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はやり・健夜「「お誕生日おめでとー!」」 良子(帰りたい……)

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:52:22.48 ID:EETXfXiR0



■都内某所

はやり・健夜「「お誕生日おめでとー!」」

良子(帰りたい……何だこのテンション)


咏「お、おめでとー……」パチパチ

理沙「めでたい!」

えり・みさき「おめでとうございます」

良子「ありがとうございます……」


はやり「良子ちゃんもハタチ! ついに成人だねっ」

健夜「お酒も飲めるよ。さあ、飲んで飲んで」

良子「ありがとうございます……」




2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:52:55.31 ID:EETXfXiR0



良子(なんで瑞原プロと小鍛治プロは先に店に来て飲んでたんですか?)チラッ

咏(いや、こっち見られても知らんし)

みさき(ヒマだったんでしょうね)

えり(二人で酒盛りでもしてたのかな……もうデキあがってる)

理沙(こわい!)



3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:53:20.69 ID:EETXfXiR0



はやり「はれっ……? 良子ちゃんの誕生日って今日だっけぇ?」

良子「いえ、一昨日です」

良子「前々日に友人に祝ってもらって、前日に長野のチームメイトに祝ってもらいました」

良子「当日は家族四人で祝ってもらって……今日で四回目の二十歳誕生祝いですね」

はやり「あはっ☆ そんな祝ってもらってたら歳ばっかりとっちゃうよぉ」

健夜「そうだよ」

良子「すみません……」



咏「……あれ? 良子って長野のチームだっけ?」

良子「? そうですよ?」

咏「あっれー……松山のチームじゃなかったっけ?」

はやり「長野だぞ☆ 咏ちゃんはもうオトボケかな~?」

健夜「ダメだよ、若いうちからボケてちゃ」

咏「はあ、すみません」



4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:53:49.11 ID:EETXfXiR0



はやり「あ、良子ちゃんのグラス空いてる~」

はやり「はやりがお酌してあげるね☆」ドバドバ

健夜「私も注いであげる」ドバドバ

良子(混ぜてる……結構高いお酒なのに、勿体ないなぁ)



はやり「さぁ、良子ちゃんがイッキしてくれるよー」

良子「え」

健夜「……私達の注いだお酒が飲めないの?」

はやり「えー、はやり悲しいゾ☆」

良子(帰りたい……)

良子(まあ今日は従っておこう……後日、二人が素面の時にねちねち嫌味を言えばいっか)

良子(とはいえ、これ何杯もはキツイなぁ)

はやり「わぁ! さすが良子ちゃん! もう空になったね☆」

健夜「これはまた注がないとね」



5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:54:23.71 ID:EETXfXiR0



はやり「よぉし! はやり、陽気になってきちゃったゾ☆」

健夜「これは頼むしかないね」

はやり・健夜「「ヘイ! テキーラ!」」

咏・えり((この店、テキーラあるんだ……))

理沙「…………」

みさき(……怒ってる)



6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:54:51.00 ID:EETXfXiR0



店員「テキーラ、お持ちしましたが……大丈夫ですか?」

健夜「大丈夫大丈夫」

はやり「ささ、良子ちゃん。グーッ! といっちゃって!」



良子(……明日の朝刊は『戒能良子、急性アルコール中毒で死亡か)

良子「では、せっかくなので飲ませていただき……野依さん?」

理沙「飲んじゃダメ!」

はやり「んっ? んっ? 理沙ちゃんが飲みたいのかな~?」

健夜「いやしんぼさんだね」

理沙「ふたりとも、最低!」



8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:55:26.45 ID:EETXfXiR0



はやり「え……さ、最低?」

理沙「ばか! あほ! アラフォー!」

健夜「そ、そんな汚い言葉使っちゃダメだよ……」


理沙「今日は、良子の誕生日!」

良子(一昨日です)

理沙「良子、楽しくなさそう! 二人の所為!」

みさき「見苦しいうえに質が悪いですね」

えり「……どう見ても、お二人のテンションとお酒に引いてましたよね」

咏「だねぃ」

はやり・健夜「「う……」」



理沙「水飲んで! 顔洗って! 外で頭冷やしてきて!」プンスカ

はやり・健夜「「は、はい……」



9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:55:58.64 ID:EETXfXiR0













健夜「……先程は大変見苦しいところを」

はやり「良子博士……お許しくださ、いだぁっ!?」

理沙「ちゃんと謝る!」プンスカ

健夜・はやり「「申し訳ございませんでした……」」ペッコリン

良子「いえ、お気になさらず」


良子「後日、素面の二人に会ったら覚悟しとけよ……! と思っていたぐらいですから」

はやり「ひぇぇぇ……」

健夜「目が怖いよ良子ちゃん……」

咏「まあ食べよ食べよ」



10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:56:34.47 ID:EETXfXiR0






良子「あ、これ美味しいですね」

咏「身がコリコリしとるね」

みさき「皆さん、よくこちらに来られるんですか?」

健夜「結構来る方かな?」

はやり「元々、私と健夜ちゃんだけで来てたけどね」

はやり「咏ちゃんがプロ成り立ての頃、『小鍛治プロ打とうぜー』ってよく健夜ちゃんに突っかかってきてたから」

咏「そーそー」

咏「んで、瑞原プロに拉致られて……二人に酔いつぶされて」

健夜「あ、あれは、ビール一杯で目を回すとは思わなかったから……」

はやり「良子ちゃんはそこそこイケるクチなんだけどねー」



えり「三尋木プロも戒能プロも高卒プロですよね? ……ビール?」

咏「いや知らんしー」

良子「記憶にございません」



11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:57:07.21 ID:EETXfXiR0



はやり「まあ、そんなこんなで人が増えていったかなー」

はやり「皆で集まった方が楽しいし、すこやんを囲う会ってとこかな?」

健夜「嫌なネーミングだなぁ」

良子「そういえば福与さんは?」

健夜「さすがに今回はろくでもないことしそうだったから呼ばなかったよ……」

えり(……ろくでもないことしてたのは誰だったか)



12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:57:51.70 ID:EETXfXiR0



えり「拉致といえば……三尋木プロ」

えり「誘ってくださるなら、今回の集まりの趣旨を教えておいてくださいよ……」

咏「ごめんごめん。針生さんは来るの初めてじゃないし、別にいいかなーと」



みさき「私も、せめて前日に教えていただければ良かったんですが」チラッ

理沙「うぅっ……」

みさき「手持ちがこれしか無かったので申し訳ないのですが……お誕生日おめでとうございます」

良子「あ、プレゼントですか。ありがとうございます」

健夜「なにこれ……私とはやりちゃんの人形がついたストラップ?」

咏「禍々しいデザインしてるねぃ」

はやり「健夜ちゃんには似てると思う」

健夜「似てないよ!?」



13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:58:28.08 ID:EETXfXiR0



健夜「邪神みたいなストラップは置いといて……私からはこれを」

良子「百合の花ですか。……あれ? 匂いがしない」

健夜「造花だからね。良子ちゃん変なところでズボラだから枯らしそうだし……」

良子「いやいや、さすがに人に貰ったものの世話サボタージュしたりしませんよ」

みさき「どちらにしろ、それほど長持ちしないのでは?」

健夜「あ、そっか。根っこまで埋めてたりするわけでもないもんね」

良子「とりあえず、これならホコリ払うぐらいでいいですよね。ありがとうございます」



理沙「あ、あげる!」

良子「ありがとうございます。……何でしたっけ、コレ」

みさき「……マトリョーシカですね」

理沙「かわいい!」



14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:58:59.20 ID:EETXfXiR0



咏「んで、ごめん。プレゼント用意するの忘れてました」

はやり「右に同じくー。でも、今日の支払いは全部任せてね!」

えり「すみません私も……」

良子「いえいえ、お構いなく」

良子「祝っていただけるだけで十分です」



咏「仕方ないなー。良子には特別に私をプレゼ」

良子「好きにしていいんですか」ガシッ

咏「こええよ! 肩掴みながら言うなよ! 冗談冗談!」



15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:59:28.42 ID:EETXfXiR0



理沙「…………」チラチラ

みさき「……何か言いたいことがあるなら、ハッキリ言われたらどうですか?」

理沙「な、悩み! あるの?」

みさき「戒能プロに何か悩みがあるのでは、ということみたいですが」

理沙「ちょっと浮かない顔してた!」

咏「わっかんねー。いつもと同じに見えるけど」



16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 20:59:55.33 ID:EETXfXiR0



良子「あー……まあ、ある意味で深刻な悩みが」

はやり「え、年取ったとか?」

健夜「……それは深刻な悩みだよね」

理沙・みさき・咏・えり「「「「…………」」」」

はやり・健夜「「ごめんなさい」」




良子「……一昨日のことなんですが」

良子「両親と三人で話をしていたんですけど、その席で――」



17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:00:25.32 ID:EETXfXiR0


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■長野 とある喫茶店

戒能父「…………」

戒能母「…………」

良子「あのねぇ……もう少し会話したら?」

戒能父・戒能母「「嫌だ」」

良子「もー、この夫婦は」



戒能父「まだ夫婦じゃねえ」

良子「いまから再婚してくれるんでしょう? はい、書類」

戒能母「娘達のために仕方なく再婚するのよ。仕方なく」

良子「はいはい。キレイな字で書いてね、役所の人が困るから」

良子「どうせ二人とも別の人と再婚したりもしないでしょう?」

戒能母「……そんなことないわ」

戒能父「俺はこいつと違ってモテモテだから相手に困らねぇし」

良子・戒能母「「…………」」

戒能父「なんだその可哀想なものを見る目は」
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18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:01:01.62 ID:EETXfXiR0


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良子「……はい、確かに。これであとは提出するだけね」

良子「ありがと。いいバースデーブレゼントになったわ」

戒能母「ああこれ、誕生日プレゼントだったのね……」

良子「一応ね。私は正直そこまで気にして無かったんだけどね」

良子「妹の願いとあっては、お姉ちゃん頑張らずにはいられないかなぁ、と」

戒能父「なるほど」
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19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:01:36.05 ID:EETXfXiR0


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良子「というわけで、仲良くしろとは言わないけど、妹の感知するところで露骨に喧嘩とかやめてね」

戒能母「……この人次第ね」

戒能父「なんだと!」


戒能母「もう怒るの? これだからキノコ派は」

戒能父「タケノコ派は陰湿だな!」

良子「はいはい、さっそくケンカしない」
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20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:02:16.59 ID:EETXfXiR0


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戒能父「……しかし、誕生日プレゼントはこれでいいのか」

良子「もう貰う歳でもない気がするけど。親に」

良子「まあ貰えるのは嬉しいかな」

戒能母「それは良かった――で、プレゼントがあるんだけど」ゴトッ



良子「なにこれ、カギと書類?」

戒能母「長野にあるマンションのカギと諸々の書類」

良子「……リアリー?」

戒能母「いまチームの寮暮らしよね? あげるからこの機会に一人暮らししなさい」

良子「え? 実は家のカギを新調しましたー、とかそういうオチではなく?」

戒能父「そういうの無いから」

良子「おお……さすがにこれは太っ腹過ぎない?」

良子「あ、そうか、賃貸か」

戒能母「売買よ。分譲マンション」
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21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:03:09.18 ID:EETXfXiR0


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良子「えーっと間取りは……1LDK?」

戒能父「ああ、1LDKだ。……長野の片田舎で1LDKのマンション」

戒能母「どういう需要を考えて作ったのかイマイチ不明よね」

良子「へー。どこの物好きが建てたんだろう」

戒能父「どっかの金持ちが娘の従姉妹を隔離するために建てたらしい」

戒能母「何かそれで娘が口も聞いてくれなくなったとか」

良子「どこも面倒な事情抱えてるんだなぁ」



良子「では明日からさっそく……って、明日から東京入りだった」

戒能母「いつ戻ってくるの?」

良子「一週間後の予定」

戒能母「じゃあ一緒に暮らすのは一週間後からで」

良子「……一緒に暮らす?」
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22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:03:38.20 ID:EETXfXiR0


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良子「誰か一緒に住むの?」

戒能母「良い子の良子ちゃんにはもう一つ、プレゼントを差し上げます」

良子「凄まじく嫌な予感がするので結構です」

戒能父「さて、ここで問題。いったい誰と暮らすことになるでしょうか?」

良子「お手伝いさん」



戒能父「……ファイナルアンサー?」

良子「そういうのいいから」

戒能父「ぐっ……な、なんと、許婚が付いてきまーす」

良子「は?」
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23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:04:11.45 ID:EETXfXiR0



■都内某所

咏「えーっと……つまり、マンション貰って嬉しいぜイェイ! って話?」

良子「違います」



健夜「い、許婚……? 良子ちゃんってそんなレベルの高いもの持ってるんだ」

はやり「これは許しがたい裏切り行為だよ……!」

理沙「おませさん!」

良子「いや、私も初耳だったんですよ」




良子「で、その相手というのが――」



24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:04:40.13 ID:EETXfXiR0


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■長野 とある喫茶店

咲「は、初めまして。宮永咲です」ペッコリン

良子「…………」

良子「……えっ、女の子だよね?」ペタペタ

咲「ひゃっ!? な、何ですか……?」

戒能母「良子、初対面の女の子の胸揉むとか失礼よ」

良子「……うん、女の子だよね」

良子(少しは胸あるし)




良子「…………」

良子「……あ! なるほど、ドッキリか」

戒能父「そういうの無いから」
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25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:05:09.49 ID:EETXfXiR0


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良子「あのね……父さん母さん」

戒能父「何だ改まって」

良子「私の性別は?」

戒能父・母「「女」」

良子「この可愛い子の性別は?」

戒能父・母「「女」」

良子「よし……よし、良かった」

良子「まだ、半分ぐらいボケてるだけか」




良子「あのね? 日本は同性同士では結婚できないんだよ?」

戒能母「できるわよ?」

良子「は?」

戒能父「この間、オッケーになったじゃないか」

戒能母「ほら、ネットのニュースでも。携帯見てみなさい」

良子「そんなオカルト……マジだ」
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26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:05:43.95 ID:EETXfXiR0


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戒能父「将来的にこうなることはわかってコッソリ話を進めておいてな」

良子「本人がいまのいままで知らなかったんですが」

戒能母「良子だけには伏せておいた方がいいかな……と」

良子「なぜ」

戒能母・父「「その方が楽しいから」」

良子「あなた方はね」




良子「……宮永、咲ちゃんだっけ?」

咲「は、はい」

良子「あなたはこれでいいの?」

咲「は、はい……ふ、ふつつかものですが、よろしくおねがいします」ペッコリン
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27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:06:35.70 ID:EETXfXiR0



■都内某所

良子「おかしいですよね」

良子「突然許婚がいるって言われるわ、相手女の子だわ、しかも高校生になったばっかりとか」

理沙「ぴちぴち!」

咏「んー、でも昔ならともかく現代だと許婚に法的な効力とか無くね?」

良子「それはそうなんですが」



はやり「も、もしかして、もうエッチなことしちゃったとか!」

理沙「既成事実!」

みさき「お二人とも、興奮しすぎです」

良子「喫茶店で顔合わせして以来、会ってませんよ」


良子「……ただ、なんといいますか、長野に戻ったらとりあえず一緒に暮らしてみろってことになりまして」

良子「暫く暮らしてみて気に入らないなら、この話も無かったことにしていい、と」

はやり「押し切られちゃったんだねー」



28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:07:10.55 ID:EETXfXiR0



咏「それならそれで、お試しで暮らしてみればいいんじゃね? 知らんけど」

はやり「良子ちゃんは年下大好きだから、意外としっくり来ちゃうんじゃないかなぁ」

良子「違います。妹や従姉妹が大好きなんです」

咏「あんま変わんなくね」

良子「でも咏さんは結構ソソりますよね……問題は年上ってことぐらいで」

咏「寄るな変態」




咏「私は良子なんかより、一緒に暮らすことになる子が不憫でならないよ」

良子「なんかって」

健夜「……良子ちゃん、いくら許婚とはいえ女子高校生に手を出すのは犯罪だと思うよ」

えり「朝刊の記事を飾ったりしないでくださいね……」

理沙「かなしい!」

良子「あっれ? 何でこんなに信用が無いんだろう」



29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:07:50.87 ID:EETXfXiR0



はやり「その宮永咲? って子」

はやり「良子ちゃんはまったくの初対面なんだよね?」

良子「の筈ですが」

はやり「そもそも何で許婚になったの?」

えり「家が親しいってわけでも無いんですよね」

良子「親同士が親しいとかなんとか……」



はやり「うーん、まあ意外と良子ちゃんがべた惚れになっちゃうんじゃないかな」

良子「それはそれで面白いからいいですけどね」

咏「まあ、嫌なことは食べて忘れちゃおうぜー」

良子「そうします」

えり「そういえば、明日って戒能プロと瑞原プロと三尋木プロと小鍛治プロの対局がありますね」

良子「……せっかく忘れていたことが」



30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:08:17.42 ID:EETXfXiR0












■都内 駅

良子「それじゃ、私はこっちの路線なんで失礼しまーす」

はやり「じゃあね~、明日はよろしくね☆」

良子「だから思い出させないでくださいって」


咏「車道に飛び出したりするなよー」

良子「いくら酔っててもそんなアグレッシブなことしませんよ」

咏「まあ、気をつけてなー」

良子「はい、皆さんもお気をつけて」



31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:09:14.65 ID:EETXfXiR0










咏「しかし、良子が結婚かー。イメージわかないなぁ」

えり「そうですか? 逆に私は相手が女の子って聞いてしっくりきましたが」

咏「なんで?」

えり「個人的には戒能プロってバリバリ稼いで、お嫁さんもらってそうなイメージなので」

咏「そんなもんかねー」



みさき「皆さんもいいお相手が見つかるといいですね」

はやり「ほら、言われてるよ健夜ちゃん」

健夜「違うよ、はやりちゃんに言ってるんだよ」

みさき「皆さん、って言ったんですが」



32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:09:50.82 ID:EETXfXiR0



はやり「何で私達は結婚できないのかなーーー!?」

健夜「結婚しようともしてないからじゃないかなぁ……」



はやり「……残ったメンバーで雀荘に腹いせに行こう☆」

咏「この辺、だいたい出禁になったんですけどー」

えり「何やってるんですか皆さん……」











理沙「……よし!」



33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:10:17.56 ID:EETXfXiR0



理沙「み、みさきちゃん!」

みさき「? 何ですか?」

理沙「わ、わらひのおよめさんになってくださいっ!」

咏・えり・健夜・はやり「「「「おおーー!」」」」

みさき「嫌です」

理沙「」







みさき「理沙さんが、私のお嫁さんになるんです」

みさき「……いいですね?」

理沙「ひゃ、ひゃい……」

咏「また新たなカップルが生まれちまったな」

はやり「なんてことだ……なんてことだ……」



34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:11:03.01 ID:EETXfXiR0



■長野 マンション前

良子(……まさか女子高校生との共同生活を営むことになるとは)

良子(これが単なる共同生活ならいいんだけど、殆ど結婚を前提としたお付き合いだからなぁ)

良子(帰りたい……)

良子(場合によっては、ここが帰る家になるわけだけど)

良子(多分、もうあの子は住んでるんだよね)

良子(とりあえず入るか……えっと、カギは)



良子(……急に入っていって脅かすのも悪いし、インターホン鳴らしてからにするか)

良子(呼び出し押して、部屋番号……1211、っと)

良子「…………」

良子「……あれ? 出ない?」

良子「まだ住んでないのか……じゃあ自分でカギ開けて、っと」



35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:11:43.20 ID:EETXfXiR0



■マンション 部屋入口

良子(オートロックのカギと部屋のカギが一緒なのか)

良子(便利だなーって、これが普通なのかな……ん?)ガチャガチャ

良子(カギ開いてたのか、不用心な)ガチャッ

咲「ひゃぅっ!」

良子「あれ……咲ちゃん?」

咲「び、びっくりした……か、戒能さんだったんですね」

良子「うん、ごめんね。こんにちわ」



良子「部屋のインターホン鳴らしたんだけど、出なかったからてっきりいないのかと思ったよ」

咲「す、すみません……どう操作すればいいのかわからなくって」

良子「なるほど」

良子「私もわからないから、あとで一緒に説明書でも見ながら調べてみよっか」

咲「ひゃい!」

良子(緊張してるのかなー。まあ、よく知らない年上と共同生活とか緊張して当たり前だよね)



36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:12:23.82 ID:EETXfXiR0



良子「いま、ちょっといいかな?」

咲「はいっ、何でしょうかっ」

良子「緊張しないで……というのも性急すぎるか」

良子「まあ、少しずつ慣れていってくれると嬉しいな」



良子「とりあえず、リビングにでも行って話しよう」



37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:13:09.12 ID:EETXfXiR0







良子「結構広いね、リビング」

咲「キッチンと合わせて20帖あるみたいですよ」

良子「無駄に広い……もう一部屋作れと言いたい」

咲「ちょっと広すぎますよね……物も殆ど無いのでなおさら」

咲「ソファとか、テーブルはどうしましょうか?」

良子「んー……そのことも含めて、なんだけど」



良子「咲ちゃん、って名前呼びでいいかな?」

咲「あ、はい」

良子「咲ちゃんは可愛いと思う」

咲「は、はい!? あ、ありがとうございます」

良子「ただ、可愛いからイコール結婚したいってわけでもない」



38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:13:49.66 ID:EETXfXiR0



咲「……そう、ですか」

良子「まあ、ついこの間会ったばっかりの子と許婚です、って言われてもね……」

良子「結婚しなさいと言われてもピンと来ないかな」



良子「……咲ちゃんはどうなのかな?」

良子「咲ちゃんが良ければ、この生活も適当に流してしまうとか」

咲「う、あの……まだ、結婚するって決まったわけじゃないですけど」

咲「戒能さんは、私と結婚したくない……ってことです、よね?」



39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:14:17.56 ID:EETXfXiR0



良子「したくない、というか決めかねるってところかなぁ」

咲「……でしたら、試用期間って感じで、試してもらえませんか?」

良子「試す?」

咲「はい」



咲「……わ、私はできれば結婚したいと考えているので」

咲「試してもらって、それでも戒能さんが結婚しないってことになれば……」

咲「……私は、諦めますから」



40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:15:04.68 ID:EETXfXiR0



良子(この子は……結婚に乗り気なのかな)

良子「……じゃあ咲ちゃんがいいなら、試用期間ってことでいいかな?」

咲「はいっ」

良子「でも、咲ちゃんも私を見定めてね?」

良子「絶対、幻滅することがあると思うから」



良子「それじゃあ、ここに二人で生活していくことになるけど殺風景すぎるから……」

咲「家具とか、ですか?」

良子「だね。……今日はもう遅いし、実際に買いに行くのは次の土曜日で」

良子「どういったものが必要かリストアップだけしとこう」



41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:15:47.94 ID:EETXfXiR0















■風呂場

良子「あー、極楽極楽」

良子(お風呂は寮よりいいなぁ……というか、実家よりいいなコレ)

良子(おぉ……ミストサウナまで付いてる、全然使わなそう)



42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:16:55.28 ID:EETXfXiR0



良子(……宮永、咲ちゃんか)

良子(喫茶店の時が初対面の筈だけど、何で結婚に乗り気なんだろう)




良子(1.うちの親がお金を出すことを条件に許婚にさせた)

良子(多分無い……なぜなら、向こうの家庭からも咲ちゃんの生活費とかのお金が振り込まれているため)

良子(お金に困っているなら、金銭関係は殆どこっち持ちのはず)


良子(2.親の決定に逆らえない)

良子(これはあるかも。親が許婚に決めてしまったから、仕方なくといった感じで)

良子(率直に聞いても正直に答えてくれないかもしれないし、これはさり気なく探っていこう)

良子(……下手したら虐待受けてて、逆らえないって可能性もあるし)



43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:17:47.90 ID:EETXfXiR0



良子(3.年増大好きだぜいぇい!)

