1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 00:28:27.32 ID:fix3XWLk0
撫子「ひま子、ご機嫌だね」
向日葵「やはり顔に出てしまいましたか」
撫子「なに? なんかいいことあったの?」
向日葵「えぇ、実は今朝すごく素敵な夢を見まして」
撫子「へぇどんな」
向日葵「話すと長くなるんですが――」
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 00:34:07.78 ID:W6AzKYqO0
櫻子「向日葵おかわり」
向日葵「はいどうぞ」
向日葵「あぁ……思い返すだけで感動的ですわ」
撫子「えっ、これだけ?」
向日葵「これだけで十分です!」
撫子「どこでの会話?」
向日葵「わかりません」
撫子「何食べてるとき?」
向日葵「わかりません」
撫子「……情報少なすぎでしょ」
向日葵「撫子さんともあろうお方が何をおっしゃっていますの!」
撫子「!?」 4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 00:43:32.01 ID:fix3XWLk0
向日葵「あ、す、すみません。つい熱くなってしまって」
撫子「いや、別にいいよ。ひま子は櫻子大好きだもんね」
向日葵「な、何言ってらっしゃるんですか!!」
撫子「違うの?」
向日葵「ちが――いはしませんけど、あ、そ、そう! これは義務というか」
撫子「へぇぇ、義務ねぇ」
向日葵「撫子さんも副会長とはいえ、他のことでもお忙しいでしょうし。やはり私が率先して面倒を見なければ」
撫子「ん? 副会長?」
向日葵「櫻子を見守る会ですわ」
撫子「うん、初耳だし即脱会したい」 6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 00:52:21.05 ID:fix3XWLk0
向日葵「あ、話がそれてしまいましたわ。夢の話に戻りましょう」
撫子「いや、先に見守る会についてききたt」
向日葵「まず着目すべきは『おかわり』の部分です」
撫子「話をきいt」
向日葵「これすなわち、櫻子と私が同棲しているということになります」
撫子「ひま子、いったん落ち着こう」
向日葵「あぁ重ねてすみません、もっと細かくご説明いたします」
撫子「……もういいや。うん、説明して」 7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 00:57:48.17 ID:W6AzKYqO0
向日葵「例えば、これが『向日葵よこせ』とかなら学校での日常ですけど」
撫子(あいつ学校で何してんの?)
向日葵「これはそもそも櫻子が『自由にお代わりできない』と認識した上で出た言葉だと思いますの」
撫子「なるほど」
向日葵「ですから、あの夢はお代わりを要求しても何ら問題がない環境での会話ということになります」
撫子「んー。だったら、ドリンクバーとか、お代わり自由のお店って可能性もあるんじゃない?」
向日葵「確かに、その可能性もございます」
撫子「まぁどっちにしろ仲良しってのは変わらないからいっか」
向日葵「そこで反論材料をまとめてきました」
撫子「用意周到」 8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 01:03:39.79 ID:W6AzKYqO0
向日葵「経験から申しますと、櫻子とファミレスに行くと細かく注文されますので」
撫子「あぁ、氷いれろーとかいろいろ混ぜろーとかね」
向日葵「ええそうです。あとは温度とか比率とか」
撫子「!? ひま子、まさかそれを忠実に……?」
向日葵「いえ、まさか」
撫子「よかった」
向日葵「ホットの場合はさらに熱くして持っていきますわ」
撫子「我が愚妹にはそれくらいしてやったほうがいいよ」
向日葵「そうすれば、私がふーふーしてあげる口実になりますし」
撫子「やっぱそっちなのか」 9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 01:07:32.41 ID:fix3XWLk0
撫子「じゃあジュースの場合は? 氷増やして薄めるとか?」
向日葵「いえ、逆に減らします」
撫子「なんで?」
向日葵「櫻子が『ぬるくなるー』って言い出したら、チャンスです」
撫子「あ、なんか予想ついたかも」
向日葵「グラスを奪い取って、氷と飲み物がよい比率になるまで私が飲んで、櫻子に返します」
撫子「口をつけるのはもちろん」
向日葵「櫻子サイドをペロペロ」
撫子「揺るぎないな」 10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 01:13:12.44 ID:W6AzKYqO0
向日葵「そうそう、あとお代わり自由な状況についてなのですが」
撫子「あ、話続くの」
向日葵「それに関しては私の『はいどうぞ』から違うということがうかがえます」
撫子「と、言うと?」
向日葵「基本的に、公共の場では『自分のことは自分でしなさいな』と叱ることにしてますから」
撫子「迷惑かけるね。今度しかっておくから」
向日葵「いえ、会長として当然ですわ」
撫子「もうツッコまないよ」
向日葵「?? なにをですか」
