3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 20:12:05.48
ID:RlvjM0WA0 憧「宥ねえが?まさか」
穏乃「思い当たるフシでもあるんですか?」
玄「あ、うん…最近ね、帰りが遅いの」
憧「え、でもそれは居残りしてんでしょ?」
穏乃「そう、赤土先生と白糸台の人の映像見てるって」
玄「それはそうなんだけど…それにしても帰りが8時過ぎるって遅いよね?」
憧「え!?それは遅いでしょ、宥ねえ何してんだろ?」
穏乃「宥さんはなんて言ってるんですか?」
玄「『いろいろだよ~』ってそれだけで」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 20:15:57.94
ID:RlvjM0WA0 憧「怪しいね…」
穏乃「え?何が怪しいんだ?」
憧「晴絵と居残りって言ってもせいぜい30分とか
長くても1時間くらいじゃん?」
玄「うん、そうだよね」
憧「あたしたちが学校を出るのが5時半くらいで…
それから1時間って言うと6時半か」
穏乃「家に帰る時間を計算しても7時までには絶対帰ってこれるね」
玄「お姉ちゃん何も言わないし心配で…
憧ちゃんシズちゃん、心当たりないかな?」 6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 20:19:33.12
ID:RlvjM0WA0 憧「あたしはないなぁ…宥ねえはいつもと一緒だし」
玄「シズちゃんは?」
穏乃「ん~…ないですねぇ。ごめんなさい」
玄「う、ううん。いいの、考えすぎなだけかもしれないから」
憧「けど宥ねえが夜遊びってのも考えにくいしなぁ
田舎過ぎてそんな場所もないし…あっ」
玄「あ、憧ちゃんなに!?」
憧「…聞きにくいんだけどさ、宥ねえひょっとして…」
穏乃「もったいぶるなよ憧ー」
憧「ごめん、えっと、宥ねえに彼氏…とか?」
玄「えっ…」 8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 20:23:33.59
ID:RlvjM0WA0 穏乃「えぇ、宥さんが?それはないんじゃ…」
憧「けど玄に内緒で帰りが遅いってのはデートとかしてんじゃないの?」
玄「そ、そうなのかな…?」
穏乃「うーん」
玄「お姉ちゃんに…か、彼氏…」
穏乃「憧、玄さんがショック受けてるって」
憧「あぁ、もう玄ごめん!ほんとかどうかわかんないんだし!ね?」
玄「う、うん…」
憧「(…宥ねえ、なーにしてんだろう?…これは偵察といきますか)」 9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 20:27:15.23
ID:RlvjM0WA0 ガラッ
灼「ごめん、遅くなった」
穏乃「灼さん、日直でしたっけ?」
灼「うん」
憧「お疲れ」
灼「あ、うん…玄どしたの?」
玄「ソンナ…オネエチャンガ・・・」
憧「あー…ま、しばらく放っておこう」
灼「ふぅん、あ、宥さんは?」
穏乃「宥さんは温室のお世話してからくるって言ってました」
灼「じゃ、もうはじめよっか?あ、ハルちゃんは会議だって」 10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 20:33:26.70
ID:RlvjM0WA0 しばらくして…
宥「遅れてごめんなさい」
穏乃「いえ、そんな、まだそんなに経ってないですよ!」
宥「よかったぁ」ホッ
玄「お、お姉ちゃーん」ギュウ
宥「く、玄ちゃん?どうしたの?」ナデナデ
玄「ううん、なんでもない」
宥「困ったさんだね、玄ちゃん」ナデナデ
玄「え、えへへ」テレ
憧「(それでいいのかー玄ー)」
穏乃「あ、じゃあ私抜けるんで宥さんどうぞ」
宥「うん、ありがとぉ」 12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 20:41:01.10
ID:RlvjM0WA0 憧「宥ねえ、今日も居残り?」トン
宥「あ、うん。赤土さんの言う相手の癖を見分けるのが難しくて」トン
灼「ハルちゃんは癖抜いたりするのが得意…」トン
玄「お、お姉ちゃん今日は一緒に居残りしようか?」トン
憧「いいじゃん、宥ねえ」トン
宥「それもいいけど、私ができなきゃ意味がないし…」トン
灼「宥さんの本気に答えたいってハルちゃん言ってた…」トン
玄「じゃあ、お邪魔しないように先に帰るね」トン
宥「玄ちゃんありがとう、でも、ごめんね。ロン」
玄「あぁー…」 14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 20:46:47.69
ID:RlvjM0WA0 部活終わり直前
ガラッ
晴絵「ごっめん!遅くなっちゃったよー」
灼「会議長引いたの?」
晴絵「そーなんだよー。議題が多くて…もう終わり?」
宥「はい、これがオーラスです」
晴絵「そっかぁ、残念。あ、ごめん続けて」
玄「はい」
憧「はーい」
穏乃「はーい」
晴絵「ふむふむ、憧がトップでラスがシズかー」
穏乃「逆転しますよ!」
憧「させるかっつーの」 15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 20:50:47.75
ID:RlvjM0WA0 穏乃「逆転できず…」
憧「あったりまえでしょ」
宥「うーん、負けちゃったぁ」
晴絵「じゃ、そろそろお開きにするか」
みんな「はーい」
晴絵「あ、宥このあとどうする?」
宥「すいませんが付き合ってもらってもいいですか?」
晴絵「おっけー、任せて」
宥「いつもいつもすいません」
晴絵「気にすんなって」
憧「(…やっぱ居残りか。さて、どうしようかな)」 16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 20:56:29.67
ID:RlvjM0WA0 玄「じゃあお姉ちゃん頑張ってね、早く帰ってきてね?」
宥「うん、わかってるよー」