良子(……二十歳って年増?)

良子(4.年上のお姉さん大好きだぜ!)

良子(年上なら誰でも良かった、いまはムシャクシャしている)

良子(……どっちにしろ私が悲しい)


良子(あとは私がプロ雀士だから)

良子(その収入なり、コネを当てにして、とかかなぁ……?)



44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:18:21.88 ID:EETXfXiR0



良子(もしも、本当に私のことを好いてくれているとして)

良子(私はどうすればいいんだろう)

良子(高校の頃――女子校だったからなのか、同性から告白されることはよくあった)

良子(そのたびにオブラートに包んでお断りしてきたけど、今回はそれとは違うケースだからなー)





良子(ただ一つ、夕飯の時にわかったことがある)

良子(……咲ちゃんは女子力が高い)



45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:19:04.53 ID:EETXfXiR0


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
良子「――よし、じゃあ土曜日の十時前頃に買い出しに行こう」

良子「車は私が出すから」

咲「はい、わかりました」



良子「さて、じゃあ出前でもとろうか」

良子「ここはピザとか寿司とかタコスとか、店屋物の出前が意外と持ってきてもらえるみたいだから」

良子「あ、外食でもいいよ。ちょっと車走らせればお店ぐらいいくらでも」

咲「あ、あのぅ……ご飯ならだいたい出来てるんです、けど」

良子「……なんですと」

咲「あ、いえ、そのっ、戒能さんが食べたいものを食べましょう!」

良子「咲ちゃん料理できるの?」

咲「少しなら……」

良子「じゃあ咲ちゃんの手料理が食べたいです」

咲「嫌いなものとか、アレルギーとかありませんか?」

良子「特に無いかな」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:19:42.49 ID:EETXfXiR0



良子(――とろっとろに煮込まれた煮豚、あれはいいものだ)


良子(しかし、いくら私でもこの程度で籠絡されるほど、ちょろくはありませんよ)

良子(外食、出前生活で変な方向に鍛えられた私の味覚に勝てるかな?)










良子(……肉じゃが、作ってくれないかなー)



47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:20:20.28 ID:EETXfXiR0



■リビング

良子「いいお湯でした」

良子「栓抜いたけど、二度目入らないよね?」

咲「はい、さすがに……ってうわぁ! なんて格好してるんですか!?」

良子「ん? 全裸だけど?」

咲「服着てくださいよぉ……」



良子「何で目閉じてるの? 女同士なのに」

咲「何で服着ないんですか……!」
    ゼンラー
良子「全裸erだから。自室とかではだいたい全裸かな、楽だし」

良子「あ、外で全裸になることはないから安心して」

咲「それやったら犯罪ですよ!?」



48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:21:24.09 ID:EETXfXiR0



良子「まあ、勘弁してほしい」

良子「胸がね、きついから裸の方が楽なんだ」

咲「うぅ……でも」

良子「よし、じゃあルールその1、私の全裸は咎めない」

咲「なんですかそのルール、風邪引いちゃいますよ……」

良子「咲ちゃん&良子ハウスルール」



良子「私が一個決めちゃったから、咲ちゃんも一個決めていいよ」

良子「お互いに一個決めたら、もう一個決めれるようにしよう」

咲「ええー……」

良子「いや、でもルームシェアする人とかはよくやってるよ? フツーだよ?」

咲「えっ、そうなんですか……」

咲「……なら、やらないとダメですよね」

良子(ちょろい)



49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:22:02.56 ID:EETXfXiR0



良子「さて、じゃあ寝室は咲ちゃん使ってね」

良子「私はリビングで寝るから」

咲「え」

良子「一緒の部屋で寝るのはさすがにね」

良子「大丈夫、こんなこともあろうかと寝袋を」

咲「……一緒の部屋じゃ、ダメですか?」

良子「……いや、いくら女同士っていっても全裸の女と一緒に寝たくないでしょう?」


咲「服着てください」

良子「嫌です」

咲「うぅ……じゃ、じゃあ、裸んぼでいいですから」

良子「嫌です。おやすみー」



50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:22:42.98 ID:EETXfXiR0




咲「……あ! じゃあ、ハウスルールその2、決めました!」

咲「い、一緒のベッドに寝る決まり……ということで」

良子「そうきたか……」




51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:23:19.02 ID:EETXfXiR0



■寝室

良子(しかし、うちの両親も気を効かさなくていいところに気を使うなぁ)

良子「すごいね、このベッドおっきいね」

咲「キングサイズのベッドだって……戒能さんのお母さんが」

良子「あのファッキンマザー、これだけは用意したのか」




良子「……まあ、寝よっか」

咲「はい」

咲「……えっと、おやすみなさい」

良子「おやすみ」



52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:23:48.84 ID:EETXfXiR0



良子(他人と同じベッドに入るなんて初めてだ)

良子(落ち着かないかと思ったら、それほどでもないかな……私は)

良子(咲ちゃんがちゃんと寝れるといいけど)










良子(……宮永、か)

良子(……苗字が同じだけ、かな?)



55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:53:48.53 ID:EETXfXiR0






















56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:54:18.32 ID:EETXfXiR0



良子(……そういえば昨日の夜)

良子(咲ちゃんにこの事言うの忘れてたなぁ)



宮永咲 ←全裸

良子(私は一緒に寝てる子の寝間着を脱がせるくせがあることを)

良子(……まあ、無意識にやっちゃうんだから仕方ない)

良子(そっとしておいて、早朝のランニングでも行こう。うん)



57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:54:49.40 ID:EETXfXiR0









■リビング

良子「ただいまー」

咲「あ、お、おかえりなさい」

咲「……あの、ひょっとして、私の寝間着って戒能さんが脱がせ」

良子「え? 咲ちゃん脱ぎ癖があるんじゃないの?」

咲「あ、あれ……? そ、そんなことはない筈なんですけど」



咲「う、あ、その……大変お見苦しいところを」

良子「いえいえ、目の保養になったよ」

咲「うぅ……」

良子(よし、これで少なくとも明日までは誤魔化せる)



58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:55:32.04 ID:EETXfXiR0



咲「今日はお休みでしたよね?」

良子「うん。明日は昼から練習で、夜から対局あるけどね」

良子「明日は日が変わるまでには帰ってこれるけど、夕飯は外で食べるから」

咲「はい」



良子「それで、朝ご飯まで作ってくれたんだ」

咲「はい。……ご迷惑でしたか?」

良子「とんでもない、有り難くいただきます」

良子「あ、ご飯は大盛りで」



59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:56:10.47 ID:EETXfXiR0



良子「咲ちゃんは学校だよね? このマンションからは初登校?」

咲「はい。一応、この春から高校生なので」

良子「学校どこだっけ?」

咲「清澄です。清澄高校」

良子「キヨスミ……あ、あそこか」



良子「結構いいらしいね、清澄高校。設備とか色々充実してていいらしいね」

咲「合宿用の棟があるとか……私にはあんまり関わりが無いですけど」

良子「部活入らないの?」

咲「うーん……図書館に入り浸ってるだけで楽しいので部活はいいかなぁ、と」

良子「なるほど」


良子(もしも、私に気を使って部活しないようなら言わないとね)

良子(ご飯作ってくれるのは嬉しいけど、友達付き合いとか疎かにしちゃいけないし)

良子(……既にぼっちじゃなければいいけど)



60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:56:50.67 ID:EETXfXiR0



良子(――しかし、この料理が毎日食べられるのか)

良子(家事全般もできるっぽいことを考慮すると、結婚もそう悪くないかな?)

良子(色んな意味で相性が良い人間かどうかって問題もあるけど)

良子(……って、こういう考え方は咲ちゃんに失礼か)



咲「あ、あの……お口に合いませんでした?」

良子「え? ううん? 美味しいよ」

良子「ごめんね。ちょっと考え事してたから」

良子「良かったら学校まで送っていこうか? 車出すよ」

咲「だ、大丈夫ですよ。そんな遠くないですし」

良子「そう? うーん……じゃあ、せめて皿洗いぐらいさせてね」

咲「え、でも」

良子「咲ちゃんばっかり働いてるのもおかしいでしょう?」

良子「まあ、任せて」



61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:57:37.68 ID:EETXfXiR0



良子「あ、そろそろ着替えて学校行く準備した方がいいんじゃないかな?」

咲「うわっ、も、もうこんな時間だったんだ」

咲「それじゃ……すみません、お願いします」

良子「はいはい、転けないようにね」

咲「六時頃までには戻って夕飯作りますからー!」



良子(……ちょっと抜けてるっぽいところはあるけど、よく出来た子だなぁ)

良子(いいお嫁さんになりそう)

良子(私も皿洗い頑張りますか)



62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:58:05.55 ID:EETXfXiR0



□20分後の宮永咲

咲「……ここ、どこ」

咲「うぅ……いつもと道が違うから迷っちゃったよ……」グスッ


咲「学校、間に合うかなぁ……」



63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:58:33.18 ID:EETXfXiR0



□30分後の戒能良子

良子「あ」バリーン

良子「これで四枚目か」


良子「私が皿を洗い終わるのが早いか……割り終わるのが早いか」ゴクリ



64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 21:59:49.12 ID:EETXfXiR0



□同居生活開始からしばらくして

良子(咲ちゃんとの同居生活は未だに続いている)

良子(正直、最初は気の進まなかったが、意外と長続きしている)

良子(特に波もたたず、平穏無事そのものだ)

良子(しいて言うなら、高校からの付き合いである同期のプロが包丁持って来たぐらいか)



良子(とはいえ、全て円滑にいっているわけではない)

良子(その証拠にいくつかのハウスルールが決められた)

良子(1.戒能良子の全裸を咎めない)

良子(2.寝る時は一緒のベッドで寝る)

良子(3.戒能良子は台所に立ってはならない)

良子(4.戒能良子の帰りが遅い時は、宮永咲は起きて待たないこと)

良子(5.戒能良子は掃除をしてはならない)

良子(6.重いものを買う時は戒能良子に声をかけるか配達してもらう)



65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:00:28.57 ID:EETXfXiR0



良子(こんな感じにルールが決まったものの、ケンカまでしているわけではない)

良子(むしろ個人的には仲良くなったと思う)

良子(ただ申し訳ないことに、家のことは咲ちゃん任せばかりということで――)



良子「咲ちゃん、私が皿洗いするよ」

咲「ソファ座ってテレビ見ててくださいね」ニッコリ

良子「ハイ」



良子「掃除するの? 手伝うよ」

咲「今日はいい天気なので、お散歩しててください」ニッコリ

良子「ハイ」

良子(これが亭主元気で留守がいいってやつか……)ションボリ



66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:01:07.27 ID:EETXfXiR0



良子(私が家事をすると咲ちゃんに迷惑がかかる)

良子(プロ雀士として仕事しているとはいえ、この状態は……よろしくない)

良子(……ならば)




良子「咲ちゃん、デートしましょう」

咲「え? あ、はい」

咲「……?」



67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:01:34.69 ID:EETXfXiR0



咲「……えっと、あの、何て言われました?」

良子「デートしましょう」

咲「あ、デートですか、わかりましたー」



咲「……デート!?」



68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:02:25.38 ID:EETXfXiR0



咲「で、で、で、デートですか!?」

良子「うん。日頃の感謝も込めて一緒にお出かけしたいなー、と」

良子「……ダメかな?」

咲「行きたいですっ!」

良子「あ、良かった。じゃあ、エスコートするね」

咲「じゃあ、準備してきます!」

良子「いや、今日はもう遅いし明日がいいかなぁ、と」

咲「あっ、あ……そ、そうですよね……」



良子「……じゃあ、いまから大人のデートにでも行く?」

咲「ふぁっ!? お、おとにゃの……」

良子「ジョークだよジョーク。未成年を夜中に連れ回したりしちゃダメでしょ」



69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:03:23.45 ID:EETXfXiR0



良子「というわけで、明日行こうね」

良子「朝からでいいかな?」

咲「は、はい」

良子「じゃあ朝御飯食べたら……いや、いっそのことブランチにしよう」

良子「咲ちゃんはどこか行きたいところはある?」

咲「ええっと……あの、その……これといっては」

良子「じゃあ適当にショッピングでもしましょうか」

良子「行きたいところ思いついたら言ってね? お金や移動手段は何とかするから」

咲「え、それは」



良子「日頃の感謝を込めて、って言ったでしょ?」

良子「日頃頼りないお姉さんとしては、少しはカッコつける機会がほしいんだ」



70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:04:19.06 ID:EETXfXiR0



良子「さて、そうと決まったらお風呂入っておいで」

良子「明日は別に早くないけど、お湯がさめてもいけないし」



良子「お風呂から出たら優しくマッサージと、戒能良子作ホットミルクを」

咲「あ、台所には立たないでくださいね」

良子「ハイ」

咲「……お風呂も覗かないでくださいね?」

良子「…………」

咲「の、覗かないでくださいね!?」



71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:04:55.67 ID:EETXfXiR0












良子「じゃあ、コレとコレとコレとコレ、お願いします」

店員「はい……ご自宅に到着するのが明日になりますが」

良子「構いません」

店員「かしこまりました。では以上の八点で発送させていただきます」


良子「お願いします。またあとで送りに来るかもしれませんけど」

咲「まだ買うんですか!?」

良子「うん。まだ服買っただけだからね」

良子「これから靴やら小物やら買わないと……」

咲「さ、さすがにこれ以上はやめましょうよ……」



72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:05:33.96 ID:EETXfXiR0



良子「うーん……これはさすがに譲れないかな」

良子「服ごとに合わせたものにしないと合わなかったりするから」


咲「でも、戒能さんのお財布に頼ってばっかりで……」

良子「大丈夫大丈夫。もうそんなに買わないから」

良子(多分)



73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:06:13.97 ID:EETXfXiR0










咲「……結局、いっぱい買っちゃいましたね」

良子「正直、まだほしいのがあったんだけど、それは別の機会に」

良子「咲ちゃん素材いいし、もっと着飾ろうよ」

咲「え、えぇー……私なんて、別に」


咲「……戒能さんに比べたらずっと、その、アレですし……」

良子「小さいよね」

咲「うぅ……ちょっとグサリと」

良子「? あ、胸の話か。背の話かと」



74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:06:51.05 ID:EETXfXiR0



良子「私は咲ちゃんぐらいスレンダーなの良いと思うけど」

良子「抱きしめたくなるよ」

咲「ふぇっ!?」


咲「わわわわたしなんて、ホント! 戒能さんに比べたら全然!」

良子「そんなことない――可愛いよ」

咲「!?」

良子「咲ちゃん可愛い」

咲「わ……わら……わらひなんて……」

良子(百面相だなぁ、からかいがいがある)

良子(うん……デート来て良かったなー)


?「あら、宮永さん?」



75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:07:28.48 ID:EETXfXiR0



咲「あっ、生徒会長……」

咲「じゃなくて……学生議会長さん」

久「今日はお買い物? ……え?」

良子「あ」


久「良子先輩じゃないですか」

良子「ヒサだよね? 久しぶりー」

良子「あ、これは別にギャグではないからね」

久「わかってますって」



76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:08:05.29 ID:EETXfXiR0



咲「……お知り合いだったんですか?」

良子「うん、同じ中学校だったから」


久「出会ったばかりの頃は、まさか良子先輩が麻雀始めるとは思いませんでした」

久「ましてや、プロ入り一年でトッププロの仲間入りするとも」

良子「これ楽しいなー、と思ったらいつの間にかね」

良子「でもまあ、私なんてまだまだだよ。……上には上がいるしね」

良子「ヒサの方はどうしてるの?」

久「一応、まだ麻雀やってますよ。麻雀部の部長です」

久「ただちょっと団体戦に出る人数が足りないもので」

良子「あらら」



77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:08:54.05 ID:EETXfXiR0



久「……宮永さんが入ってくれればなぁ、とは思っているんですが」

咲「わ、私ですか?」


良子「咲ちゃん麻雀できるの?」

咲「……少しぐらいなら」

久「少しなんてものじゃないですよ」

久「三連続プラマイゼロで終わったんです」

良子「へぇ……」

咲「た、たまたまです」

久「昨年度のインターミドル個人戦1位の子も同卓していた状況で、ですよ」

良子(……昨年度のインターミドル個人戦1位の子って誰だっけ)

久「別の日には役満上がってトップにもなりましたし」



78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:09:35.38 ID:EETXfXiR0



咲「あああれも運が良かっただけで!」

久「うーん……とてもそれだけには見えなかったけど」

久「麻雀、楽しいでしょ? ……最後にトップを取った対局は楽しんでもらえたと思ったんだけど」

咲「あれは……その」

良子「…………」




久「……良かったらまた部室に遊びに来てね」

久「美味しいお茶とお茶があるから」

良子「お菓子は……」

久「それは持参で。それじゃ宮永さん、また学校で」

咲「は、はい」

久「良子先輩も良かったらいらしてください」

良子「うん、機会があれば」



79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:10:16.31 ID:EETXfXiR0











咲「…………」トボトボ


良子(どうしたんだろ咲ちゃん)

良子(さっきからボーッとして)

咲「……あ、あの」

良子「ん? どうしたの?」



80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:11:01.20 ID:EETXfXiR0



咲「竹井さんと……その」

咲「……仲良かったんですか?」

良子「ん? うん、そうだね」

咲「そ、そうですか……」



良子「……あ、付き合ってたとかそういうこと?」

良子「それは無いよ。単なる友達、というか先輩後輩の関係」

咲「ほ、ほんとですか!?」

良子「別の子と付き合ってたことはあるけどね」

咲「へっ?」



81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:11:35.57 ID:EETXfXiR0



咲「付き合……え?」

良子「昔の話だけどね。付き合ってた子がいたんだ」

咲「……どんな子だったんですか?」

良子「んー……年下で、小動物みたいな女の子」



良子「ただ、薄情なことにあんまり記憶に残ってないんだ」

良子「覚えてることといったら、あとは一度だけ食べた手料理がすごくマズかったってこと」

良子「ちょっと言い表せないぐらいマズかったから記憶に残ってるのかなぁ……」

咲「…………」

良子「いまちょっと勝った……って思ってるでしょ」

咲「ふあっ!? そ、そんなこと……あります」

良子「素直でよろしい」

良子「うん、でも確かに。咲ちゃんの料理は美味しいよ」

咲「あ、ありがとうございます……」



82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:12:08.03 ID:EETXfXiR0



良子「まあ料理というか、家事全般は私も人の事は言えないけどね」

良子「そろそろ練習でも」

咲「ダメです」

良子「ハイ」




良子「結構買い物したし、ちょっと休憩でもしよっか?」

咲「はい」

良子「咲ちゃん甘いもの好き?」

咲「大好きです」

良子「よし、ならいいところが――」



83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:12:49.58 ID:EETXfXiR0



良子(しかし……そっか)

良子(いまの状態も付き合ってるようなものか)

良子(悪くない……気がする)




良子(気がする、けど)

良子(何か――すんなり行き過ぎのような)


良子(……考えすぎか)



84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:13:48.11 ID:EETXfXiR0








■甘味処

良子「おいひ……たまには甘いものもいいね」

咲「あんまり食べに来られないんですか?」

良子「あくまでたまにかな? どちらかと言うと好きなんだけど」


良子「……咲ちゃんの白玉美味しそうだね」

咲「あ、良かったらどうぞ」

良子「ありがとう」

良子「じゃあ、あーん」

咲「…………」

良子「あーん」



85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:14:25.11 ID:EETXfXiR0



咲「え……もしかして、私が運んでいかないと、ダメですか?」

良子「うん。あーんして」

咲「え、えぇ……ちょ、ちょっとそれは難易度高いですよ」

良子「…………」

咲「ど、どうぞ! お好きなだけ取っていってくださいっ」

良子「えー」




良子「じゃあ、先に私が食べさせてあげる」

咲「え?」

良子「はい、口開けて」



86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:15:05.45 ID:EETXfXiR0



咲「いえ、その、ど、どっちにしろ恥ずかしいので」

良子「まあまあそう言わず――あーんして」

咲「……あ、あーん……」




良子「……美味しい?」

咲「は……はぃ」



87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:15:38.54 ID:EETXfXiR0



良子「じゃあ次は私の番で」

咲「や、やらないとダメですか」

良子「ダメ。私はいつでもウェルカム態勢だよ」



咲「う……で、では失礼して……」

良子「ん……」

咲「…………」



88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:16:10.01 ID:EETXfXiR0



良子「咲ちゃん?」

咲「はいっ!?」

良子「ありがと。美味しかったよ」

咲「そ……それは、良かったです」


良子「……いっそのこと、お互いのを食べさせあいっこしようか?」

咲「……お、おなかいっぱいなのでっ」

良子(顔真っ赤だ、可愛いなぁ)

良子(……こうやってからかうのも楽しいけど、やり過ぎは良くないか)



89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:16:38.35 ID:EETXfXiR0



良子「ところで咲ちゃん、さっきの話だけど」

良子「麻雀部、誘われてたんだね」

咲「……はい」

良子「入ってみたら? 麻雀楽しいよ」



良子「もしも私に遠慮して、とかだったらまったく気にする必要ないからね」

良子「私、咲ちゃんには助けられっぱなしだけど」

咲「そんなことは……」

良子「家事が壊滅的にダメダメでも、何とかする方法なんていくらでもあるから」

良子「あくまで自分のことを優先してほしいな」

咲「戒能さん……」

良子「私の全裸のように」

咲「いまので全てが台無しになりました」



90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:17:27.81 ID:EETXfXiR0



咲「な、なんで最後にふざけるんですか」

良子「やっちゃったぜ」

咲「やっちゃったぜじゃないですよ……」




咲「……ちょっと、迷ってはいるんです」

良子「ふむ」

咲「私にとって麻雀は、あんまり楽しい思い出が無かったんですけど」

咲「この間、部室で打ったときは楽しかったので」

咲「楽しむことも、できそうかな? って」



91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:17:53.73 ID:EETXfXiR0



良子「楽しめるかどうか、それを確かめるために入るのもいいんじゃないかな」

咲「そう、ですよね」

咲「……もうちょっと、考えさせてください」

良子「うん」




咲「……あ、この後ですけど」

良子「ん?」

咲「ちょっと、一人でお買い物してきていいですか?」

良子「いいけど、迷子にならない?」

咲「な、なりませんよ。子供じゃないんだから」

良子「それならいいんだけど」



92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:18:40.26 ID:EETXfXiR0




















■迷子センター

良子「あ、すみません、ちょっと呼び出ししてほしいんですが」

良子「ええ……ちょっと連れの子が迷子みたいで」

良子「宮永咲です。ええ……まだ子供なんで、ちゃん付けで呼んであげてください」

良子「特徴は――」



93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:19:25.43 ID:EETXfXiR0









■マンション リビング

良子「お風呂あがったよー」

咲「」ドンヨリ

良子「咲ちゃん、元気ないね」

咲「……迷子になった私が悪いんです」

良子「ごめんって! ちょっと茶目っ気効かせて呼び出しちゃっただけだから」


咲「うっ、うっ……放送の時に注がれた周囲の視線が」

良子「見つかって良かったなー」



94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:20:15.37 ID:EETXfXiR0



良子「強引に話をそらすけど、何を買いに行ってたの?」

咲「……これです」ガサゴソ

良子「浴衣?」

咲「今日は私が買ってもらってばっかりだったので……せめて、これを受け取ってもらえれば、と」

良子「私に?」

咲「はい」



咲「あ、えと……戒能さんの裸を咎めるわけじゃないんですけど、良かったら……と思って」

良子「……これは着ないわけにはいかないね」

咲「ホントですか!?」

咲「ちょっと試してみて、良かったらずっと着てください!」

良子「うーん、それはどうだろう」



95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:21:06.57 ID:EETXfXiR0



良子「お……これはなかなかいいかな」

良子「胸がキツくないのがいい」

咲「とりあえず、二着だけ買ってきたので良かったら試してください」

良子「うん、ありがとね」



咲(よし……これで万が一誰かが部屋に入ってきても、戒能さんの裸を見られる危険性が減った)

