ヒソヒソ

明華(いえ、素直に受け入れましょう)ヒソヒソ



45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:16:45.37 ID:vNwZTOZx0


ハオ「というか先輩ってスイーツ作れたんですね」モグモグ

ダヴァン「私だって毎日ラーメン作ってる訳ではありませんかラネ?」

ネリー「ダヴァンが作ったのにおいしいよ?」ハグハグ

明華「……」ハッ

ダヴァン「手厳しいでスヨ、皆サン」

ハオ「まあまあ、意外な一面が見れたと言うことで」

ダヴァン「それは私のサイドから言う台詞ですヨ!?」



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:19:39.20 ID:vNwZTOZx0


ダヴァン「……そういえば、今日は智葉が遅いでスネ」

ガチャ

智葉「今日も相変わらず部室に揃ってるのか、お前達」

ダヴァン「オオ、噂をすれb」

ハオ「智葉先輩、このチョコ受け取って下さい」ダッ

ネリー「サトハ!これ、一生懸命作った!」ダダッ

明華「親愛を込めて、サトハに贈ります」ダダッ

智葉「はぁ……お前らもチョコを用意してたのか」

ダヴァン「」




ダヴァン「Fuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu○k!」

もいっこカン!



49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:21:43.72 ID:xqb2uLM/0



ガイトさんモテモテ



50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:22:19.11 ID:vNwZTOZx0


お粗末様で御座いました
短かったですが保守・支援ありがとうございました

速報が落ちてたからついカッとなって東京組を書いた、反省はしていない



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:22:30.41 ID:5AjMZsWq0


ガイトさんカッコいいからね、しょうがないね


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:23:19.60 ID:+5f7FOn50


乙乙
白糸台も臨海も和気藹々としててよかった



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[ 2013/02/15 12:00 ] 咲-saki-SS | コメント(3)
タグ : 照×淡

あわあわかわいい
菫さん優しいね
[ 2013/02/15 14:59 ] [ 編集 ]

バレンタインに女が男にチョコを贈るなんていう風習があるのは日本だけだしな
[ 2013/02/15 20:12 ] [ 編集 ]

哀れダヴァンw
[ 2013/02/16 04:55 ] [ 編集 ]

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