灼「ハルちゃん、宥さんお先…」
穏乃「宥さん頑張ってください!」
宥「ありがとう、二人とも」
晴絵「じゃあ宥、これ視聴覚室のカギなー。
先行って準備しといてくれ~」
宥「はぁい」
憧「(…これやっぱ、気になるし、こそっと残っちゃお)」
憧「あ、ごめんあたし忘れ物したみたいだから
3人は先に帰ってよ、ね?」
穏乃「憧が忘れ物なんて珍しいね、わかったじゃあお先に」
玄「憧ちゃんまた明日」
灼「憧、お先」
憧「うん、じゃあね」 21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 21:01:57.61
ID:RlvjM0WA0 憧「さーて…」
憧「(みんなの別れて一旦教室まで戻った。
宥ねえは視聴覚室へ向かっていった)」
憧「(どこで待ってようかな…うーん、晴絵もそろそろ視聴覚室へ行ったかなぁ。
でもとりあえず視聴覚室までいってみようか)」
視聴覚室前
憧「電気は点いてるから中にはいるってことかー
けど声とかは聞こえないなぁ」
憧「防音なんだし当たり前だよね…ま、出てくるの待ちますか」
憧「せいぜい1時間で出てくるっしょ」 22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 21:07:40.09
ID:RlvjM0WA0 2時間後、視聴覚室前の教室の中
憧「はぁ?どうなってんの?」
憧「2時間だよ?2時間も中で何やってんの?」
憧「対戦相手の映像を見て研究?とかってそんなに時間いる?」
憧「しかも今日が初めてってわけじゃないのに…」
憧「晴絵と宥ねえが二人で何を……あっ…いやぁ、でもまさか」
憧「あっ、出てきた!」
宥「すいません、今日も遅くまで」
晴絵「気にすんなって。今日言ったこと、ちゃんと守ってな?」
宥「はい、しっかり頑張ります」
晴絵「よし、宥は素直でよろしい」
宥「え、えへへ」テレ 26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 21:13:55.49
ID:RlvjM0WA0 宥「あ、じゃあ玄ちゃんが心配するので帰りますね」
晴絵「送るよ」
宥「いえ、赤土さんお仕事残ってるでしょ?」
晴絵「あ、あはは。まあ確かに」
宥「頑張ってくださいね、先生」
晴絵「うん、わかった。じゃあ遅いから気をつけて」
宥「はぁい」
晴絵「……」キョロキョロ
宥「赤土さん?」
晴絵「誰も…いない、な」
宥「え?」
晴絵「宥…んっ」チュウ
宥「んっ…」
晴絵「ごめん、じゃあまた明日」
宥「…ば、バカ//」 30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 21:19:02.78
ID:RlvjM0WA0 憧「…うそ、でしょ…」
憧「うわぁ…なんか見ちゃいけないもの見ちゃった…」ドキドキ
憧「やばいどうしよう…なにこれ、うわぁ」ドキドキ
憧「(晴絵と宥ねえが?うそでしょ?つ、つ、付き合って…るの!?)」
憧「(あたしの言った彼氏説もあながち間違ってなかったじゃん!)」
憧「(…どうしよう?胸に秘めといた方がいいのかな)」
憧「(そ、そうだよねわざわざ喧伝するこっちゃないし…)」
憧「はぁ…もう帰ろ」 36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 21:27:36.42
ID:RlvjM0WA0 2時間前、視聴覚室
晴絵「お待たせ宥」
宥「いえ、平気です」
晴絵「おっと、カギ閉めなきゃね」
宥「お願いします、大事なことですよ?」
晴絵「ごめんごめん…宥、今日は一段と可愛い」ギュウ
宥「も、もう//」ギュッ
晴絵「ほんとだって。可愛すぎて先生だってこと忘れそう」
宥「今だけ…忘れてください」チュッ
晴絵「宥ぅ…頬じゃなくて、ここ、唇にして」
宥「はぁい…んっ」チュウ
晴絵「ぁんっ…ちゅっ…はぁっ…ぺろ」
宥「んむっ…はぁん…」
晴絵「好き、宥…好きだよ」
宥「赤土さん…はむっ…ちゅっ」 40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 21:34:20.37
ID:RlvjM0WA0 晴絵「宥、ちゅっ…ビデオ、はむっ…どーする?」
宥「弘世さんの、ぁっ…んふっ…癖はもう掴みました」
晴絵「ほんと?手の動き、大丈夫?」
宥「はい、でも、まだって言わなきゃ二人きりになれないから…」
晴絵「宥…あたし、今日はちょっと我慢できないかも」
宥「…お任せします」
晴絵「ありがと…これ、外すね」
宥「マフラーの代わりにあったかくしてください」
晴絵「…わかってる。ぺろっ…ここしょっぱい」
宥「は、恥ずかしっ…んっ…くすぐったい」
晴絵「宥、可愛いよ」 42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 21:44:55.86
ID:RlvjM0WA0 1時間後
晴絵「はぁ…はぁ」
宥「はぁはぁ…赤土さぁん」
晴絵「ごめ、やりすぎた…」
宥「腰が抜けたみたいです…はぁ、はぁ」
晴絵「ごめんね」
宥「でも気持ち…よかったから…」
晴絵「宥ぅ…大好きだ」
宥「私も…」
晴絵「しばらくこうしてよう…」ギュッ
宥「もっときつく抱きしめてください」
晴絵「うん…」ギュウ
宥「あったかぁい…」 45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 21:50:29.41
ID:RlvjM0WA0 晴絵「インハイが終わったら宥は引退だな」
宥「寂しいですね…」
晴絵「進路は決めた?」
宥「まだなにも…麻雀のことしか考えられなくて」
晴絵「宥の成績なら大学も選び放題だから大丈夫」
宥「先生みたいですね」
晴絵「一応職業は先生な?」
宥「ふふ、そうでした。えっちな先生ですね?」
晴絵「ちょっとだけな?」ニヤニヤ
宥「どうかなぁ」クスクス 48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 21:54:39.75