咲「……でも、これはこれで身体のラインが出て……なんというか」ボソ

良子「ん? 何か言った?」

咲「な、なんでもないです」

良子「?」



96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:21:32.96 ID:EETXfXiR0



良子「とりあえず今日の夜はこれで過ごしてみるね」

咲「お願いします」

良子「もう寝よっか。今日は私が遅くまで連れ回しちゃったから疲れたでしょ?」

咲「いえ……すごく、楽しかったです」

良子「ん……なら良かった」



良子「とりあえず、そろそろ寝よっか」

咲「はい。……あ、明日のご飯はどうされます?」

良子「食べたい。お昼はちょっと約束があるから、それ以外は」

咲「はい、わかりました……おやすみなさい」

良子「おやすみ」



97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:22:06.08 ID:EETXfXiR0



良子(今回はお礼のためって意味合いが濃かったけど)

良子(今度は……本当にデートとして行ってみるのもアリかな)
















良子「……咲ちゃん、もう寝た?」

咲「いえ……」

良子「前から、聞こうと思っていたことがあるんだけど」

良子「……咲ちゃんって、お姉さんとかいる?」

咲「…………」



98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:22:46.69 ID:EETXfXiR0



咲「……います」

良子「お姉さんの名前は」

咲「宮永、照です」

良子「……やっぱりかー」


良子「ちょっと雰囲気とか似てる、とは思っていたんだけど」



99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:23:29.18 ID:EETXfXiR0



咲「いるには、いるんですけど」

良子「ん?」

咲「私、お姉ちゃんには嫌われていて……」

良子「……何かあったの?」

咲「それが、心当たりが無くて」

良子「何も?」

咲「は……あ、いえ、あるには、あるんですけど」



咲「お姉ちゃんと大喧嘩した、ような気がするんです」

良子「気がする?」

咲「実はよく覚えてなくて……」

咲「小さい頃……口論になったのを、おぼろげに覚えてるだけかもしれないんです」

咲「疎遠になったのは、お姉ちゃんが中学校卒業する頃だったので、時期が合わないし」

咲「お姉ちゃんが東京の学校に行ってからは、もう……」



100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:24:00.36 ID:EETXfXiR0



良子「元々、仲が悪かったわけではないんだよね?」

咲「だと、思うんですけど……私の勘違いでなければ」

良子「大人になって妹とあんまりベタベタしなくなった、って程度じゃないの?」

咲「……口も聞いてくれなくなりました」

良子「理由もなくその状態かー……」




咲「多分、私が何かしたんです」

咲「お姉ちゃんは、理由も無く無視なんてしない筈ですから」

咲「私が……気づいていないだけで」

良子「…………」



101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:24:39.10 ID:EETXfXiR0



良子「……お姉さんと仲直りしたい?」

咲「したいです」

咲「お姉ちゃんさえ、良ければ……ですけど」




咲「……麻雀部に入ろうか迷ってる理由、お姉ちゃんのこともあるんです」

良子「そうなの?」

咲「私が麻雀で勝ち続ければ、インターハイの舞台でお姉ちゃんに会えるはずだから」

咲「会えれば解決するとは思いませんけど……でも、それぐらいしか思いつかなくて」

良子「そっか……」



102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:25:16.60 ID:EETXfXiR0



咲「ごめ……なさい、もう、寝ますね」

良子「うん、ごめんね」



良子「咲ちゃん」

良子「苦しいことや悩んでることがあったら、私で良ければ相談してね」

咲「はいっ……」



103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:25:43.49 ID:EETXfXiR0












良子(……暗くてわからなかったけど、多分、泣いてたよね)

良子(……何とかしてあげたいな)



104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:26:21.17 ID:EETXfXiR0



良子(私のできること、か)

良子(背中向けて寝てる咲ちゃんに寄り添ってあげるとか?)

良子「…………」

良子(……咲ちゃんのうなじ)






良子(――って、何で手伸ばしてるんだ私)



105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:27:02.50 ID:EETXfXiR0




良子(……最近、咲ちゃん見てると落ち着かない気がする)





良子(これって、アレだよね……)




106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:27:33.01 ID:EETXfXiR0























■長野 とある喫茶店

良子「――どうも、私は同居相手に欲情しているようでして」

靖子・貴子「「」」



107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:27:59.89 ID:EETXfXiR0



靖子「……何言ってるんだ、このキチガイ」

良子「どうも、私は同居相手に欲情しているようでして」

靖子「言い直さんでいいわ!」




良子「安高コンビのお二人なら私の悩みを解決してくれると思ったのに」

靖子「お前がいま失礼な漢字で表現しているのはわかる」

良子「失礼。藤田プロと教師である久保さんなら、ズバッと解決してくれるかなーと」

貴子「本当のところは?」

良子「手近に相談できる人が丁度いなかったので」

靖子「帰るわ」

良子「これ、ここのカツ丼30食分のタダ券です」

靖子「話だけ聞いてあげる」

貴子「アッサリ買収されましたね……別にいいですけど」



108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:28:42.63 ID:EETXfXiR0



靖子「それで、なんだって? 同居人に欲情してる?」

良子「そうです。ちなみに相手は高校一年生の女の子です、いいでしょ」

靖子「こいつ救いようが無い……」



貴子「どこの高校に通ってるんですか?」

良子「風越ではないので安心してください」

貴子「そうですか。避妊ぐらいはした方がいいですよ」

靖子「おい教師」



109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:29:21.47 ID:EETXfXiR0



貴子「冗談はさておき、できれば事情を説明していただきたいんですが……」

靖子「突然許婚だって相手を親に紹介されて、いま二人だけで同居してるらしい」

貴子「しかも相手は高校一年生の女の子ですか……犯罪の匂いがしますね」

良子「可愛いですよ」



靖子「この間、お前に話を聞いた時は突然許婚ができましたーちょっと憂鬱ですーとか言ってたじゃないか」

良子「いや、一緒に暮らしてみたら不思議としっくりきまして」

良子「前世の縁的な何かがあったんですかね」

貴子「……いい病院紹介しますよ」



110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:30:07.82 ID:EETXfXiR0



良子「まあ、欲情以外にも問題がありまして」

靖子「それ以上があるのか……」

良子「どうも私は、その子を便利な道具としてしか見ていないのではないかなぁ……と思い始めまして」


貴子「例えば?」

良子「料理がすごく美味しいんですよ」

良子「あと、放っといても勝手に御飯が出てきて便利だなー……とか考えてしまったり」

良子「料理以外にも家事全般は出来ちゃうので」

良子「……実質的に、タダで家政婦さんを雇っているようなものなんです」

良子「それを都合が良い、と感じてしまうときがあったり」



111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:30:51.70 ID:EETXfXiR0



良子「あとは、さっき言ったように欲情したり」

靖子「従姉妹とか妹に対しても同じような感想を抱いてなかった?」

良子「はあ? 血縁者に欲情したりしませんよ」

良子「あれは可愛がっているだけです」

靖子「傍からみたらそうは見えない可愛がりっぷりなのよ」



貴子「……もう手を出したんですか?」

良子「……寝間着を脱がしたぐらいですかね、無意識に」

貴子「……避妊はしましょう」

良子「いえ、大丈夫ですよ、女同士ですから普通に接してる分には」

靖子「iPS細胞で子供作れるけどな……」



112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:31:43.48 ID:EETXfXiR0



靖子「……6食分のタダ券は貰ったし、その分はアドバイスしてあげるけど」

良子「30食分です」

靖子「普通ならね」




靖子「家事についてはまあ、仮に結婚するなら現実的な目線で見ているだけじゃない?」

靖子「普通、それぐらいは品定めするでしょ」

良子「そういうもんでしょうか……」

靖子「全員がそう、とは言わないけどね。ある程度、打算的な考えはする筈よ」



113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:32:15.54 ID:EETXfXiR0



靖子「問題はもう一個の方」

良子「性欲の捌け口にしそうな方ですね」

靖子「つまり、性的に魅力を感じてるってことでしょ」


靖子「それって、そういう相手として意識してるってことじゃない?」

良子「え?」

靖子「もう好きになってるんじゃない? ってこと」

良子「は?」



114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:32:47.42 ID:EETXfXiR0



良子「出会って一ヶ月とそこらですよ?」

靖子「不思議としっくりくる相手なんでしょ?」

良子「いや……まさか……えー、私ちょろすぎでしょう?」

靖子「そんなこと私は知らん」



良子「その、ええ……言われてみれば確かにそうかもしれませんけど」

良子「相手、高校生ですよ?」

貴子「手を出しさえしなければいいんじゃないですか?」

貴子「相手は戒能プロのことをどう思われてるんです?」

良子「……どう、なんでしょう」



115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:33:26.44 ID:EETXfXiR0



良子「多分、好いてくれてるんだと思います……多分」

貴子「ならいいじゃないですか」

良子「うーん……」




靖子「好きってしっくり来ない?」

良子「……来ませんね」


良子(好き……好き、か)

良子(……よくわからないなぁ)



116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:34:02.06 ID:EETXfXiR0






■マンション リビング

良子「…………」

咲「……あの、戒能さん?」

良子「ん?」


咲「……なんで、さっきからじっと私のこと見つめてるんですか?」

良子「気にしないで」

咲「え、でも……」

良子「大丈夫、気にしないで」

咲「は、はい……?」



117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:34:56.57 ID:EETXfXiR0



良子(私が咲ちゃんのことを好きだ、と仮定して)

良子(私は咲ちゃんのどこを好きになったのか)


良子(1.美味しい御飯をくれるところ)

良子(私は犬か)

良子(2.料理に限らず家事全般してくれるところ)

良子(……正直、非常に助かってます)

良子(3.かわいい)

良子(かわいい)

良子(……の三つかな、思いつく範囲では)

良子(そして好意的に咲ちゃんを見るようになり、欲情している、と)



118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:35:45.64 ID:EETXfXiR0



良子(藤田プロの言うこと、一理あるかもしれない)

良子(欲情している、イコール相手のことが好きということ)


良子(これまでの咲ちゃんの言動や反応を鑑みると)

良子(おそらく……咲ちゃんも私に好意を抱いているはず)

良子「…………」

良子「……咲ちゃん、ちょっと」

咲「? はい、どうかしまし、ひゃっ!」


良子(お互いに好意抱いているなら)

咲「……戒能、さん?」

良子「…………」



119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:36:18.16 ID:EETXfXiR0






良子(押し倒して――なにしてもいいよね)







120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:36:58.51 ID:EETXfXiR0























■長野 とある喫茶店

??「――で、勘違いした戒能さんは同居人さんを襲ってしまった、と」

??「しかも、抵抗した同居人さんの肘が当たって唇切った、と」

良子「うん」

??「可哀想ですねー、同居人さんが」



121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:38:01.54 ID:EETXfXiR0



良子「いや、ついムラッときてね」

??「バカじゃないんですかー?」
                  ゼンラー
良子「結構辛辣だね……同じ全裸erとして共感してもらえると思ったのに」

初美「私はそんなおぞましいものじゃないですよー!」

初美「というか、慰めてほしいんですかー?」

良子「いや、別に……100%私が悪いからね」

良子「バカさ加減を笑ってもらおうかと」



初美「顔、傷つけられたのに?」

良子「唇切っただけだよ、直ぐ治る」

良子「むしろ……肘が当たったあとの咲ちゃんの方が、顔真っ青にしてたぐらいで」



122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:38:44.23 ID:EETXfXiR0



良子「……ほんと、私ってバカだなぁ」

良子「咲ちゃんが、私のこと好きだとは限らないのに」



初美「押し倒して拒否された、イコール嫌いとは限りませんよー」

良子「そうかな」

初美「そうですよ」

初美「……というか話聞く限り、戒能さんの行動が極端過ぎるんですよ」

良子「極端?」



123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:39:29.97 ID:EETXfXiR0



初美「普通はですね、もっと相手に対する感情は段階を踏むものですよー」

初美「大好きだー! セックスしようぜ! とはフツーなりません」

初美「心のなかではセックスしたい、とか考えても自制しますよ、普通」

良子(他のお客さんもいるのに、セックスセックス口走る幼女……)



初美「まあ、戒能さんがお猿さんなのは置いといて」

初美「きっと、咲ちゃんは戒能さんと違う段階を踏んでるんですよ」

良子「と、言うと?」

初美「さっきも言った通り、普通は好きだー即セックスなんてならないんですよ普通は」

初美「おそらく、咲ちゃんは戒能さんのことを好きだと思います」



124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:40:29.24 ID:EETXfXiR0



初美「ただ、彼女は戒能さんほど極端じゃない」

初美「好きでもラブじゃなくてライクって感じなんじゃないでしょうか」

初美「別にセックスしたいほど好きじゃない、けど嫌いではない」

良子「ふむ」



初美「私から見ると、戒能さんが他人に抱く感情は四つしかないんですよ」

初美「興味無い、嫌い、好き、大好き、の四つですねー」

初美「話を聞く限り、同居人――咲ちゃんには興味無い、というのが最初の感情でした」

初美「ただそれが本人の自覚が無いまま、好きという感情に変移していきます」

初美「それで昨日、好きって自覚が芽生えて大好きという感情までたどり着きました」

初美「結果、ムラッときて辛坊たまらん! となって咲ちゃんを襲ってしまった、と」



125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:41:17.65 ID:EETXfXiR0



初美「彼女と戒能さんの認識の差が、今回のことに繋がったんじゃないでしょうか」

良子「うーん……」



良子「正直、恋愛事はよくわからないなぁ」

初美「……恋愛初心者って自覚もって、もっと自制しましょう」

初美「具体的には同居人を襲わないとか」

良子「肝に銘じておきます」



126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:41:44.71 ID:EETXfXiR0



良子「……ただ、もう取り返しは付きそうにないけど」

初美「もう別居中とか?」

良子「いや、いまは学校に行ってて帰ってくるとは思う」

良子「ただ、かなりギクシャクしてるんだよね……特に咲ちゃんが」

初美「まあ、そうなりますよねー」

良子「あの後、冗談だよって誤魔化しはしたんだけどね」

良子「……誤魔化せるわけないけど」



良子「そういえば、何で初美ちゃんは長野来てフラフラしてたの?」

初美「お仕事ですよ。巫女としてのお仕事」

初美「出張妖怪退治のようなものです」

良子「妖怪ねぇ……」

初美「あ、その目は疑ってますねー?」



127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:42:33.66 ID:EETXfXiR0



初美「自分もオカルト雀士のくせに」

良子「それはそれ、これはこれ」

良子「本当に妖怪なんてものがいるの?」

初美「基本的に明確な形を持つ前に処理しちゃうので、滅多にいませんけどねー」

初美「ただ、不思議な力を持った人はわりといますよ」

初美「瀕死の身体を治したりとか、記憶を操作したりとか」

良子「ふーん」



初美「戒能さんは戒能さんのお母様と一緒で、その辺に適正ありますからね」

初美「いまは麻雀方面に能力が発達しているだけ」

初美「ちゃんと修行すれば色々出来ますよー、とさりげなくスカウトしておきましょう」

良子「一応、プロ雀士やってるからなー」

初美「まあ副業程度でもやってくれると助かりますよー、どちらかというと人手不足なので」

良子「うーん……考えとく」



128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:43:17.97 ID:EETXfXiR0



良子「……ところで、ハルは元気?」

初美「いつも通りですよー」

良子「ならいいや……最近、ハルに着信拒否されててね」

初美「また何かしたんですかー」

良子「巫女服で胸をはだけさせた写真を送ってください、ってメールした」

初美「うわぁ……この人……うわぁ」



良子「もう初美ちゃんでいいや」パシャッ

初美「うわっ、この人撮りやがりましたよー」

良子「目線ください」

初美「仕方ないですねー」



129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:44:07.23 ID:EETXfXiR0



初美「それで、戒能さんはどうするんですか?」

良子「……許婚の約束を解消かな」

初美「それでいいんですかー?」

良子「…………」



初美「戒能さんは悪いことをした」

初美「なら、やらないといけないことがありますよね」



130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:44:38.14 ID:EETXfXiR0



■マンション リビング

咲「た、ただいま帰りました」

良子「おかえり」

良子「咲ちゃん、ちょっと話が」

咲「は、はいっ!」


咲「ああぁのっ、お顔の方は」

良子「大丈夫だよ。ありがとう」

咲「でもっ……」

良子「私の顔のことより大事な話なんだ」



424 :>>131修正 ひどい間違えだ…… 2013/03/08(金) 23:06:22.73 ID:CCfiPepu0



良子「昨日の事、冗談だって言ってけど」

良子「ごめん、本気で咲ちゃんを襲おうとしてた」

咲「…………」

良子「本当にごめんなさい」



良子「謝っても許してくれないと思うけど」

良子「……できれば、汚名返上のチャンスをください」

咲「え?」



132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:46:01.35 ID:EETXfXiR0



咲「あ、その、私は全然気にしてませんから!」

良子「ほんと?」

咲「はい」

良子「……良かった」ペタン

咲「か、戒能さん?」



良子(うわ……嫌な汗かいてる)

咲「大丈夫ですか?」

良子「いや、ごめん……ちょっと腰が抜けて」



133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:46:46.68 ID:EETXfXiR0



咲「お水持ってきます!」

良子「ありがと……」




良子(……格好悪いとこ見せちゃった)

良子(まだ心臓の音うるさいし)

良子(でも、これだけ動揺するってことは、やっぱり咲ちゃんのこと好きなのかな)

良子(……もう、こういう思いはしたくないなぁ)



134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:47:26.52 ID:EETXfXiR0



咲「どうぞ」

良子「ありがと」

咲「…………」


咲「……あ、あの」

咲「私も、大事な話があるんです」

良子「うん? なにかな」

咲「昨日の続き、したいです」

良子「は?」



135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:48:15.59 ID:EETXfXiR0



咲「戒能さんの顔に傷つけておいて、厚かましい話だとは思います!」

咲「で、でも……私だって、戒能さんと特別な関係になりたいんです……」

良子(あれ? なんか初美ちゃんの話と違うような)


咲「昨日は、怖くて暴れちゃいましたけど」

咲「きょ、今日は大丈夫ですから……!」

良子「さ、咲ちゃん? 落ち着いて」

咲「落ち着いてますっ」



136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:49:06.10 ID:EETXfXiR0



咲「愛人とか、身体だけでもいいですから!」

良子「……咲ちゃんは、そんな関係でいいの?」

咲「……いやです」

良子「私も嫌かな」




良子「どうも私は咲ちゃんのことが好きみたい」

咲「わたしも、戒能さんのことが好きです」

良子「そっか」

良子「でも、私は咲ちゃんが思っているほど良いやつじゃない」

良子「これからもっと幻滅するだろうし、後悔もするかもしれないよ?」



137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:49:44.41 ID:EETXfXiR0



咲「それなら、その時になって考えます」

咲「いまは、戒能さんがいいです」

良子「じゃあ、嫌われないように努力するね」




良子「……咲ちゃん、すごい震えてる」

咲「ふるえてないです……っ」

良子「そっか、ならそういうことにしてあげる」



138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:50:31.33 ID:EETXfXiR0



良子「可愛いよ、サキ」

咲「かわいくないです……っ」

良子「そんな泣かなくてもいいのに」




良子「今日は泣こうがやめようが、絶対やめないからね」

良子「サキの方から誘惑してきたんだから」

良子「でも、私もあんまり痛いのは嫌だから……」ギュッ

咲「あっ……」

良子「縛るね」



139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:51:06.32 ID:EETXfXiR0

















■雀荘 roof-top

良子「――ということがありまして」

靖子「やめてよ、そんな犯罪談聞かせるの」

良子「同意の上だからいいんですよ」


良子「もっとも、ちょっと泣かせたり軽く抵抗されたりはしましたが」

靖子「やめて」



140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:51:49.83 ID:EETXfXiR0



まこ「ありゃ、プロ二人が雀荘で麻雀も打たずに雑談ですか?」

靖子「私は休憩中」

良子「私は冷やかし」

まこ「せめてなんか頼んでください……」

良子「じゃあアイスコーヒー」

まこ「はい。アイコ一つー」


まこ「で、何の話されとったんですか。猥談とか?」

良子「猥談……」



141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:52:35.10 ID:EETXfXiR0


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
良子「綺麗な身体してるね、傷ひとつない」

良子「でも……んっ……ほら、痕つけといてあげるね」

良子「大丈夫、ギリギリ制服でも隠れるとこだから」




良子「そっかー、ここが気持ちいいんだ」

良子「ん? 泣くほど気持ちいいの?」

良子「泣いてちゃどうしてほしいかわからないよ?」

良子「さっき教えてあげたよね? おねだりの仕方」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:53:04.28 ID:EETXfXiR0



良子「……うん」

良子「健全な話をしていただけだよ」

靖子「嘘つけえええええ!」


良子「まあ冗談はさておき、藤田プロから呼び出されてね」

靖子「会いたくも無かったけどな……どういうつもりか聞いておこうと思って」

まこ「はあ、何かあったんですか」

靖子「こいつがインハイ地区予選の解説の仕事蹴った」

靖子「で、私にお鉢が回ってきたからどういうことか聞きたかったのよ」

良子「電話で聞けば良かったのでは」

靖子「いま後悔してる……犯罪チックな惚気話を聞かされるとは思わなかったから」



143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:53:52.69 ID:EETXfXiR0



良子「断った理由は単純明快ですよ」

良子「サキが出てくるから、サキ贔屓の解説になっちゃダメだと思いまして」

靖子「……勝ち上がれるかしら?」

良子「きっと優勝しますよ」

良子「一度も打ったことないので、なんとなくそう思ってるだけですけどね」

靖子「私はさっき打ったわよ」

良子「ウソ」

靖子「ホント」


まこ「サキ……? あ、宮永咲のことですか?」

良子「うん、そうだけど?」

まこ「麻雀部の後輩なんですよ」

良子「あ、そうなんだ。世間は狭いね」



144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:54:23.67 ID:EETXfXiR0



靖子「清澄の麻雀部の部長に頼まれてね……ちょっと揉んでやってくれと」

良子「…………」

靖子「……そこのことじゃない。手をわきわきさせない」


良子「どんな感じでした?」

靖子「強さは、まあそこそこ」

靖子「ただ――あれじゃ天江衣には勝てない」

良子「勝てますよ」

靖子「根拠は?」

良子「ありません。でも、その方が私は嬉しい」



145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:55:05.16 ID:EETXfXiR0



まこ「まあ……清澄高校麻雀部の部員の目から見ても、勝つのは厳しーかと」

まこ「少なくとも、いまのところは」

靖子「なんかやるの?」

まこ「うちの部長の予定じゃあ、明日から部で合宿する予定なんですよ」

良子「……ちょっと詳しい話を聞かせてくれるかな」



146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:55:36.59 ID:EETXfXiR0







■清澄高校 合宿所

和(今日から麻雀部で合宿です)

和(この合宿で誰よりも強くなり、全国の舞台に立つ)

和(……のも重要ですが、この合宿は宮永さんとの初めての外泊)

和(この合宿で誰よりも親しくなり、宮永さんの隣に立つ)

和(という目的があったのですが――)



良子「来ちゃった」

和(――この女です)



147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:56:15.28 ID:EETXfXiR0



和(部長からは宮永さんの知人で、臨時コーチを引き受けてくれたと聞いたのですが)

良子「月齢的に県大会団体戦決勝はマズいね」

良子「日取り変えるとか無理だから――」

咲「…………」

良子「サキ? 聞いてる?」

咲「ふぇっ!? ご、ごめんなさい……聞いてなかったです」

和「…………」

和(この女が来てから、宮永さんが完全に女の顔になっているのです)