撫子(素なのか) 11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 01:18:10.62 ID:W6AzKYqO0
撫子「……ん? そういや公共の場ではって言った?」
向日葵「はい」
撫子「じゃあ二人きりとかだと違うの?」
向日葵「いまではあまり叱らなくなりましたわ。昔は少し違いましたけど」
撫子「どんな感j」
向日葵「んもぅ、甘えんぼでちゅわねぇ。さーちゃん」
撫子「ストップもういい」
向日葵「はぁい、ひまちゃんがあ~んしてあげま」
撫子「やめて」
向日葵「でも櫻子もようやく成長したのか、最近では二人きりのときは自分でするようになりましたの」
撫子「櫻子も学習したんだろうね」 12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 01:25:22.53 ID:W6AzKYqO0
向日葵「――とまぁ、ここまでで『櫻子と私が同棲している』ことを分かっていただけたかと思います」
撫子「うん、まぁひま子の愛はよくわかった」
向日葵「では続いて、夜の生活についての考察に移りまs」
撫子「おっと、花子の宿題見なくちゃ。じゃあね、ひま子」
向日葵「それならご心配なく。すでに予習まで私が一緒に済ませて差し上げましたから」
撫子「な――」
向日葵「ちなみに楓も遊びに行っていますから、まだまだお気遣いなく」
撫子「ひま子、目が怖」
向日葵「ぜひ、大人な撫子さんの感想も拝聴したいと思っておりますの」
撫子「いや…やめて……」 13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 01:31:54.75 ID:W6AzKYqO0
向日葵「今日はありがとうございました、撫子さん」
撫子「う、うん。またね」
ガラッ
櫻子「ただいまー。おっ、向日葵なにしてんの?」
向日葵「ちょっと撫子さんに相談を。では、夕飯の支度がありますのでまた」
櫻子「よし、楓も連れてうちで食べよう。ていうか私の代わりに食事当番をムギュ」
撫子「自分でやりな。ひま子は忙しいの」
櫻子「向日葵のご飯が食べたい」キリッ
向日葵「」ピクッ
撫子「ちょ、櫻子、あんた自覚しなさい」 14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 01:36:42.13 ID:e4mAVCWS0
向日葵「で、ではまた」
櫻子「なーんだ、帰っちゃった。うちで一緒に食べていけばいいのに」
撫子「櫻子」
櫻子「ん?・なに?」
撫子「……えい」サワ
櫻子「ひゃぁ!?・や、やめてよ。耳くすぐったいんだから」
撫子「あー、やっぱり本当なんだ」
櫻子「ひとりで納得しないでよ」
撫子「……手錠とか目かくしとか、嫌ならちゃんといいな」
櫻子「??」
撫子「まぁ将来のことだからまだわかんないか」
櫻子「まって怖い」 16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 01:42:28.56 ID:e4mAVCWS0
~数日後~
撫子「ひま子、元気ないね」
向日葵「やはり顔に出てしまいましたか」
撫子「なに? なんか嫌なことあったの?」
向日葵「えぇ、実は今朝すごく不吉な夢を見まして」
撫子「へぇどんな」
向日葵「話すと長くなるんですが――」 18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 01:47:59.63 ID:e4mAVCWS0
櫻子「向日葵のおっぱいオバケ」
向日葵「うるさいですわね。櫻子のまな板オバケ」
櫻子「なんだとー」
向日葵「あぁ……思い返すだけで悲劇的ですわ」
撫子「??・別にいつも通りじゃない?」
向日葵「いえ、これは妊娠と離婚の危機です」
撫子「はい?」 19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/03(木) 01:52:08.16 ID:W6AzKYqO0
向日葵「でも、今日は簡潔にまとめてきたので資料をお渡しします」・
撫子「(よかった)・さすがひま子d」
向日葵「とりあえずざっと2万字ほど」
撫子「勘弁してください」
おわり 23 :
おまけ 2016/03/03(木) 02:03:00.73 ID:W6AzKYqO0
櫻子「楓、なにその『副会長』ってバッジ」
楓「櫻子お姉ちゃんのお姉ちゃんにもらったの」
櫻子「ねーちゃん、何かやってたっけ?」
楓「櫻子お姉ちゃん」
櫻子「??・どした?」
楓「愛には色んな形があるんだよね」
櫻子「はい?」
楓「櫻子お姉ちゃんはそういうのが好きな人なんだもんね」
櫻子「いや、なんの話?」
楓「ピンクの首輪、似合うといいね」
櫻子「なにそれ怖い」
おわり
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櫻子が好きすぎる向日葵は見ていて面白い
百合とは深く無限
向日葵がガチで櫻子にその気が見当たらないシチュはおもしろい。
撫子姉さまは安定の苦労役でしたな。
なにこれ怖いw
撫子もMっぽいよな
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