ID:RlvjM0WA0 宥「けど大学はあまり考えられないですね」
晴絵「どうして?」
宥「だって…一番近い大学に行くとしても、ここからじゃ通えないですし…」
晴絵「一人暮らしか」
宥「そんなこと…できないです」
晴絵「家のこともあるもんね」
宥「それもありますけど、…家から離れると
赤土さんに会えなくなっちゃいますし…」
晴絵「宥…」
宥「あ、でも卒業しちゃえばコソコソしなくてもいいんですよね?」
晴絵「うん、そしたらデートしような?」
宥「はい、楽しみです」 51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 22:01:15.10
ID:RlvjM0WA0 晴絵「じゃ、そろそろ片付けて帰ろうか?」
宥「はぁい」
晴絵「今日も遅くなっちゃったな、ごめん」
宥「いえいえ私のせいですし…」
晴絵「いや、私がちょっとやりすぎたから…」
宥「えっちな先生ですからね?」
晴絵「面目ない…」
宥「赤土さんってシュンとすると可愛いですね」ナデナデ
晴絵「そ、そう?宥が言うならそうなのかな…へへ」
晴絵「あ、そうだ。腰が重いなら無理しちゃダメだぞ?」
宥「はぁい。先生のせいですけどぉ」
晴絵「き、気をつけてな?」
宥「わかりましたぁ」 52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 22:06:24.93
ID:RlvjM0WA0 帰り道
宥「はぁ…」
宥「(あんなに満たされてたのに一人になった途端寂しい…)」
宥「(送ってもらえばよかったかな…でも、迷惑かけたくないし…)」
宥「(それに名残惜しくなっちゃうよね…うん、これでいいんだ)」
宥「…はぁ」
玄「お姉ちゃん!」
宥「玄ちゃん?」
玄「もう、遅いよー」
宥「ごめんね玄ちゃん」
玄「…あ、あのさ、ほんとに学校にいたの?」
宥「え?なんで?」
玄「こんなに遅いなんて変だし…だって…」 54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 22:13:38.66
ID:RlvjM0WA0 宥「ずっと学校だよ?新しいビデオが手に入ったから
研究メモ作ってたら遅くなっちゃって…」
玄「ほ、ほんと?」
宥「ほんとだよ、玄ちゃん心配かけてごめんね」
玄「う、ううん。でも、そっかよかった」
宥「うん。じゃあ、家に入ろっか」
玄「ご飯できてるよ、早く食べよう!」
宥「玄ちゃんのお料理好き」
玄「ふふ、お姉ちゃんありがと」
宥「…(ごめんね、玄ちゃん)」 61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 22:22:37.68
ID:RlvjM0WA0 憧、自室
憧「あぁー!もう!頭から離れない…」
憧「けどお似合いだったなぁ…宥ねえ美少女だし、」
憧「晴絵は背が高いし…付き合い自体は別にいいけど…」
憧「で、でも!なにをキスしちゃってんのよ!しかも学校の廊下で!」
憧「見たのがあたしだからよかったものの、部外者が見てたらと思うと…」
憧「ってこれバレちゃったら晴絵クビなんじゃ?」
憧「インハイも辞退とかになっちゃう…」
憧「気をつけるように言う?でもそれ言うのもなぁ…うーん」
憧「どうしよう…けど、今日みたいに学校であんなことはよくないし…」
憧「やっぱ…注意してもらわなきゃ!」 65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 22:28:27.53
ID:RlvjM0WA0 翌日、お昼休み、温室
宥「あったかい…ふぅ」
晴絵「宥~ここかぁ」
宥「赤土さん、どうかしましたか?」
晴絵「いや、何かってわけじゃないけど会いたくて…」
宥「ふふ、私もです」
晴絵「宥、今日は残る?」
宥「がっついてますね?」
晴絵「え、いやそんなんじゃ…」アセッ
宥「今日は早く帰ります、妹が、玄ちゃんが心配するので」
晴絵「そ、そっか…わかった…じゃあ、今だけ…」ギュウ
宥「ちょ、だ、だめですよ人が来たら…」
晴絵「こんなとこ誰も来ないよ…」チュッ
宥「んぁっ…んむっ」 66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 22:32:17.75
ID:RlvjM0WA0 同じく昼休み
灼「ハルちゃんどこだろ?今日の部長会議のこと聞きたいのに」
玄「あれ、灼ちゃんどうしたの?」
灼「あぁ、玄。ハルちゃん見てない?」
玄「赤土さん?ううん、見てないよ」
灼「今日は部長会議だから提出する部費のこと聞きたかったんだけどなぁ」
玄「一緒に探そうか?」
灼「あぁ、うんお願い」
玄「どこかなぁ」
灼「あ、憧だ、聞いてみようっと」
玄「憧ちゃーん!」 69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 22:38:17.07
ID:RlvjM0WA0 憧「二人そろって何してんの?」
灼「ハルちゃんがいなくて…」
玄「今日の部活の部長会議のことで聞きたいことがあるんだって」
憧「晴絵?見てないなぁ…あ、ちょっとシズー!」
穏乃「憧?なんだよ…って灼さんに玄さんまで」
灼「穏乃、ハルちゃん知らない?」
穏乃「赤土先生ですか?うーん…あっ!」
玄「見かけた?」 70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 22:39:41.57
ID:RlvjM0WA0 穏乃「あ、はい。さっき中庭に行ったんですけど、
赤土先生は温室の方に行ったと思いますよ」
灼「温室?なんでそんなとこに?」
穏乃「さぁ?わからないですね」
玄「あ、温室ならお姉ちゃんがいるからかな?」
穏乃「あ、きっとそうですね」
灼「宥さんに用事でも会ったのかな」
憧「(…これ、ひょっとしてマズイ気が…)」
憧「(いや、気じゃなくてマズイって!)」 73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 22:48:05.18