和(それを見て理解しました)



良子「もう、大事な話してるんだからね」

良子「原村さんを見習いなさい。さっきから睨むようにこっちを見てるよ」ニコニコ

和(この女は――私の敵です)



148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:56:45.92 ID:EETXfXiR0



和「戒能プロはいつまでいらっしゃるんですか」

良子「居れる限りは。仕事もあるからね」

和「そうですか。無理せず、直ぐに帰っていただいても大丈夫ですよ」

良子「別に無理はしてないよ。サキと一緒にいると息抜きになるしね」

和「気が散るのでやめてください」

良子「そう? じゃあ少しは自重しようかな」


良子「あ、そうだ。後で散歩に行こうね? サキもたまには運動しないと」

和「宮永さんはあとで私と一緒に温泉に入るんです。友人の付き合いも大事ですよ」

良子「そういうの気にせず、サキと遊んでてもいいってヒサに聞いたんだけどなー」

和「……部長」

久「私!? え、えっと……そうね、本人達で協議してもらえない……かしら?」



149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:57:34.02 ID:EETXfXiR0



良子「じゃあ、原村さんが私に一度勝つごとに一日サキを独占していいよ」

和「打ちましょう、いま直ぐ」

咲「えっ、わ、私の意志は……?」

良子「大丈夫大丈夫――どうせ私が勝つから」

和「優希! 染谷先輩! 早く卓についてください!」

まこ「うちらか……」

優希「のどちゃんこわいじぇ……」



良子「じゃあまずは片岡さん向けの打ち方するね。ひとまず、龍門渕の先鋒対策かな」

和「何でもいいですよ。誰が相手であろうと私が勝ちますから」

咲「ぶ、部長……」

久「わあ、緑豊かできれいな景色」

咲「現実逃避しないでくださいっ」



150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:58:01.72 ID:EETXfXiR0













咲「戻りましたー」

優希「おかえりだじぇー」

良子「ほんとこの合宿所設備いいね。露天風呂まであるとか」


良子「いやー、ごめんね原村さん。お風呂までサキを独占しちゃって」

良子「でもまあチャンスがあったのに、それを活かせなかったから仕方ないというか」

和「ベツニキニシテマセンヨ」



151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:58:40.34 ID:EETXfXiR0



良子「サキ、明日は早起きして朝風呂に行こっか? きっと気持ちいいよ」

良子「でも、声とか出しちゃダメだからね」

咲「よ、良子さん!」

和「…………」メラメラ

優希「ひっ……のどちゃん、嫉妬でメラメラバーニングだじぇ」

京太郎(そっとしておこう)



152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:59:15.71 ID:EETXfXiR0



良子「そうと決まれば今日はもう寝よっか」

良子「ではグッナイ皆さん、また明日」

和「……って、何で宮永さんを連れてどこか行こうとするんですか!」

良子「私とサキは別室で寝るから」

和「部長ーー!!」


久「い、いやぁ……その、そういう条件で来てもらったから」

和「宮永さん! それでいいんですか!?」

咲「ふぇ……ぁ、うん……いいんじゃない、かな……?」

和「お尻揉まれながら恍惚とした表情をしないでください!」

良子「とにかくこれからサキと私はお楽しみタイムなの。言わせんな恥ずかしい」

良子「というわけでグッバイ」

和「宮永さん!? 宮永さーーーん!」



153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 22:59:42.90 ID:EETXfXiR0










良子「ようやく二人きりになれたね」

咲「良子さん、今日はいつもよりテンション高かった気がします……」

良子「まあね」

良子(これぐらい見せつけておかないと、サキ取られそうで怖いし)



154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:00:10.45 ID:EETXfXiR0



良子「さて……二人きりになった以上、やることはわかってるよね」

良子「心の準備はできてる?」

咲「は、はい……」


咲「あ、あの、一応、皆が隣の部屋にいるので」

良子「そうだね。あんまりうるさくしないようにしておこう」

良子「では」

咲「」ビクッ

良子「恋バナをしましょう」



155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:00:50.61 ID:EETXfXiR0



咲「……はい?」

良子「いや、誰々が好きとかそういう話をしよっかな、と」

咲「え、あれ?」

咲「……浴衣、脱いだりしなくてもいいんですか?」

良子「…………」

咲「あ、う……良子さんが脱がせたいなら、どうぞ」

良子「やった。じゃあ、少しずつ脱がしていくね」シュルシュル



156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:01:25.61 ID:EETXfXiR0



良子「それで恋バナ……まあサキのことについて話すんだけどね」

咲「は、はぃ」


良子「私はサキが好き」

良子「何でサキが好きかわかる?」

咲「わ、わかりません」

良子「実は私もよくわかってない」

良子「多分……料理がおいしいとか、家事が完璧だとか、一緒に暮らしてた影響もあるんだと思う」

良子「あとは、こうやって」

咲「ひゃぁっ」

良子「舐めてみて、サキの反応を見るのも好きかな」



157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:01:52.07 ID:EETXfXiR0



良子「どうも外面だけでサキが好きみたいで、自分でも嫌なやつと思ってるんだけど」

良子「やっぱり、私って不純かな?」

咲「…………」

良子「ゴメン……泣かせるつもりは無かったんだけど」



良子「本当に好きだから、これでサキに嫌われたとしても一緒にいたい」

咲「きらいになんて、なってないです」

咲「私も……同じようなものですから」



158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:02:22.83 ID:EETXfXiR0



咲「喫茶店で会ったとき、初めましてって言いましたよね」

咲「本当は初めまして、じゃないんです」

良子「……重ねてゴメン。どこかで会ってたっけ」

咲「いえ、その、私が一方的に覚えていただけなので」




咲「……私が許婚の話を聞いたのは去年のことでした」

咲「親にその話を聞いたとき、正直すごく嫌だったんです」

咲「どうやれば断れるかな、ってことばかり考えていました」



159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:02:58.91 ID:EETXfXiR0



咲「……でも、相手のことをよくも知らないのに断るのが申し訳なくなって」

咲「女性ってことと名前だけは聞いていたので、とりあえず調べてみようと思ったんです」

咲「新人のプロ雀士ってことを聞いて……良子さんに関するニュースとか記事を追いました」

咲「そうしてるうちに良子さんのことが気になって」

咲「一度だけ良子さんに会いに、試合を観に行ったことがあるんです」



咲「対局後、顔を隠してこっそり良子さんに会いに行ってサインを……」

良子「……あ! あれってもしかしてサキだったの!?」

良子「やたら厚着で、サングラスにマスクつけて最後には警備の人に連れて行かれた子がいたんだけど」

咲「うぅ……そうです」



160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:03:27.50 ID:EETXfXiR0



咲「私見て、ちょっと困った顔してたのに、直ぐにサイン描いてくれましたよね」

咲「おかげで外に出される前に貰えました」

咲「……ありがとうございます」



良子「……何で黙ってたの?」

咲「その頃、良子さんはまだ許婚の話を聞いていないって聞いていたので」

咲「……本当はこの話、したくなかったんですけど」

咲「私が、ただのミーハーなファンとして好きみたいで」

咲「いや、でも……うん、実際のところ」

咲「ただの、ミーハーなファンですよね……あはは……」



161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:03:54.92 ID:EETXfXiR0



良子「……私のこと嫌い?」

咲「そ、そんなことないです!」

良子「そっか」



良子「サキが私を好きでいてくれるなら、形はどうでもいいんだ」

良子「傍にいてくれるなら、これからもっと好きになってもらうチャンスもあるしね」

咲「良子さ、んっ……」

良子「…………」

良子「……こうやって、キスするのも好き」



162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:04:20.24 ID:EETXfXiR0



良子「サキは私のこと好きでいてくれてるんだね」

良子「ちょっとにやけちゃう……嬉しいよ」



咲「私で、いいんですか?」

良子「むしろダメと言われるのが困る」

良子「もうサキの虜になっちゃったから」

良子「まだまだお互いの内面に対する理解は浅いから、どんどん仲良くなっていこうね」

咲「……はいっ」

良子「じゃー、相互理解を深めていこう」

良子「声はガマンしようね?」



163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:05:00.99 ID:EETXfXiR0
















良子「あー、朝風呂もいいね……あとでもう一回」

和「おはようございます」

良子「おは、うわっ」

咲「は、原村さん!?」

咲「何で布団でまかれて縛られてるの……?」


和(隣の部屋に乱入しようとして、部長達に縛られたとは言えませんね)



164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:05:29.75 ID:EETXfXiR0



和「こうやって寝ると落ち着くんです」

咲「そ、そう……」ドンビキ



和「……戒能プロは昨日の夜、宮永さんに何をしていたんですか」

和「何やら甘い声が聞こえてきたのですが」

良子「あれ? あれはサキのあえ」

咲「わー! わー! わー!」

良子「じゃなかった、盲牌の練習をしていたんだよ」

和「盲牌の練習」

良子「うん。肌の感覚を鋭敏にすることに盲牌しやすくなるんだ」

和「詳しく」



165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:06:00.48 ID:EETXfXiR0



良子「まず感覚を鋭敏にするためにサキの肌に指を這わせ、その結果あえ」

咲「うわーーー!!!」

良子「おっと、サキの熱烈な抱擁が……」

和「宮永さん! そんな悪い大人と一緒にいてはいけません!」

和「早く私のところに戻ってきてください!」

咲「原村さんのところに……?」



戒能良子  装備:今日は普通の浴衣だ!

原村和    装備:今日はなぜか巻き寿司だ!



166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:06:29.96 ID:EETXfXiR0



咲「…………」ススス...

和「なぜ!? なぜその人の後ろに隠れるんですか!?」

良子「むしろ、なぜその格好に近づくと思ったのか」



良子「サキ、どうも原村さんはこういうのが趣味みたいだから、そっとしておこう」

咲「そ、そうですね」

良子「朝ご飯食べて、軽く散歩でも行こっか」

和「部長! 早くこの縄を解いてください!」

良子「あと、またやろうね――目隠しプレイ」ボソッ

和「部長ーーーーー!!!」



167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:07:03.04 ID:EETXfXiR0









■長野県 インターハイ団体戦会場

実況「県予選決勝、大将戦後半!」

実況「この東南戦が最終決戦となります!」

実況「現在一位は龍門渕高校、天江衣選手」


実況「大将戦開始時、一位は清澄高校でしたが天江選手が抜き去り、龍門渕がトップに踊り出ました」

実況「果たしてこのまま勝負が決まってしまうのか――」



168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:07:30.12 ID:EETXfXiR0





■長野県 インターハイ団体戦会場 対局室

咲「ん……」

咲(なんだか、まだ調子が出ないかな?)


咲(合宿の最終日……良子さんと打ったときが一番調子良かった気がする)

咲(思い出せ私――)




咲(――合宿の最終日、どんな感じだったのか)



169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:07:56.90 ID:EETXfXiR0


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
良子「…………」

良子「サキが悪いんだからね?」




良子「軽く抵抗するし、声もガマンしてくれないんだから」

良子「縛って、口枷するしかないよね」

良子「ふふ……目隠しもして、私の好きにし放題だね?」



良子「あは、もうこんな感じてるんだ」

良子「サキってやらしー」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:08:22.80 ID:EETXfXiR0



咲「」ブパッ

池田・ゆみ・衣「「「!?」」」


池田「ちょ――清澄!? なんで急に鼻血吹き出してるんだし!」

咲「あ、あ……すみません、思い出し鼻血を」

ゆみ「思い出し鼻血!?」

衣「お前……死ぬのか……?」カタカタ

咲「多分大丈夫だよ」




咲「あ、良かった制服にかかっただけで」

咲「じゃ、続けましょうか」ニッコリ

衣(なんだこいつは――!)



171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:08:52.33 ID:EETXfXiR0




咲(いけないいけない、制服が血まみれに)

咲(うーん……これは、完全には落ちないかな?)



咲(そういえば、家のシーツも――)




172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:09:24.25 ID:EETXfXiR0


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
良子「縛るのイヤ? じゃあリボン結びにしてあげる」

良子「かわいいよ、サキ」




良子「ちょっと痛いかもしれないけど、ガマンしてね」

良子「サキにもあとでやらせてあげ――」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:09:58.50 ID:EETXfXiR0



咲「」ブパッ

池田・ゆみ・衣「「「!?」」」


ゆみ「また思い出し鼻血か!?」

咲「すみませんすみません! 処分したシーツのこと思い出したらつい」

池田「シーツ!?」

衣(なんなんだこいつは――!)



174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:10:58.55 ID:EETXfXiR0



衣(なぜそんな血を出しながら楽しそうに打っていられる!?)

咲「――麻雀って楽しいよね?」チマミレ

衣「ひっ……そ、そうだな……」ポロッ

咲「カン」

衣「あっ」



咲「カン――もいっこカン」

咲「ツモ」

咲「清一、対々、三暗刻、三槓子、赤1」

咲「嶺上開花……32000です」



175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:11:43.59 ID:EETXfXiR0




咲「麻雀って楽しいよね!」ガッツポ


衣「」




176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:12:30.14 ID:EETXfXiR0












■マンション リビング

良子「携帯を買おう」

咲「え?」

良子「サキの携帯を買おう」

咲「は、はあ……? どうしてまた」



177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:12:59.01 ID:EETXfXiR0



良子「サキ、この間の団体戦決勝で出血したでしょう」

咲「鼻血ですけどね……」

良子「すっごく心配したんだから……私も直接見に行けば良かった」

咲「良子さん、あの日は仕事入ったんだから仕方ないですよ」

良子「でも、とにかく心配だったの」



良子「……サキ、携帯持ってないから連絡取りようがないし」ムスー

咲(あ、ふててる……かわいい)

良子「私が聞きたいときにサキの声が聞けないし」

咲「ん、でも、授業中とかは出れませんよ?」

良子「高校中退して直ぐ籍入れてくれてもいい。サキは私が養うから」

咲「うーん……さすがに中退は」

良子「じゃあ、携帯買うだけでいいから」



178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:13:54.79 ID:EETXfXiR0



咲「でも、機械はちょっと苦手で……」

良子「使い方は手取り足取り教えるから」

咲「うーん……一緒に選んでもらえるなら」

良子「わかった。じゃあ、直ぐに買いにいこう」

咲「い、いまからですか」



179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:14:34.72 ID:EETXfXiR0









■携帯ショップ

良子「サキ、何かほしい機能ある?」

咲「電話だけあれば……機能とかよくわからないんで、シンプルなのがいいです」

良子「メールも使ってほしいなぁ」


良子「あと、どうせならお揃いの携帯がいいな」

咲「良子さんの携帯は多機能過ぎてちょっと……」

良子「うーん……じゃあ、これとか?」



180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:15:08.10 ID:EETXfXiR0



咲「さ、触っていいですか?」

良子「いいよいいよ、展示品だけど」

咲「爆発とかしませんか?」

良子「そんな展示品いやだよ……」



咲「えっと……こうかな?」

良子「そうそう。あれ? 機械オンチのサキにしては結構簡単に使えるっぽいね?」

咲「わ、私だって多少は使えますよ……電子レンジとか」

良子「洗濯機とか?」

咲「むー……」



181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:15:49.18 ID:EETXfXiR0



咲「携帯触るの初めてですけど……うん、自分でも意外です」

良子「昔、使ったとかじゃない?」

咲「うーん……そんなこと無かったと思うんですけど……」



良子「この調子ならカメラ機能まで使えるかな?」

良子「……色んな写真撮ってもらいたいし」

咲「いま、良子さんがどんな写真想像してるか、だいたいわかりましたよ……」

良子「わかっちゃうか」

咲「撮りませんからね」



182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:16:21.90 ID:EETXfXiR0



咲「これの白色ってありますか?」

良子「あとで店員さんに聞いてみよう」


良子「どっちにしろ、今日持ち帰りは無理だからね」

咲「え? そうなんですか?」

良子「サキ未成年。契約だから親権者の同意とか必要だから」

咲「あっ、そうですよね」

良子「一週間以内にほしいけど……」



183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:16:55.20 ID:EETXfXiR0



咲「何かありましたっけ?」

良子「あ、ごめん、まだ言って無かったよね」

良子「ちょっと東京に出張行かないといけないんだ」

良子「対局と、他の仕事でね」

良子「……サキも学校休んで来ない?」

咲「さ、さすがにダメですよ。学校サボっちゃ」

良子「いい子して待ってられる?」

咲「はい。良子さんも浮気とかしちゃダメですよ?」

良子「しないよ。いまはサキ一筋だからね」






店員(なんだあのカップル、イチャイチャしやがって)チッ

店員(別れろ別れろ別れろ別れろ別れろ別れろ……)

良子(む、何やら嫉妬されてる気配がする……まーた原村さんか)



184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:17:22.74 ID:EETXfXiR0








和(この感覚――あの女ですか!)

和(いま、大変失礼なことを考えられた気がします)ムスッ



185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:17:49.48 ID:EETXfXiR0

















■都内某所

咏「……で、嫁ちゃんの携帯買ったんだ」

良子「嫁なんてそんなー、まだ籍入れてませんし」テレッ


良子「まあ実質的に嫁ですけどね。入れあいっこはしてますけど」

健夜「そういう生々しい話はやめようよ……」

はやり「良子ちゃんがすっかり色ボケに……」

理沙「めでたい!」



186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:18:17.14 ID:EETXfXiR0



はやり「何だか良子ちゃんが怖い」

はやり「位置情報追跡サービスのアプリとか入れてそう」

良子「よくわかりましたね」

はやり・健夜((重い……))



咏「良子……あんまそんなことしてたら嫁ちゃんに嫌われるんじゃね?」

良子「え? サキも嬉々として使い方覚えてくれましたけど」

咏「あ、そう」ドンビキ

理沙「私も入れてる!」

咏「えっ」

理沙「みさきちゃんが入れてくれた!」

健夜「……本人達がそれでいいならいいんじゃないかな?」

はやり「そっとしておこう」



187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:18:57.38 ID:EETXfXiR0



良子「今度、お互いの心拍数がわかるやつを入れようかなぁと思っているんですが」

はやり「いよいよ犯罪チックになってきた」

健夜「ほんとゾッコンだね……何か特別なことでもあったの?」

良子「いや、特には」



良子「一緒に生活して、一緒にいるのが当たり前になった所為でしょうか?」

咏「そーいうもんなんだ?」

良子「自分でも不思議なんですけどね」



188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/06(水) 23:19:51.84 ID:EETXfXiR0



咏「あ、そういや良子って明後日で東京での対局終わりだよねぃ」

咏「ソッコで長野帰るの?」

良子「そうしたいのは山々ですが、他にも仕事が入ってまして」

理沙「収録?」

良子「いえ、単に東京の高校に呼ばれてるだけですよ」

良子「二日ほどコーチつけてくれと」

健夜「……その手の仕事、もうしばらくやってないなぁ」

はやり「健夜ちゃんは……ねぇ?」

咏「廃人が出る可能性が」

健夜「出ないよ!?」




健夜「ちなみにどこに呼ばれてるの?」

良子「白糸台です――白糸台高校」



195 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:49:32.84 ID:BcGzc+fk0










■白糸台高校 麻雀部部室

淡「ヨッシーと打つの面白ーい!」

尭深「あ、淡ちゃん……戒能プロをそんな呼び方しちゃダメだよ」

良子「いいよいいよ、気にしなくても」


良子「大星さんも面白いね――本気は出してくれないのかな?」

淡「んっ? ん~……ほ、本気だよ?」

良子(目が泳いでる)

白糸台監督「あー……大星さん、今日は本気出していいわよ」

淡「本当!?」

良子「あ、お久しぶりです監督さん」



196 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:50:12.77 ID:BcGzc+fk0



白糸台監督「ごめんなさいね、ちょっと後援会の人との話し合いが長引いちゃって」

良子「いえ、私も早く来すぎたので」

良子「ひとまず、一局打たせてもらってたんですが」

白糸台監督「ありがと、助かるわ」


白糸台監督「で、相手は部外者だけど戒能プロ相手なら本気出していいから」

白糸台監督「その方がいい練習になるしね」

淡「やったー!」




白糸台監督「……大星さんについて、他に口外したりはしないわよね? 戒能プロ」

良子「ええ、もちろん。仕事ですからね」

良子「ただ聞かれたりしたら『知ってるけど言えない』って回答になりますが」

白糸台監督「それで十分」



197 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:50:42.96 ID:BcGzc+fk0



良子「どういう打ち方すればいいですか? オーダーがあればどうぞ」

白糸台監督「大星さんが乗り気みたいだから、まずは大星さん用のメニューで」

白糸台監督「主に団体戦大将の子をリストアップしてるんだけど、どうかしら?」

良子「どれどれ……」ペラッ



良子「……石戸霞、擬似的には再現できます」

良子「……姉帯豊音、この子はまだちょっとわからないですね」

良子「……鶴田姫子、再現難しいですが似たような感じなら何とか」

良子「……天江衣、って今年のインハイは出てませんけど?」

白糸台監督「どんなもんか、大星さんに体験させてあげたいのよ」

良子「やれと言われればやりますけど、この子も完全には無理ですからね」



198 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:51:39.71 ID:BcGzc+fk0



良子「――宮永、咲」

白糸台監督「ダメかしら?」

良子「ダメですね」


良子「『知ってるけど言えない』子なので」

白糸台監督「あらそう……ちょっと意外ね」

白糸台監督「どんな縁で知り合ったの? 意外と清澄高校はお金かけてるのかしら」

良子「それも企業秘密ですね」

白糸台監督「これはちょっとマークを厳し目にしないとね」

良子「強いですよ――彼女達は」



199 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:52:15.89 ID:BcGzc+fk0



淡「ねー! まだ打っちゃダメなのー?」

白糸台監督「ごめんごめん、打っていいわよ」



白糸台監督「まずは戒能プロ、大星さん、渋谷さん、亦野さんで何局か打ちましょう」

白糸台監督「弘世さんと宮永さんは後でね」

菫「わかりました」

照「…………」コクン

良子「…………」



200 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:52:55.67 ID:BcGzc+fk0









■白糸台高校 校門前

淡「ヨッシー、バイバーイ!」

淡「また明日も打ってね!」ニコニコ


良子「はいはい、また明日ね」

淡「テルーもバイバーイ!」

照「ばいばい……気をつけて帰ってね」

淡「わかったー!」パタパタ



201 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:53:41.79 ID:BcGzc+fk0



良子「元気な子だね」

照「テンション上がってたみたいです。楽しくて」

照「基本的には、いい子なので……色々大目に見てもらえれば」




良子「……宮永さん」

良子「いま、二人だけだから名前に戻していいかな」

照「……はい」

良子「じゃあ、ちょっとお茶して帰らない? テル」

照「……わかりました」



202 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:54:21.01 ID:BcGzc+fk0






■東京 ケーキ屋

良子「さ、好きなもの選んでね。私の奢りだから」

照「ありがとうございます」

良子「とりあえず、私はチーズケーキセット、コーヒーで」

照「えっと……ショートケーキセット、飲み物は紅茶、以上で」

店員「かしこまりました、少々お待ちください」



良子「……遠慮せず、もっと頼んでもいいよ?」

良子「相変わらず甘いものには目が無いんでしょ?」

照「一個で十分です」

良子「一度だけ、テルとケーキバイキング行ったときに」

照「忘れてください」

良子「軽く十個は」

照「忘れてください」

良子「強情だなぁ……」



203 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:54:55.97 ID:BcGzc+fk0



良子「……しかし、テルと会うの久しぶりだね」

良子「最後に会ったのは、もう一年以上経つかな」

照「そうですね……先輩がプロになって、たまたま新幹線のホームで会って以来かと」



良子「学校はどう? 今年から最高学年になったわけだけど」

照「秋には三年生が部を引退してますから……その頃から大して変化無いです」

照「ただ、一年生の頃に比べると、感じる重圧は増しました」

照「……先輩も、同じような感じでしたか?」

良子「大生院は白糸台みたいなエリート集団ってわけじゃなかったから、それほどでも無かったかな?」



204 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:55:22.14 ID:BcGzc+fk0



良子「あ、そういえば二連覇おめでとう」

良子「もう完全に追いぬかれちゃったね、私」

照「いえ、先輩と同じ尺度で図れる問題じゃないですから」

照「それに関しては――また別の舞台で」

良子「戦々恐々として待ってるね」



店員「お待たせいたしました。ショートケーキセットとチーズケーキセットになります」

良子「あ、ここ置いといてください」

店員「はい。では、ごゆっくりどうぞ」



205 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:56:05.51 ID:BcGzc+fk0



良子「さて、ケーキを食べ」

照「先輩」

照「……本題に入りませんか?」

良子「……だいたいの事情は知ってる、ってことでいいのかな」

照「親を経由して聞きましたから……先輩と、咲が一緒に暮らしていること」

良子「そっか……じゃあ、単刀直入に言うね」


良子「サキと――妹さんと、何かあったの?」



206 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:56:47.43 ID:BcGzc+fk0



照「……一つだけ、聞かせてもらっていいですか」

良子「うん」

照「咲は……先輩と仲良くやれていますか?」

良子「それは、サキじゃないとわからないかな」

良子「でも、私は仲良くやってるつもりだよ」

良子「もうサキのいない生活が考えられないぐらいに」

照「そう、ですか」




照「……先輩には、全部話しておきます」

照「ただ、この話は咲には聞かせないでください」



207 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:57:26.76 ID:BcGzc+fk0



照「私が中学三年生の時の話です」

照「……先輩は高校生で、麻雀部で活躍されてましたよね」

良子「うん、たまに休みとか用事あったら長野に帰ってきてはいたけどね」

良子「テルとケーキバイキングに行ったのも、その頃だったかな」

照「そうですね……私もいました」

良子「テルの通っていた――私も長野で通っていた中学校に迎えに行って」

照「びっくりしました。校内をふらふらしてたから」

良子「まあ卒業生だから、先生たちも大目に見てくれたんだよね」

良子「確かヒサも誘おうとしたけどいなくて……って、ごめん、脱線しすぎだね」


照「……続けますね」



208 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:58:04.72 ID:BcGzc+fk0



照「先輩とケーキ食べに行ったよりも、後の話です」

照「その頃、私と咲は……ケンカをしていて、仲違いをしていました」

照「お互いに、口も聞かなくなって」

照「咲が、家出をして……」

良子「……テル?」

照「家の電話を……私が、偶然とって……そこで……」

良子「ちょ、ちょっと待って、具合悪そうだけど大丈夫?」




照「大丈夫、です……」

良子「でも、顔色悪いよ」

照「だいじょうぶです――これは、私がしないといけない話だから」



209 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:58:48.37 ID:BcGzc+fk0



照「……つづけますね」




照「私が電話をとって……そこでまた、咲と口論になって」

照「咲は、携帯で話しながら歩いていて」

良子(……携帯?)


照「咲と、私が、口論しているとき……に」

照「…………ぅ、ぁ」

良子「テル!?」

照「こ、交通事故に――トラックにハネられて」



210 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:59:17.62 ID:BcGzc+fk0



良子「――交通事故?」

照「トラックに……私と、話しなんかしてなければ」

照「電話越しに、ぐしゃって……!」

良子「わかった……わかったから! もういいから!」














211 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 19:59:49.09 ID:BcGzc+fk0





















良子「……落ち着いた?」

照「……はい」


照「ごめんなさい……あの時のこと思い出すと、気分が悪くなって……」

良子「謝るのはこっちの方だよ」

良子「……ごめん、つらいこと話させたね」



212 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 20:00:16.23 ID:BcGzc+fk0



良子(……実の妹が電話越しとはいえ、事故にあって死にかけた)

良子(その出来事によってトラウマを負った、ということなのかな)



良子「いまみたいな状態に……その、サキと会っていても……」

照「……なります」

照「咲には、バレないようにしているんですけど」

照「結果的に……咲とは、あの時から一言も話せてません」

良子「…………」



213 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 20:01:04.19 ID:BcGzc+fk0



照「咲は……交通事故のこと、何も言ってませんでしたよね?」

良子「うん……」

照「あの子は……事故にあった頃の記憶を失くしているそうです」

照「おそらく、事故にあった時のショックで……」

良子(……だから、携帯のこと、覚えていないんだ)

良子(身体だけがなんとなく、操作の仕方を覚えていたってことか)



照「お父さんにもお母さんにも、この事は咲に話さないように言っています」

照「事情を知ったら……咲はきっと、自分のことを責めるから」



214 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 20:01:47.58 ID:BcGzc+fk0



照「……以上が、過去にあったことです」

良子「…………」


照「……先輩は、咲のことが好きなんですよね」

良子「うん」

照「……咲のこと、よろしくお願いします」

良子「わかった……任されたよ」



215 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 20:02:23.95 ID:BcGzc+fk0



良子「だいたいの話はわかった」

良子「テルはサキにこの話をしてほしくないんだね?」

照「……はい」


照「記憶を失くしているのなら、そのままで」

照「……私のことも、忘れてくれれば良かったのに」

良子「…………」

良子「……私は」



216 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 20:02:54.19 ID:BcGzc+fk0



良子「私は、この話をサキに伝えるべきだと思う」

照「…………」

良子「テルがどういう意図でサキと話せないのか、ちゃんと伝えるべきだよ」


良子「家族なんだから……姉妹なんだから」

良子「テルがどういう想いでいるか説明すれば、サキはきっと理解してくれるよ」

良子「傷ついたりしない」

照「…………」



217 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/07(木) 20:03:27.10 ID:BcGzc+fk0



良子「テルは、いい子だね」

良子「ずっと一人でガマンしてきたんだ」

良子「……がんばったね」

照「っ!」


照「優しくしないでください……!」

良子「……テル?」

照「……私は、先輩に優しくされる資格なんて無いですから」



218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:04:06.65 ID:BcGzc+fk0



照「……すみません、今日も病院に予約入れているので」

照「失礼します」

良子「テル、待って」



良子「……わかった、私もテルの言う通りにする」

良子「でも、サキに伝えるべきって考えは変わっていないから」

良子「いま直ぐじゃなくてもいい……いつかでいいから」

良子「いつか、サキに本当のことを伝えてあげて」

照「…………」



219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:04:45.61 ID:BcGzc+fk0



良子「これ、私の名刺」

良子「これ渡しておくから……何でも電話して、相談して」

照「……ありがとうございます」



照「今日は、ありがとうございました」

照「……さよなら、先輩」

良子「またね、テル」



220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:05:13.32 ID:BcGzc+fk0








良子(……無力だな、私)

良子(互いに想いあってる姉妹の仲も取り持てないなんて)




良子(……ホントに無力だ)



221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:05:45.75 ID:BcGzc+fk0












■長野 マンション前

良子(結局、テルに話を聞いて以降、何も進展は無かった)

良子(姉妹の間に入った亀裂は、私が思っていたよりもずっと深いものだった)

良子(……サキにどんな顔して会えばいいか)


良子(白糸台に行くことはサキに伝えていなかった)

良子(だから、いつも通りに家に帰り、いつも通りにしていればいい)

良子(無用な期待を持たせて、サキをガッカリさせたくない)

良子(……それがいい筈なんだ)



222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:06:17.11 ID:BcGzc+fk0



咲「よーしこさん」ギュッ

良子「サキ……」

咲「えへ、お帰りなさい」



咲「どうしたんですか? 中に入らず黄昏れちゃって」

良子「何でもないよ……ただいま、サキ」

良子「お腹すいちゃった。今日は何かな?」

咲「今日はですね……カツ丼です!」

良子「なぜ東京に行く前にそれを作ってくれなかったのか」



223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:06:50.99 ID:BcGzc+fk0



■マンション リビング

咲「――それで、結局夕方まで衣ちゃんと打ってたんです」

良子「そうなんだ」

良子「彼女は全国屈指の打ち手だから練習になるし、何より楽しかったでしょ?」

咲「はいっ」



良子「お泊りさせてもらえるなら、今度は泊めてもらったら?」

良子「もちろん、私もサキがいないと寂しいから私が出張の時とかに」

咲「いいんですか?」

良子「うん。うちに泊まってもらってもいいね」

良子「やっぱり、サキ一人だけが家にいるのは不安だし」

咲「じゃあ、今度はそうしますね」



224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:07:28.68 ID:BcGzc+fk0



咲「良子さん」

良子「ん?」

咲「引っ付いてもいいですか?」

良子「うん、いいよ」



良子「今日はいつもよりサキが甘えてくれるね」

咲「ん……だって、しばらく会えなかったから」

良子「そうか、冷静に考えれば私はいま生サキと対面してるんだね」

咲「生牡蠣みたいな言い方はやめてください……」



225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:08:19.02 ID:BcGzc+fk0



良子「何しようか? ノーマルなのがいい?」

咲「突っ込みませんからね……」

良子「そっか、今日は一方的に責められたいんだね」

咲「突っ込みませんからね……!」




咲「……何でもいいですか?」

良子「うん、家族サービスしちゃうよ」

咲「じゃあ、デートしたいです」



226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:08:54.70 ID:BcGzc+fk0

















良子「デート……これはデートなの?」

咲「え、違いますか?」

良子「スーパー銭湯でデートとか聞いたことないよ」

咲「う……割引券があったので、つい」



227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:09:37.30 ID:BcGzc+fk0



咲「で、でも、良子さんだって楽しんでたじゃないですか。打たせ湯とか」

良子「色気が無いって話だよ」

良子「いや、あるのかな……温泉だし」


良子「まあ、たまにはこんなのもいいかな……閉館って何時だっけ?」

咲「十時ですから、まだ一時間ぐらい余裕がありますね」

良子「マッサージチェア座ってきていい? 何だか久しぶりに使いたくなって」

咲「満喫してるじゃないですか……じゃあ、私はおみやげコーナーとか見てきますね」

良子「わかった、後でねー」



228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:10:14.12 ID:BcGzc+fk0






良子(結局、サキには何も言えずじまいか)

良子(むしろ、私が暗かったから気を使わせちゃったんだろうなぁ……このデート)

良子(まったく……空元気でもいいから出さなきゃ)

良子(つらいのは私じゃなくて、サキとテルなんだから)



229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:10:42.75 ID:BcGzc+fk0




  『交通事故に――トラックにハネられて』




230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:11:30.46 ID:BcGzc+fk0



良子(……サキはトラックにハネられた)

良子(だけど、サキの身体には傷一つ――手術の跡すら無い)

良子(テルが嘘をついているとは思えないけど……念のため、ケータイで調べてみるか)



良子「…………」

良子(……無い)

良子(田舎の交通事故だし、こんなものかな?)

良子(ニュースぐらいにはなってそうだけど……あ)



231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:12:05.26 ID:BcGzc+fk0


==============================
【ひき逃げ容疑のトラック運転手逮捕】

  交差点を横断中の女性をはね、重症を負わせたまま逃走したとして、
長野県■■署は10日、自動車運転過失傷と道交法違反(ひき逃げ)
の容疑で■■市■■町のトラック運転手、■■■容疑者(43)を逮捕した。
 取り調べでは容疑を認めているという。

 ■■■容疑者は、9日午後5時ごろ、同市■■町の県道交差点で大型
トラックを運転中、交差点を横断中の女性(16)をはね、女性に重症を負
わせながらその場から逃げたとしている。
==============================


良子(多分、これかな……ブックマークに入れとこう)

良子(テルと話したとき、あの様子は演技に見えなかった)

良子(起こってしまった事件はどうしようもない)

良子(それなら、テルとサキを直接引きあわせてショック療法)

良子(なんていうのはあまりにも無責任だ)


良子(……私に何かできること、何か無いかな)



232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:12:47.18 ID:BcGzc+fk0






■車内

良子「……今日はありがとね」

咲「え?」

良子「こんな時間にデート誘ってくれたのは、私に気を使ってくれたんでしょ?」


咲「……良子さん、元気無かったから」

良子「ごめん、ちょっと考えることがあったんだ」

咲「何か、あったんですか?」

良子「ごめん……まだ言えないことなんだ」

咲「……いつか教えてくれるんですか?」

良子「うん、約束する」



233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:13:24.55 ID:BcGzc+fk0



良子「……ほんと、ごめんね」

咲「大丈夫ですよ」

咲「でも、私に言えることだったら何でも相談してください」


咲「……す、好きな人がつらそうなのは嫌ですから」

良子「サキ……顔真っ赤だよ」

咲「う、運転中は前見てください!」

良子「信号も赤だよー」



234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:13:55.95 ID:BcGzc+fk0



咲「も、もうっ! 良子さんなんて知りません……!」

良子「怒ってる顔も可愛いよ」

咲「知りません!」

良子「サキちゃんかわいい」

咲「…………」ムスー

良子「もー、機嫌直して?」



良子「お詫びに今日は外泊に連れてってあげるから」

咲「外泊?」

良子「うん、お城のようなホテルに行こう」

咲「行きません!」

良子「じゃあ普通のホテルで」

咲「行きませんからね!」



235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:14:41.99 ID:BcGzc+fk0













■長野 ホテル

ヴゥーヴゥーヴゥーヴゥー

良子「…………」

ヴゥーヴゥーヴゥーヴゥーヴゥーヴゥー

良子(なに、このローター的な音は……って、私の携帯か)



良子「……もしもし?」

?『すみません、お休み中でしたか?』

良子「ふぁ……だれ?」



236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:15:23.85 ID:BcGzc+fk0



良子「……いまなんじ」

照『午後一時です……けど、また掛け直しますね』

良子「ぅん……」

プツッ ツーツーツー...

良子「…………」



良子「……って、テルか!」

良子「あああ、リダイヤルリダイヤル……!」

良子「……も、もしもしテルー!?」



237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:15:58.70 ID:BcGzc+fk0



照『おはようございます』

良子「ごめんっ、寝ぼけてた」

照『先輩でも寝ぼけたりするんですね……』

良子「うっ……そ、それで、どうしたのテル?」

照『はい、ちょっと先輩に――』


咲「ふぁ……よしこさん……?」

照『? 誰かいらっしゃるんですか?』

良子「い、いないよー? ちょ、ちょっと待ってね掛け直す!」ピッ



238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:16:32.29 ID:BcGzc+fk0



咲「んにゃ……でんわですか?」

良子「う、うん、ちょっと電話してくるね!」パタパタ

咲「ふぁーい……」ムニャ




咲「……あ、良子さーん」

咲「服、忘れてますよー……」



239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:17:11.76 ID:BcGzc+fk0








■ホテル ロビー

良子「ごめん、何度も何度も掛け直して」

照『いえ、お構いなく』

良子「それで今日はどうしたのかな?」



240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:17:57.85 ID:BcGzc+fk0



照『……咲に事故のこと、話そうと思います』

良子「ほんと? じゃあ、私から伝え」

照『自分で伝えたいんです』

良子「え、でも……大丈夫?」

照『……直接、話すのは無理そうです』

照『電話越しでも、まだ』



照『――先輩にお願いがあります』



241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:18:36.16 ID:BcGzc+fk0



良子「ただいま」

咲「おか、ふぁ……」

咲「……おかえりなさい」

良子「サキはまだおねむかな?」

咲「ぅー……良子さんが寝かせてくれないから……」


良子「まだ寝とく?」

咲「いえ、まだ起き抜けなだけなので」

良子「じゃあチェックアウトして、お昼でも食べに行こうか」

良子(といってもそろそろ来そうだけど)



242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:19:24.64 ID:BcGzc+fk0



ブーブーブー

良子「この音……サキのローターか」

咲「いまお家じゃないんですから……って、切れちゃった」



咲「誰からの電話だろ」

良子「電話じゃなくてメールだね」

咲「メール……え?」

良子「お姉さんからかな?」

咲「え、あ、はい……文面にお姉ちゃんの名前が書かれてますから」



243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:20:27.93 ID:BcGzc+fk0



咲「何で良子さんが知ってるんですか?」

良子「東京に行ったときに会ってね」

良子「さっき電話が来て、サキのメールアドレスを教えておいたから」

咲「え、あの、どういう」

良子「とりあえず、落ち着いて読んであげて」


良子「あの子が、勇気出して送ってきたメールだから――」



244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:20:53.87 ID:BcGzc+fk0







■マンション リビング

良子(メール越しに伝えられた事実に、初めはサキも戸惑っていた)

良子(しかし、冗談ではないということがわかると、それを受け入れてくれた)

良子(姉妹の仲は無事修復されたと言っていいだろう)

良子(私が思っていたよりも、あっさりと事が進んだけれども)



良子(ただ、直接話をするのは難しいらしく、あくまでメール越しの会話だけど)

良子(それでも、いままでの二人のことを考えたら大きく前進した筈だ)

良子(……ただ、まだ問題が残っていて)



245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:21:34.64 ID:BcGzc+fk0



咲「送信、っと」

咲「……えへ」

良子「…………」


良子「……サキ、メール打つの早くなったね」

咲「んんっ……? そうですか?」

良子「私が教えはじめたころより格段に早くなった」

良子「……テルにばっかりメール出してるから」

咲「?」



246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:22:05.83 ID:BcGzc+fk0



咲「あ、もしかしてヤキモチですか?」

良子「…………」ムスッ

咲「撮影、っと」パシャッ

良子「あ、何で撮ってるの」

咲「メールに添付してお姉ちゃんに送るんです」

咲「私も待ち受けに設定しときますね」

良子「そんなメール送ってもテルが困るだけだよ」



良子「まったく……撮影料として私の傍に来なさい」

咲「はーい」ストン

良子「なでなでの刑だー」

咲「うひゃっ! く、くすぐったいですよー」

良子「ソフトタッチで触るだけなんだからガマンしなさい」



247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:22:35.01 ID:BcGzc+fk0



咲「……良子さん」

良子「んー?」

咲「ありがとうございます」

咲「おかげで、お姉ちゃんと仲直りできました」



良子「……私は何も出来なかったよ」

咲「お姉ちゃん、背中を押してくれたのは良子さんだって言ってました」

咲「私の傍にもいてくれました」

咲「だから、ありがとうございました」



248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:23:22.66 ID:BcGzc+fk0



良子「…………」

咲「……照れてます?」

良子「照れてない」

咲「照れてますよね」

良子「照れてませーん」



良子「もうっ、なでなでに加えて匂いまで嗅いであげるんだから」

咲「いいですよ、私は得しかしませんから」



249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:24:02.07 ID:BcGzc+fk0



良子「……ねえ、サキ」

咲「はい?」

良子「テルから話を聞いて、昔の記憶は戻った?」

良子「事故当時の」

咲「うーん……?」



咲「思い出してない、と思います」

咲「そうだったのかな? ってぐらいで」

良子「そっか。まあ、思い出さない方がいいのかも」

良子「トラックにハネられたぐらいだから、すごく痛い思い出かもしれないし」

咲「お、思い出した時に怖くなること言わないでくださいっ」



250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:24:42.64 ID:BcGzc+fk0



良子「……あー、暑い」

咲「夏ですからね……離れましょうか?」

良子「エアコン効かせれば大丈夫だよ」



良子「もうすぐ、インハイだね」

咲「……そうですね」

良子「私も東京に行くけど、殆ど仕事で見に行けないかも……」

咲「大丈夫です」

咲「私は大丈夫ですから」

良子「うん……」



251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:25:08.61 ID:BcGzc+fk0



良子「…………」


良子(――そう、まだ問題は残っている)

良子(一度、三人で話し合っておいた方がいいか)



252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:25:46.40 ID:BcGzc+fk0














■東京 ホテル

久「白糸台もホテルとってるのねー」

淡「レギュラーだけだけどね」

淡「他は皆お家から会場入りするんだって」



253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:26:43.70 ID:BcGzc+fk0



淡「お姉さんはどこから来たの?」

久「長野よ。長野の清澄高校」

久「大星さんの白糸台とは逆ブロックね」


良子「今日の抽選会、見てない?」

淡「んー、見てない」

久「見てないんだ……」



254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:27:30.67 ID:BcGzc+fk0



淡「どうせ一回戦で4分の1になるから意味ないもん」

淡「キヨスミは強いの? 勝てるの?」

良子「強いよ。きっと大星さんをワクワクさせてくれると思う」

淡「ホント!?」



淡「あ、思い出した。キヨスミってテルーの妹がいる学校だ」

淡「テルーの妹なら決勝まで上がって来れるよね」

久「さあ……どうかしら?」



255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:28:13.58 ID:BcGzc+fk0



照「すみません、お待たせしました」

淡「あ、テルー」

良子「いや、そんなに待ってないよ」

良子「二人ともごめんね。インハイで忙しいのに」

久「いえ、ウチの方は暇ですから」



照「私が外に出れたら、別のところで待ち合わせできたんだけど……」

久「白糸台は名門校だし、仕方ないわよ」

照「ごめんね。一応、学校行事として出てきているから」

良子「……さっき千里山の制服着た子がうろついてたけど」

久「じ、自由時間だったんですよきっと」

照(いいなぁ……)