ID:RlvjM0WA0 穏乃「あ、じゃあみんなで温室行きましょうよ」
灼「いいよ、用事あるのは私だけだし」
穏乃「いいじゃないですか、温室ってあんま行った事ないので」
玄「いいね、お姉ちゃんの育てたお花も見たいし」
灼「そう?じゃあ、行こっか」
憧「あ、えっと、温室はやめたほうが…」
穏乃「え?憧は行きたくないの?」
憧「や、そういうわけじゃ…」
穏乃「ほら行くよー」
憧「ちょ、シズ引っ張らないでー」
憧「(晴絵も宥ねえもいませんように!!)」
憧「(いたとしても見られてまずいことしてませんように!)」 75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 22:53:21.65
ID:RlvjM0WA0 温室
宥「赤土さん、そ、そろそろ離してくれませんか?」
晴絵「いやだよ、宥を感じたいんだよ」
宥「それは嬉しいんですけど、片づけしなきゃいけないので」
晴絵「…わかったよ、でも最後にキスさせて」
宥「どーぞ」
晴絵「んっ…ちゅ」
宥「はむっ…ちゅう」
灼「ハルちゃーん、いるのー?」
玄「お姉ちゃーん?」
晴絵「」
宥「」
灼「」
玄「」 79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 22:57:39.02
ID:RlvjM0WA0 穏乃「え、あ、え!!?」
憧「…あーあ、バカだなあ」
穏乃「これ、え、ちょ、ど、どういうことですか!?」
憧「シズーちょっと黙ってー」
穏乃「だ、だって!」
憧「4人は固まっちゃってるから」
穏乃「あー…」
灼「…なにこれ」
玄「お、お姉ちゃん…?」
晴絵「…はぁ」
宥「…そっかぁ」 83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 23:00:38.84
ID:RlvjM0WA0 宥「あ、あのね、えっと…」
晴絵「いいよ、宥は何も言わないで」
宥「で、でも」
晴絵「いいから」
宥「はい…」
灼「…ハルちゃん、これはなんなの」
晴絵「見てのとおりだよ、灼」
灼「最低…不潔」
玄「そ、そうです!お姉ちゃんに手を出すなんて!」
晴絵「ごめんね玄」 85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 23:05:17.20
ID:RlvjM0WA0 晴絵「教え子に手を出して、学校という神聖な場所で最低なことをした」
晴絵「弁解の余地は何もないよ…最低な先生で、最低な顧問だ、ごめん」
灼「ハルちゃん…ほんとに最低」グスッ
玄「灼ちゃん…先生、な、なんでこんなこと!?」
晴絵「私が宥を…好きになった。宥は何も悪くないんだ、全部私のせい」
宥「ち、違います!それは違います赤土さん!」
晴絵「宥は黙ってて」
宥「でも!」
憧「宥ねえ、とりあえず晴絵の話を聞いたほうが」
穏乃「そ、そのほうがいい感じですよ?」
宥「…うん」 86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 23:10:23.56
ID:RlvjM0WA0 晴絵「私が一方的に宥を好きになってしまったんだ、だから、私が悪い」
灼「……」
晴絵「決して許されない。バレたからには…教師ではいられないよね。
ほんとは好きになってしまったときからかもしれないけど」
灼「やめるの?」
晴絵「責任は取らなきゃ」
玄「そしたらインターハイは…」
晴絵「ごめん、出られないかも…」
灼「ハルちゃんはそうなるかもってわかってたはずなのに、
なのにこんな場所であんなこと…ほんとに不潔で、最悪だね」
晴絵「…言い返せないよ灼」 90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 23:15:17.10
ID:RlvjM0WA0 灼「…見損なった、私の好きなハルちゃんはもういないんだね」
晴絵「すまない」
灼「謝って済むの!?みんなインターハイに出たくて頑張ってたのに!」
玄「先生は…みんなの気持ちを台無しにしたんです」
穏乃「先生、私はよくわかんないけど…しちゃいけないことってのはわかります」
晴絵「…私は、謝ることしか出来ないよ」
憧「バカじゃん、もっとうまくやればバレなかったのに」
晴絵「憧?」
憧「やり方が温いの、宥ねえが可哀想だし」
宥「憧ちゃん?」
憧「…あーあ、バカばっかり」 92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 23:19:47.08
ID:RlvjM0WA0 憧「みんなの気持ちはわかるけどさ、あたしはインハイに出たい」
晴絵「でも、顧問がこんなことを…」
憧「は?誰が何したって?」
灼「憧?」
憧「あたしたち麻雀部はお昼休みに温室に集合して
今後について話し合ってるだけですけど?」
宥「憧ちゃん…」
憧「なんかあったの?何も知らないんだけど」
穏乃「あ、憧それはちょっと無理がないか?」
憧「なんで?麻雀部以外の人が見たわけでもあるまいし」
玄「憧ちゃん、でも、私は見ちゃったよ。
なかったことになんかできない…お姉ちゃんが…先生と…」 93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 23:24:05.79
ID:RlvjM0WA0 玄「お姉ちゃん…うそついてたんだよね?帰りが遅い理由は…」
宥「ごめんね玄ちゃん…でも、どうしても、言えなくて…」
玄「ひどいよ…こんな形で知りたくなかった…」
宥「最低なお姉ちゃんだよね、ごめんね」
憧「何回も言うけど、あたしはインハイに絶対出る」
灼「…なかったことにしたいの?」
憧「灼さん、出たくないの?インハイ」
灼「出たい…けど」
憧「じゃあ、決まり。何もなかった、晴絵は顧問。おっけー?」
穏乃「…わかった」
憧「ほかの人は?」 95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 23:28:44.37
ID:RlvjM0WA0 晴絵「憧、気持ちは嬉しいけどでも…」
憧「聞こえないし。晴絵、今好きな人とかいんの?」
晴絵「……」チラッ
宥「……」ジー
灼「……」ジー
玄「……」ジー
晴絵「……いない、よ」
宥「……」
憧「だってさ。何も問題ないね」
灼「目をつぶってもいい。でも、ハルちゃんを信用できない」
玄「…それは、私も」
憧「そりゃあたしもだって。だから、晴絵はみんなの信頼を得ないとね?」 97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 23:34:24.27
ID:RlvjM0WA0 晴絵「…何すればいい?」
憧「とりあえず宥ねえには近づかないで」
晴絵「わかった…」
憧「ま、あとは自分で考えて。
晴絵はあたしたちがインハイに出たいって気持ちだけで、」
憧「社会的信用を失わずに済むんだよ?いい話だよね?」
晴絵「ありがとう、憧」
憧「ま、部内信用は最底辺に沈んだけどね」
晴絵「……」
玄「いいのかな憧ちゃん…」
憧「玄は宥ねえが晒し者みたいになってもいいの?」
玄「よ、よくない…けど」 99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 23:39:29.06
ID:RlvjM0WA0 憧「晴絵が最低でバカなのは仕方ないにしても
あたしは宥ねえを好奇の目に晒したくないし、インハイにも出たいから」
玄「…わかった、憧ちゃんに賛成する」
憧「ありがと、玄。宥ねえは?いいよね?」
宥「…いいよ」
穏乃「ほんとですか?宥さん」
憧「シズ?」
穏乃「先生がしたことはよくないことです。でも、宥さんの気持ちは…」
宥「…いいよ、いい」
穏乃「わかりました」
憧「じゃ、授業も始まるし解散解散!」 100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/07(土) 23:43:29.97
ID:RlvjM0WA0 午後の授業、教室
憧「(何であたしがこんな役回り…自分が最低だわ…)」
憧「(宥ねえと晴絵が愛し合ってることくらい気づいてるっての!)」
憧「(けど、仕方ないじゃんあんなとこ見られる方が悪いんだよまったく)」
憧「(今後どうなるかわかんないけどとりあえずは収まったし、)」
憧「(二人が大人しくしてくれることを望むばかりね)」
憧「(…二人もだけど、玄と灼さんのフォローもしなきゃ…)」
憧「(あーもう面倒くさいなぁ)」 5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 21:55:09.72
ID:Vvyq65qV0 放課後
憧「灼さ~ん」
灼「…なに?」
憧「部活、行くよね?」
灼「どうしよ…」
憧「あのさ、はっきり聞くけど灼さんってさ、」
灼「…」
憧「晴絵のこと好きだったよね、そういう意味で」
灼「…憧れてたけどそれ以上かどうかなんて、わかんない」
憧「でも、あんなの見てショックだったでしょ?」
灼「そりゃ…」 6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 21:58:31.48
ID:Vvyq65qV0 憧「晴絵を許せない気持ちはわかる、あたしも一緒だし」
灼「でも、なかったことにって…」
憧「それは晴絵のためなんかじゃない、宥ねえのためだから」
灼「それはわかってるけど…」
憧「あたしはこの5人が好き、みんなでインターハイに行きたい」
灼「…私も行きたい、でも、ハルちゃんは…信用できない」
憧「けど晴絵がいなきゃインハイには行けなかったのも事実だよね」
灼「…だね」
憧「この際、晴絵なんか無視しちゃってさ、頑張ろうよ」 8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:03:45.18
ID:Vvyq65qV0 灼「……できないよ、無視なんて」
憧「え?怒ってるんじゃ…」
灼「怒ってる、信用も全部なくなっちゃった…けど…」
憧「そっか…晴絵のこと、嫌いにはなれないんだ?」
灼「うん…ハルちゃんが悲しむところは見たくない…」
憧「難しいね」
灼「なんか矛盾してるってわかってるけど、
この気持ちはどうしようもなくて…」
憧「灼さんはそんだけ晴絵のこと好きってことじゃん?」
灼「そう、なのかな…。だから、無視なんて…できない」
灼「それに、宥さんもハルちゃんも…すごく幸せそうだった…」
憧「あぁ、うん…(昨日見たときも思ってた、すごく似合いのカップル)」 10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:08:26.51
ID:Vvyq65qV0 灼「ハルちゃんに好きな人はいないって言われた宥さんの顔が
忘れられなくて…とっても悲しそうだった…」
灼「なんか、すごくひどいことしちゃった気がして落ち着かなくて…」
灼「悪いのはハルちゃんなのに、なのに…なんかもうよくわかんない…」
憧「と、とりあえずさ、部活行こうよ。打ってればなんかモヤモヤも晴れるって」
灼「…そうかなぁ」
憧「そうだって!ね、そうしよ?」
灼「ん…わかった」
憧「よかった、じゃあ、お先に」
灼「あとでね」 12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:13:39.65
ID:Vvyq65qV0 廊下
玄「憧ちゃん?こんなところでどうしたの?」
憧「あぁ、玄、ちょうどよかった」
玄「え?」
憧「部活、行くんだよね?」
玄「…ううん、今日はもう帰ろうと思って」
憧「ダメよ、インハイ近いんだから」
玄「けど…お姉ちゃんや赤土先生と顔を合わせるのは…」
憧「いやなの?」
玄「いやっていうか気まずいよ?」
憧「玄は宥ねえに怒ってないの?」