256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:29:10.40 ID:BcGzc+fk0



照「淡、ここにいたんだ」

淡「うん。ヨッシーと長野の人とお話してたー」

照「ちょっと三人でお話しないといけないから、席外してもらっていい?」

淡「私も構ってー」

照「ごめん……大事な話なんだ」

淡「むぅ……わかった」



淡「じゃ、ヨッシーと長野の人バイバーイ」パタパタ

久「またね」フリフリ

良子「前見ないと転ぶよー」



257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:29:52.89 ID:BcGzc+fk0






良子「……ヒサにも粗方の事情は話しておいたから」

照「ありがとうございます」

久「咲と宮永さん、姉妹だったのね」

久「中学校違ったから、何となく苗字が同じだけかと思ってたわ」

照「うん。咲は家に近い方に通ってたから」



久「それで……咲のインハイをどうするか、ですよね」

良子「個人戦とか、組み合わせ次第ではテルと対局するかもしれないからね」

良子「……直接、顔を合わせることになる」



258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:30:54.85 ID:BcGzc+fk0



久「まず私から、清澄の事情から話させてね」

久「といってもそれほど困った事情は無いけど」


久「まず団体戦。……これはちょっと棄権は難しいわ」

久「長野の代表としてお金出してもらって東京まで送り出してもらってるし」

照「団体戦は大丈夫……直接顔合わすことはないだろうから」

照「そもそも、白糸台が決勝まで行けるかどうかわからない」

久「いやいや……その点に関しては清澄の方がよっぽど危ういから」

照「でも、咲がいる」

照「咲が一番強かった時と同じぐらいの力を出せれば、簡単に決勝まで行ける」



259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:31:45.96 ID:BcGzc+fk0



久「……いま以上があるの?」

照「ある。……というか、あった」


照「数合わせに入ってもらった一人から点をどれだけ取れるかという勝負になったんだけど」

照「咲が圧勝した」

照「私も含め、他家をまったく寄せ付けずに……」



260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:32:29.25 ID:BcGzc+fk0



久「いつ頃の話?」

照「……例の事故があった日」

久「あっ……ごめんなさい」

照「気にしないで」



照「多分、咲自身も覚えてないと思う」

良子「当時の記憶を無くしたから?」

照「……はい」



261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:33:09.23 ID:BcGzc+fk0



良子「とりあえず団体戦はいいとして、問題は個人戦だね」

久「そうですね……咲はどう考えているんですか?」

良子「棄権も考えてる」

良子「勝つ気で打てば、サキはかなりいいとこまで登りつめる筈だけどね」



久「……県大会でも、手を抜いたことはありました」

照「プラマイゼロ……」

久「うん。……あの時は、三年生の私に気を使ってくれたみたいなんだけど」

久「最終的には後半から盛り返して、三位で突破してくれたけどね」



262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:33:36.19 ID:BcGzc+fk0



久「個人的には、咲には個人戦で勝って――いえ、優勝してほしかった」

久「でも、宮永姉妹の事情を聞いた以上、考えを変えざるを得ないわ」

久「いまはまだ、二人が顔を合わせないようにするべきよ」

照「…………」


久「私も咲のこと、できる範囲でフォローするから」

良子「まあ……サキはまだ一年生だからね」

良子「お互いのこと考えて、やっぱり個人戦は――」

照「――私は反対です」



263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:34:15.37 ID:BcGzc+fk0



良子「……どうしてかな?」

照「せっかくインハイの舞台に立てるのに、それを無駄にするべきじゃないからです」

良子「来年、再来年もチャンスはあるよ」

照「じゃあ私が」

良子「テルとサキの立場はまったく違うよ」


良子「サキは長野の無名校の無名の選手」

良子「たとえ負けても世間の評判も周りの評判も大して変わらない」

良子「むしろ、全国の舞台に立てただけで頑張ったね、って褒めてくれると思う」



264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:35:04.11 ID:BcGzc+fk0



良子「でも、テルは名門白糸台のエース」

良子「周囲からの期待も大きい……優勝して当たり前ぐらい考えてるだろうね」

照「それは……周りの都合です」

良子「でも、結果次第では照の身にも振りかかることだよ?」

良子「下手したらプロ行きにも影響するかもしれない」




良子「エースはね――勝つことを求められているんだから」

良子「それぐらい、テルも理解しているでしょう?」

照「…………」



265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:35:36.73 ID:BcGzc+fk0



良子「ごめん。言い過ぎたね」

照「……なんで」

良子「ん?」



照「何で、この間は咲に真実を話すべきだって言って」

照「今度は咲の背中を教えてあげないんですか?」

良子「状況がまったく違うからだよ」

良子「この間の件は、サキの方はなぜテルに避けられているか理解できていなかった」

良子「放っておけば二人の溝が深まる一方だった……と私は思う」



266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:36:18.39 ID:BcGzc+fk0



良子「今回、サキは既にテルの事情を知っている」

良子「知っていて……もし、対局中に自分の目の前でテルが倒れたらどう思うかな」

照「それは……」

良子「そして、そういう結果になりかねないことを踏まえて」

良子「そうならないように、サキも考えて棄権するならどうかな?」



照「咲に負けて代表に選ばれなかった人達はどうするんですか」

良子「どうもしない――どうも出来ないからね」

照「彼女達は咲を責めるかもしれません」

良子「そうだね……でも、サキは棄権する方を選んでいるんだ」

良子「私はサキの意志を尊重するよ」



267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:36:44.04 ID:BcGzc+fk0



久「……宮永さんは、どうしたいの?」

照「……咲と打ちたい」

良子「いま直ぐではないけど、二人が問題無く対面することができるようになってから」

良子「それからじゃ、ダメなの?」


照「特別な舞台で咲に勝ちたいんです」

良子「インハイが全てじゃないよ」

照「それは……」



268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:37:33.15 ID:BcGzc+fk0



尭深「あ、あの……お話中のところ、すみません」

尭深「宮永先輩、監督が呼ばれてるんですが……」

照「急ぎ?」

尭深「みたいです……今日の抽選会の結果踏まえて、ミーティングをすると」

照「……わかった」



269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:38:21.73 ID:BcGzc+fk0



照「すみません、中座することになってしまうんですが」

良子「いや、こっちこそ時間とらせてごめんね」

良子「とりあえず、サキの意向に沿うようにということでいいかな?」

照「……はい」



照「失礼します」

良子「うん、頑張ってね」

久「またね、宮永さん」



270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:39:15.93 ID:BcGzc+fk0








久「……良かったんですか?」

久「宮永さんを突き放すような感じになっちゃって」

良子「自分でも自己嫌悪してるとこ……」



良子「同卓しないとしても、会っただけで暫くテルが調子崩す可能性もあるし」

良子「他に言い方はあったと思うけど、いま現在だとこれがベストだと思うんだけど……」

久「これ以上のベストがあるとすれば、宮永さんが事故のことを克服することですか」

良子「何の確信もなく、それするのも無謀だけどね」



271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:39:58.72 ID:BcGzc+fk0



良子「清澄の初戦って三日目だったよね」

久「? そうですね」



良子「団体戦は二回戦以外見に行けそうに無い……仕事あるから」

久「ご愁傷さまです」

久「まあ、テレビ越しでも応援してください」

久「咲にメールなり電話で発破かけてもらえば元気も出るだろうし」

良子「うん、そうする」



272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:40:33.23 ID:BcGzc+fk0



良子「インハイか」

良子「……随分昔に感じるよ、自分のは」

久「良子先輩、お年寄りみたいですよ」

良子「もう年だよ。忘れっぽいし」


良子「せめて団体戦では優勝できるといいね……」

久「先輩も頑張ってくださいね」

久「明日は小鍛治プロと三尋木プロと瑞原プロと対局でしょう?」

良子「あぁ、忘れていたいことを……」



273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:41:12.77 ID:BcGzc+fk0











■代々木公園

良子「では改めて」

良子「準決勝突破おめでとう、サキ」

咲「ありがとうございます」


咲「……良子さんは、その……頑張ってください!」

良子「初戦で調子崩しちゃったから……おのれ、小鍛治プロ」



274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:42:10.30 ID:BcGzc+fk0



良子「まあ何とか挽回できそうだから頑張るよ」

良子「だけど、ごめんね……決勝も応援に行けそうにないから」

咲「気にしないでください」

咲「私も良子さんの応援に行けないんですから」



良子「サキは調子いいよね」

良子「二回戦も準決勝も圧勝だったし」

咲「そう、なんですよね」

咲「うん……調子がいいんだと思います」

良子「どうかしたの?」



275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:42:47.33 ID:BcGzc+fk0



咲「いつもなら、わからない範囲のことがわかるんです」

良子「麻雀のこと?」

咲「はい」

良子「んー、インハイの舞台でさらに調子が上がってるのかな?」

咲「……そう、なんでしょうか」



276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:43:52.08 ID:BcGzc+fk0


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  「……いま以上があるの?」

  「ある。……具体的には、四槓子を連発した」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:44:32.70 ID:BcGzc+fk0



良子(……まさか、ね)



咲「あとは……」

良子「ん?」

咲「あ、いえ、何でもないです」

良子「サキが私に隠し事を……!」

咲「ち、違います!」

良子「こっち来て一緒に寝てないから欲求不満なんだ……!」

咲「もっと違いますよ!?」



278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:45:24.56 ID:BcGzc+fk0



咲「その……怒らないでくださいね?」

良子「うん」

咲「最近、よく夢を見るんです……同じ夢を」

良子「夢? どんな夢?」



咲「えっと……」

良子「大丈夫、絶対怒らないから」

良子「言った方がサキも楽になれるよ、きっと」

咲「……良、子さんに」



279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:46:10.16 ID:BcGzc+fk0




咲「良子さんに――殺される夢です」




280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:46:59.31 ID:BcGzc+fk0



良子「……私が? サキを?」

咲「ゆ、夢の話ですよ?」

良子「ああ……いや……それは、わかってるんだけど」



咲「良子さんに後ろから押されて、倒されて」

咲「その……そこで」

良子「……そこで?」

咲「こ、これ以上はちょっと……あまり、気分の良い話じゃないですから」



281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:48:03.03 ID:BcGzc+fk0



良子「…………」

咲「お、怒ってますか?」

良子「いや、怒ってはないけど」



良子「サキ……それはきっと欲求不満の現れだよ」

咲「欲求不満!?」

良子「そうそう」

良子「私に押し倒されてメチャクチャにされたいんだね――性的な意味で」

咲「ちーがーいーまーすー!」



282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:49:11.67 ID:BcGzc+fk0



良子「遠慮しなくていいよ、良子さんはいつでもウェルカム態勢だからね」

咲「お、お外でなんて……」

良子「初めてじゃないでしょ?」


良子「さあ、私に全て委ねて」

和「何してるんですかこの変態!」ベシッ!



283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:50:06.07 ID:BcGzc+fk0



良子「普通に痛い」

和「痛くしたんです!」

良子「サキ、サキ、原村さんが私とサキの逢引を邪魔するよ」

和「そんなものは合い挽き肉にしてしまえばいいんです!」



和「もうっ! 探しましたよ」

和「こんな夜中に高校生が出歩いちゃいけません」

和「どこに咲さんを狙ってる変態がいるかわからないんですからね!」

咲「ご、ごめん和ちゃん」アセアセ

良子「大丈夫、私がついてるから」

和「貴方が一番危ないんです!」



284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:51:09.32 ID:BcGzc+fk0



和「とにかく! 帰りましょう、咲さん」グイッ

咲「わわっ……」

良子「ああっ、サキが取られた」



良子「名残惜しいけど、良い子はそろそろ寝る時間かな」

良子「じゃあ決勝頑張ってね、サキ」

咲「は、はーい……おやすみなさい、良子さん」



285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:51:43.84 ID:BcGzc+fk0



良子「……さーて、私も帰るかな」




良子(私がサキを殺す夢、か)

良子(奇遇だね……私も見たよ)



286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:56:07.20 ID:BcGzc+fk0



■清澄高校控え室

京太郎「いよいよ決勝ですね……緊張してきた」

優希「お前は選手じゃないだろ!」

京太郎「でもよー……緊張するもんは緊張するんだよ」


和「須賀君、そういう時はですね」

京太郎「おう?」

和「私に殴らせてください」

京太郎「はぁっ!?」

和「だって咲さんが構ってくれないんですもん!」

京太郎「俺に八つ当たりするな!」



287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:56:40.03 ID:BcGzc+fk0



優希「咲ちゃん何してるんだー?」

咲「えっとね、良子さんに応援のメール出してたの」

咲「良子さんも対局あるから」

優希「今日も来れないのか。それはマズいじぇ!」



優希「大将戦で咲ちゃんがピンチ!」

優希「前半戦と後半戦の間にある休憩時間、悲嘆にくれる咲ちゃんの下に颯爽と戒能プロが!」

優希「二人は愛を確かめ合い、愛の力でパワーアップ!」

優希「そして咲ちゃんが大暴れしてオーラスで槓して――」

和「それは私の役目です!」



288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:57:17.06 ID:BcGzc+fk0



和「咲さん! 無性に私と抱きしめあいたくないですか!?」

咲「えっ、ないよ」

咲「熱でもあるの? 和ちゃん」


和「うぅっ……あの女より、あの女より先に咲さんと出会ってさえいれば……」

まこ「こりんのぅ……」



289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:58:04.76 ID:BcGzc+fk0



久「……さて、いよいよ決勝戦よ」

久「部長としては、ここでビシッ! と決めるべきなんだろうけど」

久「ちょっと言葉が見つからないのよね」


久「ただ……ありがとう」

久「皆のおかげでここまで来れたわ」

久「これだけは言っておきたくってね」

優希「その言葉、まだ早いじぇ」

まこ「そうじゃ。せめて優勝してから言ってくれ」



290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:58:37.46 ID:BcGzc+fk0



咲「頑張って優勝しましょう」

咲「私も頑張りますから」

久「咲……ありがとね」

和「はっ! いま咲さんと部長が交わした言葉以上の意味を交換し合ったような」

優希「のどちゃん、ちょっと自重するじぇ」






咲(お姉ちゃんの白糸台もいるけど……団体戦は大丈夫そう、なんだよね?)

咲(皆のために、せめて団体戦は頑張らなきゃ)

咲(最近はすごく調子いいから、大丈夫だよね)



291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:59:13.74 ID:BcGzc+fk0



■都内 某所

咏「良子ー」

良子「…………」

咏「お、おーい?」

良子「あ、三尋木プロ。どうもです」


咏「どした、テレビに夢中だったみたいだけど……インハイか」

良子「ええ。私も仕事無ければ応援に行きたかったんですが」

咏「そいや嫁ちゃんが出てたんだったねぃ」



292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 20:59:47.78 ID:BcGzc+fk0



咏「いま大将戦か、結構接戦だ」

良子「ですね」



良子「まあ――サキが勝ちますよ」



293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:00:14.12 ID:BcGzc+fk0





■実況室

咲『ツモ――2100・4100』

アナウンサー「決着ー!」

アナウンサー「インターハイ団体戦、勝者が決まりました」

アナウンサー「優勝は初出場の清澄高校ですっ!」





294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:00:41.47 ID:BcGzc+fk0



■インターハイ団体戦 対局室

咲「あ、ありがとうございました」

咲(勝った――勝ったんだよね?)



淡「さ、サッキー……」

咲「淡ちゃん」

淡「おめでと、私の負けだね」

咲「淡ちゃん……泣いてるの?」

淡「な、泣いてないし!」



295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:01:24.35 ID:BcGzc+fk0



淡「わ、私、控え室戻るね」

淡「先輩達が私いなくて寂しがってるだろーし!」

淡「次は負けないからね!」パタパタ


咲「あ、淡ちゃ」

恭子「そっとしといたり」

咲「末原さん」



296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:02:17.18 ID:BcGzc+fk0



恭子「宮永ちゃんの清澄が優勝したんや」

恭子「自分に勝った相手に慰められるって、わりときついで」

恭子「いまはそっとしといたり……二人ならまた来年打つ機会もあるやろ」

咲「……はい」



恭子「さて、私も控え室に帰るわ」

恭子「またな、宮永ちゃん」

咲「はい、ありがとうございました」ペコッ



297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:02:43.96 ID:BcGzc+fk0



咲「……私も戻らなきゃ」

咲(……勝ったんだよね?)

咲(何だか、ふわふわしてて実感沸かないよ)

咲(でも、これでみんな褒めてくれるかな)




咲(私の全国大会は、今日で終わりだけど)

咲「……楽しかったなぁ」

  「……まだ」

咲「え……?」



298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:03:27.08 ID:BcGzc+fk0




照「まだ――個人戦が残ってる」

咲「おねえ……ちゃん?」




299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:04:25.51 ID:BcGzc+fk0






■清澄高校 宿泊先

   「――き……サキ?」

咲「え?」

良子「どうしたの? ぼーっとして」

良子「団体戦終わったし、疲れたのかな?」

咲「あ、いえ……そんなことは無いんですけど」

和「いえ咲さんは疲れているんです」



300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:05:32.27 ID:BcGzc+fk0



和「ですので戒能プロにはお帰り願って」

優希「池田ァ! のどちゃんを運ぶじぇ!」

池田「上級生には敬語使え!」

和「ちょ、ゆーき!? なぜ私を引っ張っていきますか!」

優希「人の恋路を邪魔するものは、ウマに蹴られてなんとやらだじぇ」



和「咲さん!? 助けて咲さーーーん!」ズルズル

良子「……何か唐突に現れて、唐突に引きずられて行ったね」

咲「あ、あはは……」



301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:06:33.08 ID:BcGzc+fk0



咲「……良子さん」

良子「ん?」

咲「抱きついていいですか?」

良子「いいけど……人に見られるかもしれないよ?」

咲「いいです……」ギュッ



302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:07:17.84 ID:BcGzc+fk0



良子(今日はサキの様子がおかしい)

良子(家の外だと、こんなに積極的じゃないのに)

良子(……おかしいのは、ここ数日ずっとか)



良子「…………」

咲「……? どうかしました?」

良子「熱っぽいように見えるけど、風邪じゃないよね?」

咲「違いますよ?」



303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:08:13.17 ID:BcGzc+fk0



良子「何かあったの?」

咲「…………」ギュッ

良子(喋りたくない……というか、言うか言わないか迷ってるのか)


良子「インハイのこと?」

咲「…………」

良子「……テルは会いに来た?」

咲「えっ……」



304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:09:03.73 ID:BcGzc+fk0



咲「何で、良子さんが知ってるんですか?」

良子「白糸台の宿泊先で話したしたけど、半端なところで終わったからね」

良子「念のため、電話で話したんだ」



良子「結局……テルは納得しなくてね」

良子「サキと直接会って、大丈夫だって証明すると言っていたけど」

良子「……ダメだったんだよね?」

咲「……はい」



305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:09:54.86 ID:BcGzc+fk0



咲「お姉ちゃん、会いに来てくれたんですけど」

咲「苦しそうでした……私の、所為で」

良子「サキは悪くないよ……二人とも悪くない」


良子「個人戦、抽選次第で早めに当たる可能性もあるし」

良子「やっぱり、早めに棄権しようか」

咲「…………」

良子「……サキ?」



306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:10:39.87 ID:BcGzc+fk0



良子「棄権、したくないの?」

咲「……ちょっと、分からなくなってて」



咲「私が出て、もしお姉ちゃんと対局すればお姉ちゃんがつらくなる」

咲「でも――お姉ちゃんは出てこいって」

良子「……テルはサキとの対局に拘ってるみたいだね」

咲「どうしてなんでしょうか……お姉ちゃんの方が強いのに」

咲「勝ち逃げは許さない、って」

良子「ああ……」



307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:11:33.71 ID:BcGzc+fk0



良子「サキが事故にあった日に二人が対局したらしいんだ」

良子「他家をまったく寄せ付けずサキが勝ったらしい」

良子「テルも含めて。同卓した人は誰か知らないけど」

良子「勝ち逃げを許さない、ってのはそのことかな」

咲「そんなことがあったんですね……」



良子「テルはサキと打ちたがっている」

良子「でも、棄権するのが一番無難だね」

良子「テルだって、自分のことでサキが傷つくのは本当は嫌な筈だから」

良子「サキが棄権しても、そこまで強く言えないよ」



308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:12:20.33 ID:BcGzc+fk0



良子「まあ、あくまで無難なだけだけどね」

良子「サキはどうしたいの?」

咲「私は……」



咲「…………」

良子(ハッキリ言えないところを見ると、サキも迷ってるんだね)

良子(対局したいなら、また後日にすればいいんだから)

良子(だから、棄権するのが一番良いんだ)

良子(――けど)



309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:13:04.90 ID:BcGzc+fk0



良子「ハァ……」

咲「」ビクッ

良子「もう出ればいいよ、テルの意志を汲んでね」

良子「その結果、二人の今後はメチャクチャになるかもしれない」

良子「お互いに覚悟の上なら、好きにすればいいよ」


咲「よ、良子さん……」

良子「でもね」



310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:13:39.50 ID:BcGzc+fk0



良子「もしそんなことになったら、私が責任とる」

良子「テルのトラウマは時間をかけて克服していけばいい」

良子「金銭的な問題は全部私が何とかする」

良子「二人とも、責任持って私が養うよ」



良子「家事の出来ない頼りない大人だけどね」

良子「……それぐらいはさせてよ」

咲「……良子さん」



311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:14:15.09 ID:BcGzc+fk0



良子「その代わり姉妹丼、めくるめくる官能の日々へ」

咲「言うと思いました……」


咲「でも……うん」

咲「良子さんと、お姉ちゃんならいいかなぁ」

良子「養うのはホントだけど、姉妹丼は冗談だからね」

咲「えっ」

良子「えっ、て……サキの目には私がどう映ってるんだろう」

咲「日頃の行いが……」ボソ

良子「そんなこと言う子は、ほっぺたつねるからね」

咲「いひゃいいひゃい!」




312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:14:48.11 ID:BcGzc+fk0



良子「……とりあえず、サキのやりたいようにやっておいで」

良子「私は私が出来る範囲のことで手伝うから」

咲「ありがとうございます」

良子「お礼は身体でもらうから」

咲「もうっ……良子さんは直ぐそういう話に持って行くんですから」

良子「じゃあ、サキ成分を摂取させてください」

咲「それ、何が違うんですか……?」



313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:16:10.18 ID:BcGzc+fk0



良子「だって、個人戦終わった次の日から暫くサキと会えないし」

咲「ドイツに行かれるんですよね」

良子「大会があるからね。……おかげ様でサキと過ごす夏休みがガリガリと削れたけど」

咲「頑張ってください、応援してますから」

良子「サキも行こうよ」

咲「パスポート持って無いんで無理です」

良子「むむむ……」



314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:16:49.53 ID:BcGzc+fk0







■インターハイ個人戦会場 ロビー

優希「咲ちゃんすごいじぇ! 次で決勝卓だじぇ」

まこ「まさかここまで来れるとはのぅ……」

和「私は負けてしまいましたけど、頑張ってくださいね」

咲「ありがとう、和ちゃん」



和「今日は戒能プロはいらっしゃらないんですよね?」

和「代わりに私の胸に飛び込んできていいんですよ」

咲「それはいいよ、和ちゃん……」



315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:17:30.01 ID:BcGzc+fk0



久「……咲、本当に大丈夫なの?」

咲「……大丈夫じゃないかもしれません」



久「団体戦終わったあと、お姉さんと会ったんでしょう?」

久「その時も大丈夫……じゃなかったのよね?」

咲「はい」

咲「でも、大丈夫にしてみせます」

咲「――お姉ちゃんには半荘一回も打たせませんから」



316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:18:19.07 ID:BcGzc+fk0










照「…………」

菫「? どうかしたのか、照」

照「いや……何でもない」

照(……咲、かな?)



照「それじゃあ、行ってくる」

淡「頑張れテルー!」



317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:19:06.56 ID:BcGzc+fk0



■インターハイ個人戦会場 対局室

憩「ほな、お願いしますーぅ」

智葉「よろしく」

咲「よろしくお願いします」

照「……よろしくお願いします」



憩(二人の宮永さんは話もせんなぁ)

憩(別に姉妹やないんかな?)

憩(白糸台の方は体調悪いっぽいなーぁ)



318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:19:46.84 ID:BcGzc+fk0


□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

【以降の牌の描写に関しての注釈】

■萬子:漢数字で表記
 一二三四五六七八九

■筒子:丸文字で表記(※機種依存文字)
 ①②③④⑤⑥⑦⑧⑨

■索子:全角数字で表記
 123456789

■字牌:漢字で表記

■赤ドラについて
 (五)、(⑤)、(5)といったように赤ドラは括弧で表現

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■



319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:20:21.02 ID:BcGzc+fk0



【東一局 一巡目】
荒川憩・東家(起家)  辻垣内智葉・南家
宮永咲・西家       宮永照・北家
ドラ:二萬

照「…………」

咲(やっぱり、お姉ちゃん辛そうだよ)

咲(……でも、直ぐに終わらせれば大丈夫だよね?)


辻垣内智葉の打牌:北

咲「ポン」

宮永咲の副露:北北北



320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:20:52.78 ID:BcGzc+fk0



■インターハイ個人戦会場 観戦室

和「いきなり客風牌をポンですか……」

優希「まだ役無しだけど、咲ちゃんなら嶺上後付で上がるんじゃないか?」

まこ「普通なら考えられん手順じゃがのぅ」



久「…………」

  『お姉ちゃんには半荘一回も打たせませんから』

久(……違う)



321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:21:32.21 ID:BcGzc+fk0



■インターハイ個人戦会場 観戦室

【東一局 三巡目】

荒川憩の打牌:二索

咲「――ポン」

宮永咲の副露:222 北北北


憩(また鳴いた)

咲「…………」トン

憩(嶺上が特徴かと思ったけど、この決勝卓でスタイルを変えてきたのかな?)



322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:22:10.93 ID:BcGzc+fk0



照「…………」トン

智葉(宮永照は様子見……かもしれないな)

憩(様子見してるうちに、おっきいの上がっときたいけど)トン


荒川憩の打牌:一筒

咲「――カン」

憩(やば……)

智葉(上がるか……打点は大したこと無さそうだが)



323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:22:52.65 ID:BcGzc+fk0



宮永咲の副露:①①①① 222 北北北

咲「――――」

智葉(まだ上がらないか)

憩(ほっ)

咲「――カン」



宮永咲の副露:西西西西 ①①①① 222 北北北

憩(暗槓――)

智葉(槓ドラも乗らず、残りがドラ2で嶺上で上がるなら跳満だが)

咲「――もいっこ、カン」

智葉(まだ重ねられるのか……!)