玄「怒るっていうか、悲しかったのかな…寂しかった」 14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:18:59.87
ID:Vvyq65qV0 憧「だーいすきなお姉ちゃんにウソつかれてたんだもんね」
玄「…うん。それがショックで悲しかった」
憧「けど宥ねえも好きでウソついたんじゃないと思うよ?」
玄「それはわかるよ、お姉ちゃんが私に言えなかった気持ち…」
玄「でも、あんなの見たくなかったしあんなこと…しないで欲しかった」
憧「あれは晴絵のせいだよね、あんな場所でするから」
玄「そういう意味で赤土先生にも腹が立つし、
もう…先生のこと前みたいに尊敬できない…」
憧「…うん、そうだよね」
玄「でもね、あのあとずっと考えてたの。ほんとにこれでいいのかって」
憧「え?」 15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:22:43.60
ID:Vvyq65qV0 玄「だってお姉ちゃんも先生も悲しそうだったよね?」
憧「まあ、ね。自業自得だけど」
玄「そうなんだけど、私はお姉ちゃんが悲しむなんて嫌だよ…」
憧「やっぱ灼さんと一緒か」
玄「え?灼ちゃん?」
憧「晴絵のことは許せないけど、でも晴絵を無視したりできないし
悲しむところも見たくないって」
玄「…そっかぁ、やっぱり、そうだよね」
憧「好きだから、大切な人だからこそ、そう思うんじゃない?」
玄「大切な人…うん、お姉ちゃんは大切な人だよ」 17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:26:47.08
ID:Vvyq65qV0 憧「じゃあ、部活行こっか」
玄「でも…やっぱり気まずいし…」
憧「玄が行かなかったら宥ねえ悲しむんじゃないの?」
玄「けど…」
憧「ね、行こうよ玄」
玄「…うん、わかったよ憧ちゃん」
憧「よかったぁ、…ほら、あたしがあの場をまとめちゃったし
インハイに行きたいとは言っても、みんながまとめるのか不安でさ」
玄「あのときの憧ちゃんちょっと怖かったかな…」
憧「あはは」 20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:37:52.23
ID:Vvyq65qV0 玄「お姉ちゃんたちのことはとりあえず見守ってみるね」
憧「そーだね。それしかないかな」
玄「あ、じゃあ先に行くね」
憧「うん、すぐ追いかけるー」
憧「はぁ…これで二人は何とかなったかな」
憧「疲れるわぁ…」
憧「ったく…晴絵にはあとで絶対なんか奢らせてやる…!」 21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:41:31.10
ID:Vvyq65qV0 視聴覚室
憧「ここが密会現場ってわけね」
宥「…うん」
憧「宥ねえさー、まずいって思わなかった?」
宥「思ったけど…でも、それは最初だけ…慣れちゃうの」
憧「そうなんだ」
宥「憧ちゃんならもう気づいてると思うけど、先生は悪くないの」
憧「いや、手を出しちゃった時点で晴絵が悪いよ?」
宥「そ、それはそうかもしれないけど…本当は…私の方から、」
憧「宥ねえから告白したんでしょ?なんとなく、そうだと思ってた」 23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:45:53.78
ID:Vvyq65qV0 宥「憧ちゃんはすごいね」
憧「なんで?」
宥「いつも冷静っていうか、よく見てるっていうか…」
憧「性格なのよ、よくも悪くもね」
宥「…私ね、ずーっとあの人のファンだったの」
憧「え、そーなの!?」
宥「ふふ、それは気付かれてなかったかー」クスッ
憧「ぜ、全然知らなかった…」
宥「小学生のころ、麻雀がすごく強い人がいるって聞いて阿知賀の中等部に
あの人を見に行ったのが最初で、翌年、あの人はインターハイに出場したの」
憧「へぇー」
宥「一目ぼれ、なのかも。はじめて見たときからずっと気になって
でも子どもだったし、声をかけるのが恥ずかしくて、遠くから見てばかりで…」 25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:50:55.55
ID:Vvyq65qV0 憧「話したことなかったの?」
宥「全然ないよ。子ども麻雀クラブも、自分だけ中学生だったのもあるけど
それよりも恥ずかしくて…あの人の前に立つのが恥ずかしかったの」
憧「宥ねえ乙女ですなぁ」
宥「ふふ、かなぁ。それでね、あの人が実業団へ行ったって聞いて
映像を見たり写真見たり…それで満足してたの」
憧「…けど、会っちゃったんだ」
宥「信じられなかったなぁ…目の前に、あの人がいるなんて」
憧「全然わかんなかったよ宥ねえー」
宥「隠せてたかな、灼ちゃんが先生のファンなのも知ってたし
私は目立っていなかったのかもしれないね」 26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:55:54.55
ID:Vvyq65qV0 憧「いつから…か、聞いていい?」
宥「うーん。春、くらいかなぁ。我慢できなくなったの。
いつも一緒に麻雀を打っているだけじゃ、それだけじゃ」
宥「満足できなくなっちゃったの。人間って本当に欲張りなんだよね」
憧「それで、告白?」
宥「うん。好きですって…あぁ、恥ずかしいなぁ」カァ
憧「宥ねえ赤いよ?可愛い」
宥「赤土さん、最初は困ってたなぁ、『え?えー?』みたいな」クスッ
憧「そりゃそうだよー。まさかの宥ねえだもん」
宥「でも、ちゃんと答えたいって言ってくれて、
赤土さんの車の中でお話ししたことがあったの」
憧「うんうん」
宥「そのときに、『付き合おう』って。最初は信じられなかったけど、
でも、本当に嬉しくて泣いちゃったなぁ」 28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 22:59:13.34
ID:Vvyq65qV0 憧「晴絵はさ、宥ねえが教え子だってことをどう言ってたわけ?」
宥「『これは絶対にあってはならないことだけど、理性で抑えられない』って」
憧「ほほぉ」
宥「『それくらい、宥を好きになっちゃった。』って
あー、私は何言ってるんだろう…」
憧「…ごめんね、宥ねえ」
宥「え?」
憧「私、二人を引き裂くようなこと…」
宥「ううん。あの場面、それ以外なかったよ」
宥「玄ちゃんや灼ちゃん、穏乃ちゃんを、とりあえずあの場だけでも収めてくれたのは
憧ちゃんのおかげだよ。…あぁ、三人にもちゃんと謝らないと…」
憧「そう言ってもらえると助かるけど…」
宥「憧ちゃんがああいう風にまとめてくれなかったら、
あの人は私なんかのせいで人生めちゃくちゃになってた、だからいいの」 29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:04:43.62
ID:Vvyq65qV0 憧「無理しなくてもいいのに…」
宥「無理なんてしてないよ。いつかはこうなるって思ってた
それがたまたま今日だっただけなんだと思う」
宥「もっとひどいことになるって思ってた。でも、そうならなかったのは
全部憧ちゃんのおかげなんだよ、…ありがとう」
憧「…わかってても、それでも止められなかった?」
宥「私も先生と一緒。理性では抑えが効かなかったの」
憧「そっか…」
宥「でも、ちょっと…ちょっとだけ、寂しい…かな」
憧「宥ねえ…」
宥「…憧ちゃん、部活一緒に行ってくれる?」
憧「うん、いいよ」
宥「ごめんね…」
憧「いいって」
宥「…ありがとう、憧ちゃん」 30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:08:20.71
ID:Vvyq65qV0 麻雀部部室
ガラッ
憧「ごっめーん、遅れたー」
宥「あ、あの…ごめんなさい」
穏乃「や、宥さん、みんな来たばかりなので!」
宥「…そっかぁ」
灼「…宥さん、あの、」
宥「う、うん…」
灼「インターハイ、優勝しましょうね。宥さんの力が必要なんです」
宥「灼ちゃん…」ウルウル 33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:14:07.66
ID:Vvyq65qV0 玄「そ、そうだよお姉ちゃん!優勝しよう?」
穏乃「はい!頑張りましょう!」
宥「みんなっ…ぐすっ…うわぁぁぁ」ジワァ
宥「ごめん、な、さい…ごめん」
灼「もういいから…だから、…」
宥「ありがとぉ…」
憧「(灼さんと玄が宥ねえをちゃんと受け入れたことで
部活内は、とりあえず収まってる)」
憧「(あー話しといてよかったぁ)」
憧「(…あとは晴絵か)」 38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:18:16.41
ID:Vvyq65qV0 部活後、部室。
憧「部活に出てこないなんて最低だね、晴絵」
晴絵「…部活に顔なんか出せないよ」
憧「そのくせあたしが呼び出したら出てくるのはなんで?」
晴絵「憧はあの場を収めてくれたし…」
憧「ふーん…で、宥ねえのことどーすんの?」
晴絵「どうって…もう、終わったよ」
憧「それでいいの?みんなに見られたから、なかったことにするから
終わりにしまーすってそれでいいんだ?」
憧「晴絵の宥ねえに対する気持ちってその程度なわけ?」
晴絵「だって、…しょうがないよ」 2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:35:02.45
ID:Vvyq65qV0 憧「そうだよね、しょうがないよね。あんなとこでキスするほうが悪いもんね」
晴絵「全部私が悪い…何も考えずに軽率なことを…」
憧「そーそ。晴絵がぜーんぶ悪いよ。でもさ、だからって
それでいいの?って話じゃん?」
晴絵「え?」
憧「宥ねえのこと好きなんじゃないの?ちょっと責められたからって諦められるの?」
晴絵「そんなこと…できるわけ、ないじゃん…」
憧「そうだよね、諦められるって言い出したら晴絵のこと叩いちゃいそうだった」
晴絵「でも、みんなをインターハイに連れて行くには別れるしか…」
晴絵「憧がそう言い出したんじゃないのか?もう、近づくなって」 3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:37:08.41
ID:Vvyq65qV0 憧「そうだよ。でもそれはさ、建前でしょ?あの場での、方便じゃん」
晴絵「憧何言って…」
憧「みんなが納得するように、とりあえず収めたかっただけだし?」
憧「ま、インハイに行ければあたしはほかの事はどーでもいい。それが本音なわけ」
憧「晴絵が何したってどうでもいいし、誰を好きでもいいの」
晴絵「でもいまさら…宥だって愛想をつかせてるよ」
憧「それはどうかな?」
晴絵「え?」
憧「それに灼も、玄も、悩んでたよ。二人が別れちゃっていいのかなって」
晴絵「二人が?」 4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:39:40.96
ID:Vvyq65qV0 憧「その場の勢いに任せてひどいこと言っちゃったんじゃないか、
二人はすごく幸せそうだったのにって」
憧「だから何度も言うけど、あんなところでキスしたのがバカなの」
憧「時間をかけて話をすれば理解されたかもしれないのに、
いきなりあんなの見せるからみんな怒るの、信用を失うの。わかる?」
晴絵「……みんな、いい子だな」
憧「当たり前でしょ、晴絵の教え子なんだから」
晴絵「あ、憧っ…憧ぉ…」
憧「キモイから泣かないでよ」
晴絵「ご、ごめん」ズズッ 5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:42:08.58
ID:Vvyq65qV0 憧「宥ねえは、自分のせいでって落ち込んでたよ」
晴絵「そうか…」
憧「ま、どうするかは晴絵次第だよ」
晴絵「うん…」
憧「よく考えてね、宥ねえ泣かせたらマジで怒るよ」
晴絵「…わかったよ、憧。ありがとう」