324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:23:20.44 ID:BcGzc+fk0



宮永咲の副露:西西西西 ①①①① 222 北北北北

憩(三槓子……ま、まだ東一局なのに)

咲「…………」スッ

咲(……お姉ちゃん)

咲(負けても、怒らないでね)



咲「――カン」

憩(四槓子!?)



325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:23:58.71 ID:BcGzc+fk0







照「……ロン」

宮永照の和了形:五六七八八八九九13789  上がり牌:二索

照「槍槓のみ……1300」




326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:24:39.35 ID:BcGzc+fk0



■都内某所

アナウンサー『と、止めた――!』

アナウンサー『東一局から役満炸裂と思われましたが、宮永照選手が槍槓でそれを阻止!』

咏「おうおう、やるねぇ」

はやり「どっちの宮永ちゃんも怖いなー」

はやり「二人とも、確実にプロに来るよね」

咏「良子の嫁ちゃんの方はわっかんねーかな」


はやり「そういえば良子ちゃんは? いないけど会場行ってる?」

咏「いや、まだこっちにいると思いますけどー」



327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:25:32.69 ID:BcGzc+fk0



■インターハイ個人戦会場 観戦室

菫「凄まじいな、照も妹も」

誠子「何というか……世界が違いますね」

尭深「宮永先輩、調子悪そうでしたけど大丈夫そうですね」

菫「まだあまり血色良さそうに見えないが……そうだな」


淡「………」

菫「どうかしたのか、淡?」

淡「……サッキー、団体戦決勝で手抜いてたのかな?」

淡「何だか、私と打った時と別人の気がする」



328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:26:14.37 ID:BcGzc+fk0



【南四局 二本場 四巡目】
荒川憩・南家(起家)  辻垣内智葉・西家
宮永咲・北家       宮永照・東家
ドラ:五筒

照(同じだ……あの時と同じ)

照(あの日の咲が、いまここにいる)

照(あの時、私は麻雀でも負けたけど……今日は勝つ)


照(そして、もう大丈夫だって証明してみせる)



329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:26:45.45 ID:BcGzc+fk0



咲(お姉ちゃん、すごく無理してる)

咲(でも強い……全国に来て戦った誰よりも)



咲(オーラスだけど、お姉ちゃんが連荘してる)

咲(どんな点数でも私が上がれば勝てるけど)

照「…………」

咲(それをさせてくれない……今日は調子良いんだけど)

咲(やっぱり、お姉ちゃんは強いなぁ)



330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:27:15.15 ID:BcGzc+fk0



咲(衣ちゃんや淡ちゃんのような、強い人)

咲(二人とも打っててすごく楽しかった)

咲(全国で打つ麻雀は楽しいことだらけだった)



咲(……お姉ちゃんの対局も楽しい筈なのに)

咲(……楽しくないよ)

咲(この卓につくまで、お姉ちゃんと打ちたいって気持ちでいっぱいだったのに)

咲(何で、こんなに苦しいんだろう……楽しめる、はずなのに)



331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:27:43.47 ID:BcGzc+fk0



咲(とにかく、勝たなきゃ)

咲(勝たないと――取られちゃう)トン

照「カン!」

咲「あっ……!」



智葉(宮永照が大明槓……?)

憩(長野の子やないんやから、上がれる筈が)

咲(や、やだ……取らないで)

照「――ツモ」



332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:28:10.29 ID:BcGzc+fk0



■インターハイ個人戦会場 実況室

アナウンサー「嶺上開花ツモ!」

アナウンサー「白糸台の宮永選手、大明槓からの嶺上ツモでトップをまくりました!」

アナウンサー「清澄の宮永選手のお株を奪う嶺上開花での和了です!」



アナウンサー「そしてインターハイ最後の対局が終了」

アナウンサー「個人戦優勝は……宮永照選手です!」



333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:28:48.19 ID:BcGzc+fk0



■インターハイ個人戦会場 対局室

照(上がれた……勝てた)

憩「大丈夫ですか?」

照「あ、ああ……うん、大丈夫」



憩「個人戦優勝、おめでとうございます」

憩「また負けちゃいました」

照「去年と一緒で厳しい勝負だった。私が勝てたのは偶然に過ぎない」

憩「またまたご冗談を」



334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:29:22.24 ID:BcGzc+fk0



憩「こっちはダブル宮永さんで去年以上にキツかったですよーぅ」

憩「お二人は姉妹とかじゃないんですか?」

照「姉妹だよ」

照「ね、咲?」

咲「ひっ……!」

照「咲……?」



照「咲、どうかし」

咲「ご、ごめん! 私、皆のところに戻るから……!」



335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:29:55.78 ID:BcGzc+fk0



照(咲、何か様子がおかしいような……)

照(とにかく、追わなきゃ)

照(咲にもう大丈夫だって伝えないと)




照「咲、待って……」

記者「お! 宮永照がいたぞ!」

記者「個人戦優勝、おめでとうございます。団体戦は惜しくも逃しましたが」

照「す、すみません、ちょっとどいて――」



336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:30:39.38 ID:BcGzc+fk0















■インターハイ個人戦会場 廊下

咲「はぁ……はぁ……」

咲(何で……私、お姉ちゃんから逃げてるんだろう)

咲(私が望んで、お姉ちゃんも望んでくれた対局だったのに)



337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:31:22.04 ID:BcGzc+fk0



咲「……良子さん」

咲(良子さんに会いたい……)

咲(会って……何も怖がることないよって言ってほしい)


咲(私……何でお姉ちゃんと打っただけで怖がってるんだろう……)



338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:32:02.82 ID:BcGzc+fk0



咲「電話、電話しよう……」

咲(お願い……良子さん、電話に出て)




  『なんで咲が……咲は卑怯だよ!』

咲「違う……」

    『咲、お前はまだ子供なんだ……一時の気の迷いに』

咲「違う……!」



339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:32:46.00 ID:BcGzc+fk0



良子『サキ?』ガチャッ

咲「! よ、良子さん!?」

良子『うん。個人戦お疲れ様』

良子『よく頑張ったねー』

咲「良子さん、私――」




    『――貴方の所為よ』

咲「……ぁ」

良子『? サキ? どうかし』プツッ



340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:33:35.85 ID:BcGzc+fk0



■都内某所

良子「……切れちゃった」

はやり「電話?」

良子「ええ。サキのことだから、うっかり切っちゃった可能性がありますが」

はやり「なにそのドジっ子」

良子「偶にやるんですよね。まあ、掛け直してみます」






良子「…………」

はやり「良子ちゃんがあんまりにもアレだから嫌われたとか」ボソッ

良子「違います。……出ませんね」

はやり「時間置いてみたら?」

良子「そうしますかー……寂しい」



341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:34:16.25 ID:BcGzc+fk0





















342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:34:58.16 ID:BcGzc+fk0



■成田空港

咏「ふぁー……眠いねぃ」

咏「お? 良子のとこの監督さんじゃん、おっはよう」

監督「ああ、三尋木プロ……!」

監督「おはようおはよう、いいとこに来たね」ガシッ

咏「うわぁ……何かすごいタイミング悪かったくさくね?」

監督「違うよ? 全然違うよ」



咏「何かあったの? てか、何で監督が空港いんの?」

監督「良子ちゃんの見送りに来たんだけど……」チラッ

良子「…………」イライラ

咏「うわぁ……」



343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:35:35.41 ID:BcGzc+fk0



咏「良子、めっちゃ機嫌悪くね?」ボソボソ

監督「そうそう。困ったことに」ボソボソ

監督「どうも、昨日からずっと許婚の子と連絡取れなくて苛ついてるみたいでね」

咏「え、まさか事故でも」

監督「そういうわけじゃないみたいなんだけど」



監督「……どうも話すの拒否られてるみたいでね」

咏「喧嘩でもしたとか?」

監督「さー?」



344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:36:20.60 ID:BcGzc+fk0



咏「おう良子、夫婦喧嘩中なんだってー?」

良子「…………」スッ

咏「グーはやめろ!」


監督「良子ちゃん、私の目の届かないところでやってね」

咏「保身に走りやがった!」



345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:36:56.23 ID:BcGzc+fk0







咏「いたた……的確につむじを狙いやがって」

監督「挑発する三尋木プロが悪いと思う」

良子「そうですよ」


咏「んで、嫁ちゃんと何かあったん?」

良子「いや、それが心当たりが無くて」

良子「周りの子経由で連絡しても、どうにも連絡が――っと、すみません電話です」



346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:37:38.14 ID:BcGzc+fk0



良子「もしもし?」

戒能母『おはよう。ドイツ土産よろしく』

良子「はいはい。で、どうかしたの?」

戒能母『土産の催促とついでに試合の激励』



戒能母『あと、咲ちゃんから伝言預かってるから伝えとく』

良子「! な、なんて言ってたの!?」

戒能母『婚約を破棄させてください、だってさ』

良子「……は? 何言ってんの?」



347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:38:16.19 ID:BcGzc+fk0



戒能母『長野帰ってきたら荷物引き上げて、その後で私がカギ預かっておくから』

良子「えっと、うん? どういうこと? 話についていけないんだけど?」

戒能母『婚約破棄、以上』

良子「……私に一言も相談無く?」

戒能母『みたいね』

戒能母『そろそろ飛行機乗る時間でしょ? 続きはまたね、じゃ』ブツッ

良子「ちょっ……!」




咏「……何か良子が固まってるんだけど」

監督「大丈夫かな、世界戦」



348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:38:53.30 ID:BcGzc+fk0















■ドイツ ホテル

戒能母『そっちはどう? 時差ボケ直った?』

良子「四日前から現地入りしてるからね」

良子「おかげで日本帰れずに歯痒い思いをしてるけど」

戒能母『あそう』



349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:39:25.94 ID:BcGzc+fk0



良子「……それで、そろそろ教えてくれないかな」

戒能母『何を』

良子「サキが婚約解消、って言い出した理由」

良子「母さんは知ってるんでしょう?」

戒能母『さあ?』

良子「ふざけてないで、ちゃんと答――急に切らないでよ」




良子(母さんは明らかに何か知ってる)

良子(単にサキと話して事情を聞いたから知っている……というのとは違う気がする)

良子(何か吐かせれそうなことがあれば、言ってくれるかもしれないけど……)



350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:39:58.45 ID:BcGzc+fk0



良子(ただ、サキ本人から話を聞いていない)

良子(ひょっとしたら婚約解消は嘘で、サキが考えていることとは違うかもしれない)

良子(……じゃあ、まったく話が出来ないのは何でか、という話になるけど)



良子「ハァ……」

咏「元気ないねぃ」

良子「問題が解決どころか、日に日に悪化しているようですから」

咏「そっか」

咏「まあせっかくの休憩時間だ、昼飯でも食べに行こうぜー」



351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:40:34.41 ID:BcGzc+fk0








咏「相変わらず嫁ちゃんとは連絡取れない?」

良子「そうですね。もう嫁ってわけでも無いんですが……」

良子「何だか、私だけ見てる景色が違うような感じなんですよね」

良子「サキが婚約解消と言い出した理由がわからず、話に置いてきぼりで」

咏「マリッジブルー的なものじゃないの? 知らんけど」

良子「そんな素振りは無かっ……」


良子「……いや、東京に来てからちょっと様子がおかしいところはありました」

良子「何というか、熱に浮かされているようなところが」

咏「ふむ」



352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:41:19.20 ID:BcGzc+fk0



咏「ケンカしたとか直接的なものはなくても、どこかいつもと違ったとこは他に無かった?」

良子「しいて挙げるとすれば……ここ数日調子良かったですね、サキ」

良子「日に日に麻雀の調子が上がっていってました」

咏「私もいくらか対局見たけど、個人戦決勝は凄まじかったね」

咏「最終的に姉の方に負けたとはいえ、凄みがあったというか」




咏「昔、宮永照が圧倒された対局があったんだよね?」

良子「ええ、テルの話では」

咏「個人戦決勝でその状態に近づいた」

咏「いや――その状態になってたんじゃないかな」



353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:41:53.62 ID:BcGzc+fk0



咏「これは仮定に過ぎないんだけど……」

咏「姉との対局が迫るにつれて昔の状態に近づいていった」

咏「そして、個人戦決勝卓で完全にその状態に戻った」

良子「戻ったとして、何か不都合が?」



咏「昔、宮永照が圧倒された対局はいつあったもの?」

良子「いつって……あ」

咏「――宮永咲ちゃんが事故にあった日だ」



354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:42:27.47 ID:BcGzc+fk0



咏「昔の強さに辿り着いたことで、その拍子に事故当時の記憶を取り戻したんじゃねーの?」

良子「いや、そんな……まさか」

咏「あくまで仮定だけどねぃ」

咏「ただ、宮永咲ちゃんと連絡取れなくなったのは個人戦決勝卓以降だ」

咏「そこに関しては、何らかの関連性はあると思うよ」

良子「ふむ……」




良子「咏さんの言う通り、サキが事故当時の記憶を取り戻したと仮定しましょう」

良子「ただ、記憶を取り戻したからといって婚約破棄に繋がる理由がわかりません」

咏「そこだねぃ、問題は」



355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:43:11.80 ID:BcGzc+fk0



咏「仮定が正しいとすれば、少なくともそこに理由がある」

咏「あるとして、良子はどんな理由だと思う?」

良子「……そうですね」



良子「事故当時、サキにどうしても結婚できない理由ができた」

良子「身体的、精神的、宗教上の理由とか」

良子「でも事故で記憶を無くし、その辺を理由を忘れていた」

良子「サキと私はまだ知り合ってない頃の話ですから、その辺りだと思うんですが」

咏「かな。ひょっとしたらすれ違うぐらいはしていたかもしれんけどね」



356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:43:42.19 ID:BcGzc+fk0



良子「もし……一人で悩んで決めたことだったら」

良子「いますぐ会いに行って抱きしめてあげたいです」

良子「サキは結構一人で抱え込んでしまうので……」

咏「好きなんだねぇ」

良子「好きなんですよ」



良子「抱きしめた時の華奢な身体も、はにかみながら抱きしめ返してくれるところも」

良子「好きなとこだらけです」

良子「……おかげで、今回のことは参っちゃってるんですよ」

咏「なに、直ぐに仲直りできるって」



357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:44:20.96 ID:BcGzc+fk0



咏「よしよし咏お姉さんが話を聞いてもらってスッキリしただろ」

咏「というわけで明日は何事も無かったように打てよー」

良子「……せめてもう少し慰めの言葉をくださいよ」

咏「知るか」



咏「私事と仕事の気持ちの区切りぐらい、自分で何とかしろ」

咏「プロだろ?」

良子「手厳しい……辛いですね、社会人」

咏「格好良く仕事してたら嫁ちゃんがカッコイイって言ってくれるかもよ? 知らんけど」

良子「その一言であと十年は頑張れそうです」



358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:44:49.73 ID:BcGzc+fk0



良子「ところで咏さん」

咏「ん?」

良子「私達二人で外食行くのはいいんですけど、咏さんはドイツ語喋れるんですか?」

咏「え?」

良子「え?」



359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:45:22.24 ID:BcGzc+fk0



咏「良子喋れるんじゃないの?」

良子「何を根拠に。喋れませんよ」


咏「まあ、英語で通じるんじゃねーの? 知らんけど」

良子「あとは身振り手振り、お金の単位がわかれば何とかなりますかね」

咏「かもね、知らんけど」

咏「意外と何とかなるものさ」



360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:46:01.66 ID:BcGzc+fk0










■長野 喫茶店

戒能「ニュース見た?」

戒能母「良子、向こうでも調子良く打ってるみたいよ」

咲「……みたいですね」


咲「私が心配してたようなことが無くて、良かったです」

戒能母「あの子もプロだから、プライベートの問題で動揺して仕事に差し支えるってことは無いわよ」

戒能母「外出中に警察沙汰にはなったみたいだけどね」



361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:47:06.77 ID:BcGzc+fk0



咲「…………」

戒能母「…………」

咲「あの……これ、マンションのカギです」

戒能母「もう引越しは終わったの?」

咲「はい、全部家の方に」


咲「……ただ、良子さんに買っていただいたものは全部置いてきました」

戒能母「持って帰ってくれた方が、あの子も喜ぶと思うけど」

戒能母「毎日電話来るけど、話といえば貴方のことばかりよ」

咲「…………」

戒能母「……まあ、良子がいらなければ捨てる筈よ」



362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:47:54.85 ID:BcGzc+fk0



戒能母「まだ良子と話してないのよね」

咲「……はい」

戒能母「やっぱり、直接話すべきよ」

戒能母「貴方から話さない限り、あの子は諦めないだろうし」

戒能母「返事を伸ばせば伸ばすほど言いづらくなるわよ」



咲「……日本に帰ってきたら」

咲「良子さんが、日本に帰ってきたら必ず伝えます」

咲「別れてください、って」

咲「必ず……」

戒能母「…………」



363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:48:51.68 ID:BcGzc+fk0








■清澄高校 麻雀部部室

咲「はぁ……」

優希「どしたー、咲ちゃん」

優希「この頃元気ないじょ」

咲「んんっ……そうかな?」

和「インハイ終わって以来、元気ないですよ」



364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:49:46.05 ID:BcGzc+fk0



和(燃え尽き症候群的なものかと思いましたが、本当に元気無いです)

和(……そういえば、戒能プロのことを全く話題にしませんね)

和(まさか、喧嘩中……!?)

和(これは、チャンスかもしれませんよ!)




和「ふふふ……」

優希「だいたいのどちゃんが考えてることはわかるじょ……」



365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:50:30.86 ID:BcGzc+fk0



優希「のどちゃんは置いといて」

優希「咲ちゃん、何か悩みがあったら相談してほしいじぇ」

優希「言いたくなったらでいいから」

咲「ありがとう……優希ちゃん」



和「辛い時は私の胸に飛び込んで来てください、さあ!」ガバァッ!

咲「ひっ……!」

優希「のどちゃんが暴走した! さ、咲ちゃん! ここは私に任せて早く帰るんだ!」ガシッ

咲「で、でもそれじゃ優希ちゃんが……」

優希「大丈夫。タコスと化せば、のどちゃんに勝てる……二度と自我は戻らないだろうがな」

咲「優希ちゃん……」

優希「行け! ……スーパーの特売卵が待ってるんだろう?」



366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:51:22.23 ID:BcGzc+fk0



咲「でも部活どうしよう?」

優希「うーん、今日は私達三人しかいないし、三麻ぐらいしか出来ないからなー」

優希「今日は部活休みでいいんじゃないか?」

咲「そうだね。じゃ、二人ともまた明日」

優希「ばいばーい」

和「咲さん咲さん咲さん咲さん……!」



367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:52:14.19 ID:BcGzc+fk0








咲(今日、良子さんが日本に帰ってくる)

咲(もう、日本についたころかな)

咲(体調、崩したりしてないかな)

咲(……話したくないなぁ)



咲(電話したら、何て言われるかな)

咲(怒るかな……嫌われるかな)



368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:53:04.74 ID:BcGzc+fk0



咲(……か、帰ってきて直ぐに電話しない方がいいかな)

咲(良子さんも疲れてるだろうし、やっぱり明日に)



    『返事を伸ばせば伸ばすほど言いづらくなるわよ』

咲(……今日にしよう)

咲「…………」

咲(……まだ飛行機乗ってるのかな)

良子『はい、もしもし』

咲「!」



369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:53:30.75 ID:BcGzc+fk0



咲「ぁ……」

良子『……サキだよね?』

咲「は……はい」



良子『やっと電話くれたってことは、ワケを教えてくれるってことかな?』

咲「――はい」



370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:54:20.40 ID:BcGzc+fk0



良子『婚約破棄ってのは、本当のことかな』

咲「はい」

良子『何で? 理由を教えて』

咲「……私にはまだ、結婚は早いかなと思って」

良子『まだ結婚してないよ』

良子『初めに言ったよね? 試用期間ということで、お互いに見定めようねって』


良子『本当のことを教えて』

良子『……サキがあった交通事故に関係してるんだよね?』

咲「え?」



371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:54:52.08 ID:BcGzc+fk0



良子『ん?』

咲「え、あ……ち、違います」

咲「……戒能さんのこと、す、好きじゃなくなったので」

良子『本当に?』

咲「ほ、本当です」

良子『嘘だ――こうやって話ししてみて確信した』

良子『サキは嘘をついてる』



良子『最後に会ったのは個人戦の時だったね』

良子『あの時と態度が違いすぎるよ』



372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:55:39.95 ID:BcGzc+fk0



咲「と、とにかく許婚の話は無かったことにしてください」

良子『嫌だ』

咲「戒能さんのお母さんに許可は取りました!」

良子『私はまだ納得してない』

良子『だから、直接会って話をしよう』



咲(……会ったらダメだ)

咲(会いたい、けど)

咲(良子さんと会ったら……絶対、決心が鈍る)



373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:56:22.43 ID:BcGzc+fk0



咲「……会いたくないです」

良子『何で』

咲「戒能さんのことが嫌いだからです……!」

良子『そう。でも私はサキのこと好きだよ』



良子『それより危ないよ』

良子『サキが携帯で話しながら歩いてると見ると、コケそうで怖い』

咲「え?」

良子『校門のとこで待ってたら通るかと思ったけど、タイミング良かったね』

良子「久しぶり……私は会いたかったよ」



374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:57:14.94 ID:BcGzc+fk0



咲「っ!」ダッ

良子(逃げるんだ……さて、サキの足で私から逃げきれるかな)



教師「ん?」

良子「あ」

教師「キミ、うちの生徒……ではないよね、明らかに」

教師「校内に立ち入る許可は取ってるのかな?」

良子(しまった……タイミング悪いな、ここで捕まるとか)



375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:58:11.87 ID:BcGzc+fk0



良子「えっと、その」

久「ああ、良子先輩、お疲れ様です」

教師「ん? 竹井の知り合いか?」

久「はい。プロ雀士の方で、麻雀部の練習相手として来ていただいたんですよ」



久「立ち入りの許可も申請したはずなんですが……受理されてませんでした?」

教師「いや、無かった……と思うが」

久「ありゃ……じゃあ、いまから私が出しに行きます」

久「事後承諾みたいな形になりますけど、よろしいですか?」

教師「あー……まあ、竹井の知り合いなら大丈夫か」



376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:59:12.46 ID:BcGzc+fk0



良子「ヒサ」

久「咲に会いに来たんですよね? 行ってください」

良子「ありがと、恩に着るよ」





良子(結局、こっちで考えてもサキが婚約破棄を言い出した理由はわからなかった)

良子(もう直接口を割らせるぐらいしか思いつかない)

良子(しかし、このまま逃げ切られたら急いで長野に帰ってきた意味が)

優希「お?」



377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 21:59:56.83 ID:BcGzc+fk0



優希「戒能プロ、戒能プロじゃないか」

良子「片岡さん、ちょうどいいところに」

良子「サキがどこに行ったか知らない?」

優希「咲ちゃんならさっき部室の方に行ってたじぇ? 何か走って」


良子「部室ってどこ?」

優希「あっちに見える旧校舎の一番上」

優希「麻雀部の部室ぐらいしか無いから、部室に行ったんだと思う」

良子「わかった、ありがとう」



378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:00:42.05 ID:BcGzc+fk0



優希「咲ちゃんと何かあったのか?」

良子「喧嘩中。私としては仲直りしたくて追ってるんだけどね」

優希「咲ちゃん泣かせちゃダメだじょ」

良子「そうしたいのは山々なんだけどね」

良子「お詫びも兼ねて、早めの誕生日プレゼントも買ってきたんだけど――」



良子「…………」

優希「ん? 追わなくていいのか?」

良子「あ、ああ、うん」

良子「じゃあ片岡さん、また今度」

優希「がんばれー」



379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:01:33.57 ID:BcGzc+fk0



良子(――そうか、誕生日)