憧「お礼とかキモイからやめてよね」
憧「(こんなもんかな…)」
憧「(もういいや、早く帰ろう…)」 7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:47:40.00
ID:Vvyq65qV0 インターハイ大会中、ホテルの部屋
晴絵「宥、もう寝たほうがいいよ」
宥「はい、でも、もう少し牌譜を…」
晴絵「明日試合なんだからもう寝なって」
宥「…じゃあ、キスしてください」
晴絵「なっ//」
宥「おやすみのキス、してくれたら寝ます」
晴絵「や、でも、…みんなが見てるし…」
宥「早くしてください、先生」グイッ
晴絵「え、ちょっと宥、ダメだって//」 8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:49:32.69
ID:Vvyq65qV0 憧「あのー、それ二人だけのときにしてくれる?」
灼「見苦し…」
玄「お姉ちゃんこっちが恥ずかしいよ//」
穏乃「いいなぁ、ラブラブだなぁ」
憧「あ、シズ、あたしがキスしてあげようか?」
穏乃「えぇ、憧はいいや」
憧「えぇ?なんでよ?」
灼「それもヨソでやって欲し…」
玄「あ、じゃあ、灼ちゃんは私とキスする?」
灼「え…?…は?//」
玄「だめなの?」
灼「いやダメっていうか…」
玄「灼ちゃ~ん!」
灼「は、恥ずかし…」 10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:53:06.66
ID:Vvyq65qV0 憧「…これでよかったのかな?」
穏乃「え、なにが?」
憧「いろんな意味で」
穏乃「いいんだよ、先生も宥さんも幸せなのが一番!」
憧「ま、そうね」
穏乃「先生かっこよかったよね、あのとき」
憧「あー『何があっても、宥が好きだ!』ってやつ?」
穏乃「そうそう、あんなの憧れちゃうなぁ」
憧「ま、あれのおかげで灼さんも玄も完全に折れたわね」
穏乃「あれ見せられちゃうともう先生とか生徒とか関係ないっていうか
いや、よくないんだけど、でも、認めちゃうよね」 12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:56:19.49
ID:Vvyq65qV0 憧「麻雀部以外では会わないって約束も守ってるみたいだし、
あたしたちが口外しなけりゃバレることはないからね」
穏乃「でも、部で認めちゃってからのいちゃつき度半端ないよね!」
憧「当てられた玄と灼さんがいい感じになっちゃってるもんね」
穏乃「そうそう!」
憧「あそこまでいちゃついていいとは言ってないんだけどね。
まあ…幸せそうだからいいか…」
穏乃「あぁ、いいなぁほんと」
憧「だからシズにはあたしがキスしてあげるって言ってんじゃん」
穏乃「憧はいいや、恥ずかしいし!」
憧「え、ちょっとシズー!!」 13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/10(火) 23:58:37.79
ID:Vvyq65qV0 決勝前夜、宥と晴絵の部屋
宥「赤土さん、少し話してもいいですか?」
晴絵「明日も早いんだよ?」
宥「でも、少しだけ…ね?」
晴絵「うん、わかった。なに?」
宥「えっと…前に進路の話をしましたよね?」
晴絵「あぁ、うん。大学へ行くのかどうなのかって」
宥「明日で私は麻雀部引退なので、ちゃんと言っておこうと思って」
晴絵「うん、聞かせて」 15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/11(水) 00:03:11.30
ID:lOrXf2V90 宥「…私、赤土さんのお嫁さんになりたいんです」
晴絵「え…ほんと?」
宥「はい、だから大学へは行かずに家業を手伝います」
晴絵「そ、そう…か」
宥「ダメ…ですか…?」
晴絵「い、いや、いいよ!すごい、えっと、嬉しい!」
宥「卒業したら誰の目も気にせずに会えますし…早く、そうなりたいです」
晴絵「ゆ、宥がお嫁さんか…うわぁ、なんて幸せ」
宥「えへへ、嬉しいです」ニコッ
晴絵「あったかい家になりそうだ」
宥「はい、あったか~いおうちにします♪」 16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/11(水) 00:06:35.08
ID:lOrXf2V90 晴絵「…宥、ありがとう。本当なら私が言わなくちゃいけないのに…」
宥「いえ、みんなの前で好きだと言ってくれて嬉しかったから…
私からちゃんと言いたかったんです」
宥「私は、あなたを信じてよかった」
晴絵「…大好きだよ、宥」
宥「はい、私も、好きです」
晴絵「あ、でもこれはまだみんなには内緒な?」
宥「わかりました、ほんとにほんとの秘密ですね」クスッ
晴絵「うん…じゃあこれからもよろしく。明日は頑張ろうね宥」
宥「はい、優勝…しちゃいますよ?」
カン 17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/11(水) 00:08:14.01
ID:lOrXf2V90 終わりです
まさかあんなに早くスレが落ちるとは思わなかった
支援感謝です、ありがとー 19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/11(水) 00:19:27.27 ID:28jFzeJt0
乙
落ちるの早すぎだよね 20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/11(水) 00:21:18.90 ID:2UF6RVIG0
宥レジェとか新しい 18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/11(水) 00:10:23.84 ID:woOOvOQd0
おつ
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