良子(こんな単純なことを見落としてるなんて)

良子(いや、でも確証は無い……確認できそうなのは)








良子「……もしもし、母さん?」

良子「昔、サキが交通事故にあった件、どうせ母さんは知ってるんでしょう?」

良子「事故があったのは■■市■■町の県道交差点で、大型トラックが事故を起こしたんだよね?」

良子「……うん、日付も時間も合ってるね」
       ・ ・
良子「で、誰がトラックにハネられたの?」



380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:02:18.80 ID:BcGzc+fk0



■清澄高校 麻雀部部室

和(打倒戒能良子のために、彼女の過去の牌譜を見てみましたが)

和(内容が複雑怪奇ですね……まるで初心者のような打ち方をする時があります)

和(いつもの自分とは違うアプローチで、対局相手を研究しようと思いましたがしっくり来ませんね)

和(一人で部室にいるのも寂しいですし、やっぱり帰り……)

咲「の、和ちゃん!」

和「さ、咲さん?」



和「どうしたんです? そんなに慌てて、忘れ物ですか?」

咲「ええと、あの、違うんだけど……!」

咲「い、いまカギ閉めて帰ろうとしてた?」

咲「私が閉めて帰るから、カギ貸して!」



381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:03:00.49 ID:BcGzc+fk0



和「は、はい……どうぞ」

咲「あと、戒能さんと会ったら私は帰ったってごまかしてね!」

和「ええ……じゃあ、カギの方、お願いしますね」




和(どうしたんでしょうか、咲さん)

和(……会ったらごまかせ、ということは戒能プロが来ているんですよね)



382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:03:26.89 ID:BcGzc+fk0



和(やっぱり、二人の仲がこじれてるんですね)

和(確か戒能プロは海外での対局予定があった筈)

和(それで帰ってきて直ぐに咲さんに会いに来た、と)

和(……チャンスですね)






良子「あ、原村さん」

和「…………」

良子「サキを見なかった? ちょっと探してるんだけど」



383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:04:06.21 ID:BcGzc+fk0



和「……はぁ」

良子「ん?」

和「ついさっき部室に立てこもりましたよ」

良子「カギは?」

和「咲さんに渡しました」

良子「わかった、ありがとう」




和(チャンスかもしれませんが)

和(きっと、咲さんはあの人が来てくれた方が喜ぶでしょう)

和(弱ってるところを攻めるなんてアンフェアですし)

和(今日は大人しく帰りましょう……)



384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:04:48.22 ID:BcGzc+fk0












良子(……ここか、麻雀部)

良子「サキ、いる?」

良子「…………」

良子「……わかった、返事はいいから私の話を聞いてほしい」



385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:05:49.55 ID:BcGzc+fk0



良子「色々考えてみたけど、サキの本心はわからなかったよ」

良子「だから、これから話すことは推論ばかりになる」

良子「話を聞いて、答える気になったらサキの本心を教えてほしい」


良子「まず、サキは昔の記憶を取り戻した」

良子「その取り戻した記憶というのは、事故当時の記憶」

良子「事故というのは■■市■■町の交差点で大型トラックが起こした事故」

良子「テルのトラウマに繋がった事故だね」




良子「サキはこの時、携帯でテルと口論しながら横断歩道を歩いていた」

良子「その所為か、迫ってくるトラックに気づかなかった」

良子「そしてサキはトラックに――ハネられなかった」



386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:06:41.86 ID:BcGzc+fk0



咲「……っ!」

良子「そう、サキはハネられなかったんだ」

良子「ハネられたのは16歳の女性であり、サキはまだ16歳の誕生日を迎えていない」


良子「別の事故と私が間違えたのかと思った……けど」

良子「事故にあった人の名前はわかった」

良子「戒能良子――つまり、私のことだね」


良子「……私もサキも、昔のことを忘れていたんだね」



387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:07:35.84 ID:BcGzc+fk0



咲「き、記憶……戻ったんですか!?」

良子「ううん……私はうちの母さんに聞いただけ、誰が事故にあったのか」

良子「だから、あの日に何があったのか覚えてないんだ」

良子「推測しかできない」

良子「……だから、サキの口から本当のことを教えてほしい」

咲「…………」



咲「……良子さんとは、お姉ちゃんを通じて知り合いました」

咲「良子さんが中学校三年生の時です」

咲「その頃からよく会うようになって……だいたいお姉ちゃんも一緒でしたけど」

咲「でも、良子さんは高校は愛媛に行っちゃって」

咲「それから会うことは無くなると思ってました」



388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:08:24.80 ID:BcGzc+fk0



咲「そう、思っていたんですけど……」

咲「良子さんが高校に行ってからも会う機会はありました」

咲「良子さんは長期休暇の時とか、よく長野に戻ってきてくれたので」

咲「ただ、二人だけで会うことが増えました」

咲「……こっそり、付き合うことになったので」




咲「……でも、あまり長続きはしませんでした」

咲「私と良子さんが付き合ってることが、お互いの家に知られて」

咲「……それで親とケンカになって」

咲「私は、特にお姉ちゃんと」

咲「……お姉ちゃんも、良子さんのことが好きだったから」

良子「……テルが、私を?」

咲「はい」



389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:09:10.84 ID:BcGzc+fk0



咲「事故のあった日、お姉ちゃんの方から麻雀に誘われました」

咲「私とお姉ちゃんと、良子さん……それと人数合わせにお父さんが卓につきました」

咲「別に何かを賭けていたわけじゃありません、けど」

咲「多分……お姉ちゃんは納得がいかなかったんだと思います」



咲「それで、結果は良子さんも知っている通りです」

咲「ただ、打ったあとでまたお姉ちゃんとケンカになって」

咲「私は家出することにしました……何のあても無かったのに、バカですよね」

咲「……良子さんも家出に付き合ってくれて」



390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:10:08.31 ID:BcGzc+fk0



咲「事故に関しては、良子さんの仰る通りです」

咲「事故にあったのは良子さんです」

咲「……急に身体が浮いて、後ろでブレーキを踏む音が聞こえて」

咲「後になって、良子さんが後ろから突き飛ばしてくれたから助かったってわかりました」



咲「私を庇わなければ……良子さんがケガすることも無かったんです」

良子「それを思い出したから、婚約破棄とか言い出したんだ」

咲「……はぃ」

良子「……サキってバカなの?」

咲「はぇ……?」



391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:10:41.99 ID:BcGzc+fk0



良子「私がサキの背中を押さなければサキが事故にあってた」

良子「その代わり、おそらく私は助かってた」

良子「これは合ってるよね?」

咲「は、はい……多分」



良子「私は当時の記憶がまだ戻ってない」

良子「けど、当時の私が何を思ってサキを突き飛ばしたかはわかるよ」

良子「……助けたかったからに決まってるでしょ」

良子「好きだったんだよ、いまと同じで」



392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:11:13.41 ID:BcGzc+fk0



良子「念のため聞いとくけど、さっき聞いた話で終わり? 婚約解消した理由は」

咲「え? は、はい……」

良子「そう」


良子「で、仮にサキと別れたら私はどうやって生活していけばいいのかな?」

咲「え?」

良子「掃除下手くそだよ」

良子「洗濯もまともに出来ないよ」

良子「ご飯だって自分で作れないよ」

良子「どうしろと? 死ねと?」

咲「え、えぇ……?」



393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:11:58.96 ID:BcGzc+fk0



咲「じ、実家暮らしするとか?」

良子「やだよ、うちは全員メシマズだから、サキのご飯を知った以上戻れない」

咲「りょ、寮暮らしに戻るとか!」

良子「マンションが勿体無い」

咲「か、家政婦さんを雇う……とか?」

良子「他人に私生活を覗かれたくない」



良子「……あと、一番何ともできないのは」

良子「サキが好きで好きで堪らないって気持ちだよ」

良子「こればっかりは……もう、諦めつかない」



394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:12:39.17 ID:BcGzc+fk0



良子「…………」

咲「……良子さん、ひょっとして泣いてます」

良子「泣いてない……!」


良子「サキが悪いんだからね!」

良子「サキが、婚約破棄とかヒドイこと言い出すからっ」

良子「話もしてくれないし、苦しくって苦しくって堪らなかったんだから……!」

咲「…………」



395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:13:07.47 ID:BcGzc+fk0



咲「……ドア、開けていいですか?」

良子「……だめ」

咲「開けないと、良子さん泣き止んでくれませんよね?」

良子「…………」


良子「化粧、落ちてるかもしれないから、笑わないでね」

咲「笑いません、絶対」

咲「……開けますね」



396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:13:48.98 ID:BcGzc+fk0



咲「……ご心配おかけしました」

良子「ほんとだよ」

良子「……私のところ、戻ってきてくれる?」

咲「私で、いいんですか?」

良子「いいに決まってるでしょ」



良子「ちょっと抱きしめさせて……」ギュッ

咲「わっ……はい」

良子「たまにはサキが頭撫でて」

咲「はい……」



397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:14:24.52 ID:BcGzc+fk0
















咲「……落ち着きました?」

良子「……うん」

良子「……かなり格好悪いとこ見せちゃった」

良子「予定では、もっと格好良く決めるつもりだったんだけどね」

良子「ダメだな、私」



398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:14:51.49 ID:BcGzc+fk0



良子「左手、出してくれる?」

咲「え? はい」

良子「……早めの16歳の誕生日も兼ねて」

咲「……指輪、ですか?」

良子「うん。サイズ合って良かったよ」




良子「ダメ人間だけど、私と結婚してくれないかな」

咲「……私、めんどくさいですよ?」

良子「私の方がめんどくさいよ」



399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:15:24.95 ID:BcGzc+fk0



良子「お互いにめんどくさいかもしれないけど、一緒にいたいよ」

良子「じゃなきゃ、サキを助けた甲斐が無い」

咲「……私も、一緒にいたいです」

咲「せっかく、また会えたんですから」

良子「良かった、両思いだね」




良子「ありがとう」

良子「愛してるよ、サキ」



400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:16:00.08 ID:BcGzc+fk0














401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:16:37.39 ID:BcGzc+fk0









■長野 とある喫茶店

戒能母「あーそんなことがあったのねー」

戒能母「良かった良かった、何も問題が無くて」

良子「いや、問題ありまくりだから」


良子「だいたい母さんが裏でアレコレやってるんでしょ?」

良子「サキと私の仲は修復されたけど、キリキリ吐いてね」

戒能母「はいはい」



402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:17:12.86 ID:BcGzc+fk0



良子「じゃあ遠慮無く聞くけど、何で私生きてるの?」

戒能母「……哲学的な問いね」

良子「バカな母さんのために詳しく言うと、何で大型トラックにハネられて生きてるの? 私」

良子「傷どころか手術の跡すら無いんだけど」

戒能母「打ちどころが良かったからたたたたたぁ!」

戒能母「急に手の甲つねらないでよ!」

良子「キリキリ吐いてね」



戒能母「職場の人に頼んで、瀕死の重傷だった良子を治してもらったのよ」

良子「どこのブラックジャックに頼んだの」

戒能母「どちらかというとホイミとかヒール的な魔法チックなものかしら」

良子「なに、そのオカルト? そんなものを信じろと?」



403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:17:57.10 ID:BcGzc+fk0



戒能母「じゃあ何とか死なずに済んだと仮定しましょう」

戒能母「それでも普通は長期入院よね」

戒能母「入院した覚えは?」

良子「……全く無い」

戒能母「貴方も家業継げば信じてくれそうなんだけどね」

戒能母「初美ちゃんが、この間スカウトしたって言ってたけど」

良子「……オカルト過ぎて信じように信じれない」



戒能母「あとは、そうね」

戒能母「貴方と咲ちゃんの記憶喪失、意図的なものだから」

良子「は?」

戒能母「二人の記憶を都合のいいとこだけ消したってこと」

良子「誰が」

戒能母「私が」



404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:18:45.57 ID:BcGzc+fk0



戒能母「…………」

良子「…………」

戒能母「いだっ! ちょ、親に暴力振るわない!」

良子「アンタの所為か! 色々拗れたのは!」

戒能母「そうよ! 悪かったわね!」





良子「またお得意のオカルト?」

戒能母「そうよ。ちょちょいと関係者の全員の記憶をいじらせてもらったわ」

良子「……もしかして、私とサキ以外にも、テルの記憶とかも?」

戒能母「関係者全員よ」



405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:19:27.35 ID:BcGzc+fk0



戒能母「こういうこと出来るから、色んな事件の事後処理任されることが多くってね」

戒能母「私的な利用は禁じられてるけど」

良子「今回のことは私的利用に当たらないの?」

戒能母「行きたくもないのに鹿児島に呼び出された」

良子「ざまあみろ」



戒能母「ただ、完璧に消せるわけでは無いけどね」

戒能母「咲ちゃんのようにキッカケがあって思い出すこともある」

戒能母「何のことが理解できないけど、朧気に覚えていたりね」

良子(……私が昔付き合ってた子の記憶とか、咲と私がが見た変な夢がそれか)



406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:20:15.91 ID:BcGzc+fk0



良子「……なんでこんなことしたの?」

戒能母「貴方と咲ちゃんの仲に反対してたからよ」

戒能母「多分、私が一番強く反対してた……事故の後、咲ちゃんにはかなりキツイ事を言ったわ」

戒能母「いまと違って、同性の結婚なんて認められていなかったし、私も認めてなかった」

戒能母「だから、良子が事故にあったことをキッカケに、二人の仲を精算した」

戒能母「無理やり、私のエゴでね」




良子「……じゃあ、何で私とサキを許婚にしたの?」

戒能母「…………」



407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:21:04.86 ID:BcGzc+fk0



戒能母「……自分でやっておきながら、後悔してね」

戒能母「いまだって、完全に認めたわけじゃないけど」

戒能母「でも、問答無用で無理やり二人の仲を引き裂いたのは間違いだったと考えてしまったから」



戒能母「だから、もう一度二人を近づけて」

戒能母「それでまた惹かれ合うようなら、もう放っておく」

戒能母「そうしようと思ったのよ」

良子「…………」



408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:21:40.83 ID:BcGzc+fk0



良子「私は、記憶を無くしたままだけど」

良子「本当にそんなことがあったなら、母さんを恨むよ」

戒能母「……でしょうね」



良子「……でも」

良子「咲と引きあわせてくれたことは感謝してる」

良子「ありがとう、母さん」

戒能母「……褒められるようなことはしてないわ」



409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:22:14.97 ID:BcGzc+fk0



戒能母「咲ちゃんとはうまくいきそう?」

良子「うん、結婚する」

良子「今度、正式に報告しにいくから」

良子「二人で」

戒能母「そ……なら、いいわ」



410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:23:02.88 ID:BcGzc+fk0



戒能母「……しかし、咲ちゃんのみならず、お姉さんの方にも好かれてたのね」

良子「うーん……サキの話では、そうらしいんだけど」

良子「私の記憶が戻ってない所為なのか、いまいちピンと来ないかなぁ」

戒能母「どうせ思い出しても変わらないと思うけど」


戒能母「もう二人ともお嫁さんにもらったら? 私はどうでもよくなってきちゃった」

良子「日本に重婚制度は無いよ」

戒能母「あるわよ」

良子「は?」



411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:23:33.35 ID:BcGzc+fk0



戒能母「つい昨日、オッケーになったじゃない」

戒能母「多分、ネットのニュースでもやってるわよ」

良子「そんなオカルト――」

















ニュース『日本でも重婚制度採用』

良子「……マジだ」



413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:32:24.42 ID:iRvzujrNo





414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 22:49:00.08 ID:H+zOkXOhO


ちょー面白かったよー


416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 23:03:12.91 ID:Ls0p75Y6o



テルーのその後が気になる



417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/07(木) 23:17:23.42 ID:w8Fg+9w60


こういう戒能プロ新鮮で面白かったよ

完結乙ですー



425 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/08(金) 23:11:25.28 ID:CCfiPepu0


>>426
コンマ0~50で姉妹丼へ
コンマ51~70で特に関係が深まらず、普通に結婚を祝福してくれる
コンマ71~89で二人の娘と照が結婚
コンマ90~99で「角があれば良かった」と原村さんに襲われる



428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 15:50:10.13 ID:ghnQwXaB0


やった!姉妹丼だッ!


430 :書かないといけなさそうな流れの模様 2013/03/09(土) 23:19:40.88 ID:sQwrxd1G0


■マンション リビング

良子「――というわけで姉妹丼だよ」

照「は?」

咲「し、姉妹丼だよ、お姉ちゃん」

照「?? 咲、何言ってるの?」


良子「……ちょっと作戦タイムしてくるから」

咲「逃げちゃダメだよ、お姉ちゃん」

照「はあ? うん……?」



431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:20:36.97 ID:sQwrxd1G0


■マンション 寝室

良子「おかしい、姉妹丼展開にならない」

咲「だから私は言ったんですよ……そんな都合よく行かないって」

良子「でも、>>425のコンマが28なんだよ? 姉妹丼フラグ立ったんだよ?」

良子「安価は絶対なんだよ?」

良子「言わば、全世界が宮永姉妹の姉妹丼を渇望してるんだよ!?」

咲「渇望してるのは私と良子さんだけの気がしてきました」


良子「テルがここまでお固いとはね」

咲「良子さんのおつむが固いだけですよ」

良子「こやつめ、ハハハ!」

咲「ハハハ」



432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:21:04.86 ID:sQwrxd1G0


良子「しかし、何とか姉妹丼まで行き着きたいね」

咲「私も姉妹丼してほしいです」

咲「あと、トロ顔のお姉ちゃんを早くみたいです」

良子「私も見たい」

良子「そのためにはテルを口説き落とさないと……作戦を考えよう」




良子「こういうのはどうだろう――」



433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:21:40.48 ID:sQwrxd1G0


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
□プランA

良子「ただいま」

照「お帰りなさい……といっても、隣の部屋から戻ってきただけのような」


照「私、本当に今日ここで泊まってもいいの?」

照「二人の結婚式に出るために長野に戻ってきたとはいえ」

照「……その、結婚前の二人の邪魔するような形になっちゃうような」

咲「大丈夫、まったく問題無いよ」

咲「それよりお姉ちゃん、長旅で疲れたでしょ? 疲れたよね?」

良子「美味しいアイスティーがあるんだ、私が入れるから良かったら飲んでよ」

咲「良子さんは台所に入らないでください」

良子「ハイ」

咲「じゃあ、ちょっと入れてくるね」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:22:16.09 ID:sQwrxd1G0


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
咲「お待たせ」

照「早っ……あれ、一杯だけ?」

咲「お姉ちゃんのだけだよ」

良子「私たちはよく飲んでるからね」

咲「さあどうぞどうぞ」

照「う、うん……ありがとう」


照「……美味しい」

照「咲、昔は料理とか諸々壊滅的にダメだったの……に……」ガクッ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:22:50.76 ID:sQwrxd1G0


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
照(なにこれ……からだが、あつい)

照「さ、咲……? なに……この、アイスティー」

咲「都合よく身体に力が入らなくなる魔法のアイスティーだよ」

良子「しかも都合よく即効性」


咲「おまけに――」スッ

照「んあっ!?」

咲「都合よく身体が敏感になるお薬入りだよ」

良子「サキもよくこれでとろとろになっちゃうよね」

良子「ほーら、ふともも撫でられただけで」サスサス

照「っ~~~~~~!?」

良子「すっごく気持ちいいでしょ?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:23:33.47 ID:sQwrxd1G0


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
照「せ、せんぱい……やめ」

良子「いいよ、テルが私達無しで生きていけなくなったらね」

咲「しばらく監禁生活だよ、お姉ちゃん」








咲「えへへ……お姉ちゃん、姉妹でも結婚できるんだよ?」

咲「二人で良子さんのお嫁さんになればいいんだよ」

良子「サキ、サキ、聞こえてないっぽいよ?」

咲「うわ、お姉ちゃんすっごくエッチなお顔してるよ」

良子「堕ちるの早かったね」

良子「さて、それでも既成事実化は進めておこうかな」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:24:05.74 ID:sQwrxd1G0


良子「――というプランはどうだろう」

咲「良子さん、良子さん」

良子「ん?」

咲「それ、犯罪です」

良子「だよね」




咲「私はこういうのがいいと思うんですけど――」



438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:24:43.95 ID:sQwrxd1G0


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
□プランB

良子「テル、結婚しよう」

照「な、何言ってるんですか……! 先輩には、咲が」

良子「サキも私と結婚する。三人で籍を入れよう」

照「そんなの不純です!」

咲「私もお姉ちゃんと結婚したいな」

照「さ、咲……」


咲「私、お姉ちゃんのこと好きだよ? 良子さんと同じぐらい」

咲「昔はお姉ちゃんと良子さんを取り合ってケンカになったけど……」

咲「本当はケンカなんてせずに、一緒に幸せになりたいよ」

照「……咲」

咲「――というわけでセックスしようよ!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:25:16.95 ID:sQwrxd1G0


咲「――という感じでどうでしょうか?」

良子「サキ」

咲「はい」

良子「それ、最終的にはプランAとやること大して変わらないよね?」

良子「無理やりか合意の上か、の違いだけで」

咲「ですよね」



440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:25:59.23 ID:sQwrxd1G0


照「…………」

照「……あ、もしもし? 菫?」

照「ヤバイ、助けて」

菫『……何言ってるんだ、お前』

照「なんというか、ほんとうにヤバイ、助けて」

照「具体的には私の貞操がヤバイ気がする」

菫『本当に何言ってるんだ、お前』


菫『私はいま忙し……あ、いや、どうでもいい電話なんだ』

菫『それより寒くないか? 今日はいつもより薄着だな』

菫『……そうか、私のために』

菫『うん、似合ってる。かわいいぞ』プツッ

照「……あれ? 菫? 電話切った? 菫?」



441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:26:30.25 ID:sQwrxd1G0


照「菫は色ボケで役に立たないから……ここは、淡に」

良子「ただいま」

照「」ビクッ


照「お、お帰りなさい……といっても、隣の部屋から戻ってきただけのような」

照「あの、やっぱり私、実家に泊まるね?」

照「結婚式控えた二人の邪魔しちゃ悪いし」

咲「大丈夫、全然気にしなくていいよ」

咲「それよりお姉ちゃん、長旅で疲れたでしょ? 疲れたよね?」

良子「美味しいアイスティーがあるんだ」



442 : ◆htl2xznl8Q 2013/03/09(土) 23:27:07.74 ID:sQwrxd1G0


 この後、薬の混入に失敗したものの、二人で駄々をこねて無理やり三人で籍を入れることになりました。

 おわり。



 HTML化ー! 早く来てくれー!






転載元 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362570742/

関連記事
[ 2013/03/19 21:30 ] 咲-saki-SS | コメント(8)
タグ : 咲×良子 良子

面白かった!!
凄いな。一大巨編だね
創作性の高いすばらな話だった
戒能母ラスボス過ぎんだろ…
[ 2013/03/20 00:45 ] [ 編集 ]

照がこんなに邪魔だと感じたことはなかった
[ 2013/03/20 02:06 ] [ 編集 ]

面白かった
話の組み立てが上手くて引き込まれたよ
[ 2013/03/20 10:04 ] [ 編集 ]

??「咲さんは年増より原村さんの方が相応しいですね。いますぐ別れるべきだと思います」

咲×○○の謎の親和性
[ 2013/03/20 13:02 ] [ 編集 ]

よくできたssでとてもすばらでした。
もっと長編ss読んでみたい。
[ 2013/03/20 16:15 ] [ 編集 ]

スレタイからこの展開は正直想像してなかったわ
[ 2013/03/21 21:06 ] [ 編集 ]

作り込みすばらでした
[ 2013/04/28 01:37 ] [ 編集 ]

(アイスティーは)いかんでしょ。
[ 2014/11/04 08:29 ] [ 編集 ]

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